◆高等学校の様々な学びはきっとこれからの人生に繋がっていきます。
実生活にはほとんど関係のないような学びもあったことと思います。「こんなことやっても無駄!」「いくらやっても点数とれない…」とあきらめて割り切ってしまった人いませんか。そんな小さな了見では人生拡がりませんよ。
学ぶとは、何かの役に立つとか・立たないとか、何かの資格のためとかではなくて、自分という人間を作るためにすることです。一見無駄と思える学問でも、それに支えられて社会の太い幹が形成されています。そんな学問のごくわずかな部分を高校時代に学んだわけです。そして、自分が子ども時代から感動したこと、ケンカした友だち、経験したスポーツ、読んだ本、音楽、ケガしたこと・・・そして学校の勉強、どれをとっても人間形成に無駄なものはなかったのです。これからも…
自分の「今」をしっかり受け止めて、「今」を大切に生きていこう!
◆お別れの時です。
高等部67期生として初めて君たちと出会ってから3年・・・あっという間の3年間だったように感じます。君たちのいろんな姿が思い浮かびます。卒業していく君たちへの最後のメッセージです。
これからの自分の人生の歩み、「思いやり」の心を持って「誠実」に、そして、しっかりとした「志」を持った生き方を見つけてください。
漫然とした人生の歩みの中では、いい出会いも、いい出来事も気づかぬうちに自分のそばを通り過ぎていきます。また、獲得した知識も能力も経験もそれでは十分に生かされません。
自分のためではなく、世の中のため、他人のために何かをやろうというのが「志」です。自分が生きていることによって、少しでも人のため、社会のためになっているという実感が持てることです。
一人でも多くの人が「志」をもって生きることによって、きっと社会は良くなっていきます。そして、自分も大きな幸せを感じることができます。
これからの人生の中で、大きな勝負をしなければならない時、大きな決断をしなければならない時がきっとやってきます。そんな時に次の言葉を思い出してください。
「けっして卑怯にならないこと。
ときには、不利とわかっていても、
正々堂々と進まなければならない道がある。」
この言葉は、戦後の関西学院中学部・高等部を支えてこられた恩師から送っていただいた言葉です。
「志」という言葉を添えて、君たちにこの言葉を申し送りたいと思います。
自分のことばかりではなく他者の幸せにつながる思い、そして「志」を持っていれば、その進むべき道ははっきりと見えてきます。
関西学院高等部の精神として受け取ってください。
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