熱可塑性アクリルレジン

2009-01-15 02:21:25 | 義歯
現在、「アクリショット」と「アクリジェット」という2商品があります。
で、当ラボでの評価は臨床応用は「可」ということで、材質としてはまずまず「良」と判断しています。

この樹脂、当初は扱いを誤るとショットミスが起こったり、黒変したり、変形やクラックが発生したりで、当ラボの使用機材におけるショットの最適値を探すのにはかなり苦労しました。まだ開発されて日も浅いので、扱いが難しいのは仕方が無い事だと思いますが、現在はメーカーさんの努力もあって様々なトラブルから解放され、お得意先様からも喜ばれるまでになっています。

ポリスルフォン床を試された先生方の中には「とにかく硬くて調整・研磨が大変」ということで悪い印象をお持ちになった先生もおられるのではないでしょうか?
今回の熱可塑性アクリル樹脂は、ポリスルフォン床と比較するとチェアーサイドでの調整や研磨は従来のアクリルレジン床とほとんど変わりませんし、熱可塑性樹脂なので残留モノマーは極端に少なく、ポリスルフォン並みかそれ以上の曲げ強度を有します。
熱可塑性というだけで従来と同じアクリリックレジンなので、即重レジンでリベースや修理・追補・増歯も従来通り可能です。
「樹脂が変わった、という違和感はほとんど感じない。」とお得意先の先生はおっしゃってます。

昨年から、義歯は「熱可塑性樹脂有床義歯」と「有床義歯(レジン床)」という分類に変わりました。保険適用の熱可塑性樹脂はスルフォンに限らないということになり、アクリルでも熱可塑性であれば以前のスルフォン床同様の請求ができます。

利用価値は大きいと思うのですが、いかがでしょうか?



EVANSPRO Dental Laboratory
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