お久しぶりです。

2012-11-17 11:57:53 | 技工その他
久しぶりの更新です。
おかげさまで、ここしばらく公私共に忙しくしておりました。
コバルトクロムのPFMにも触れたかったのですが、このところめぼしい画像もないのでそのうち取り上げたいと思います。

さて、今回はお得意先のコーヌス義歯のお仕事を取り上げたいと思います。
ちょっと感動したもので、先生に無理を言ってその場で画像を撮らせて頂きました。







この義歯、当ラボの手によるものではありませんが、相当長く(おそらく20年以上)使われている義歯です。
素晴らしく良好な予後を見て取れます。
先生の手間を惜しまないメンテナンス、良好な患者さんとの関係がうかがい知れるというものです。
この少数歯残存のロケーションで支台歯の歯周に破綻をきたすことなく、これほど長期間維持できているという事に驚きました。
さらに、この歯科医院様ではこういう義歯がザラにあるのが凄い。

コーヌス・クローネはドクターサイドにも作る側にとっても大きなエネルギーを必要とする難しい仕事です。
一次連結がないため、現在の視点からすれば批判されがちな補綴法ですが、こうして長期間使用されているコーヌス義歯を見ると批判する余地など無いように思います。
元来リジッド・サポートとは粘膜面と歯牙を同時に守ることを目的とするもので、理想的に機能すれば長期間良好な状態を維持できるとするK.H.Korber 先生の理論そのままですよね。
作製された技工士さんも良い仕事されてますね。
当時はレーザー溶接なんてない時代ですし、金属床とコーヌス外冠の鑞着なんて相当難しかったと思いますよ。
僕も昔、コーヌスには散々苦労したので、この義歯の値打ちがよく分かるんですよ。

この義歯の値打ち=「100%マンパワーによる成果」ですね、やっぱり。
CAD/CAM時代が到来する前のドイツ式補綴も素晴らしい「文化」だと思うなぁ、僕は。
こういう仕事を見ると、技工業界が凋落してもその「文化」を継承してゆく値打ちがないとはとても思えない。

・・・そんなことを感じました。




EVANSPRO Dental Laboratory
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