美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

学年通信2014年12月18日

2014年12月18日 | 学年通信

◆この冬休みは特別な冬休みです。いろいろと計画していますか?受験生としての自覚をしっかりと持ち続けてください。1ヶ月後には受験会場に入っていく君の姿があります。入学試験に臨む自分をこの1ヶ月作り上げていってください。

これから一人一人がそれぞれ違った方向を目指して進んでいくこととなります。でも、高等部生としての繋がりを大切にできる信頼関係をしっかり築きながら歩んでください。そして、冬休み~1月の君の姿が、高等部3年間の君の成果として表れるのです。

 

◆高校の最後、まとまった読書をしませんか? 

司馬遼太郎著『竜馬がゆく』(文春文庫、全8巻)は若い時に読んでおきたい本です。

小説として楽しめるのはもちろんですが、幕末の日本に生きた若者達のひたむきな思いとその姿が鮮明に描かれています。「薩長連合、大政奉還、あれァ、ぜんぶ竜馬一人がやったことさ」(勝海舟)。坂本竜馬は小さな藩の中にとどまって物事を考えていたのではダメだと考え脱藩します。浪人の身で、日本国民という意識を持って、大動乱期の幕末に大政奉還、薩長連合という大事をなしていきます。決してたやすい道ではなかったものの、竜馬とその同時代を生きた若者たちの志をもった姿があります。竜馬は彼自身が構想した、大政奉還が上手く運んだ時の新政府の閣僚名簿に自分の名前は書きませんでした。西郷隆盛に「尊兄の名が見あたらんが、どぎゃンしもしたかの」とたずねられた時「おれは窮屈な役人がきらいでな・・・世界の海援隊でもやりましょうかな」と応えます・・・ 

 

「この長い物語も、おわろうとしている。人は死ぬ。竜馬も死ななければならない。その死の原因がなんであったかは、この小説の主題とはなんのかかわりもない。筆者はこの小説を構想するにあたって、事をなす人間の条件というものを考えたかった。それを坂本竜馬という、田舎うまれの、地位も学問もなく、ただ一片の志のみをもっていた若者に求めた。」と語っています。そして「時代は旋回している。若者はその歴史の扉をその手で押し、そして未来へ押しあけた。」とこの長い小説は終わります。

 

京セラやKDDIを生み出し、JALの再建を引き受けた稲盛和夫氏が、己の判断の際に常に自分に問いかける「動機善なりや、私心なかりしか」という言葉が、坂本竜馬の生き様と重なります。 今、社会が最も必要としているのは、お金で売買されない人、魂の奥底から真実な人、罪を罪と恐れずに言える人、正しいことのために立つ人…。どうか美しい「志」を持って未来に向かって歩もうではありませんか。

良い年末年始を過ごしてください。  

新年は1月7日(水)10:00am 3階視聴覚教室集合 (検定料25000円、ペン、印鑑)

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