美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

池田晶子著『事象そのものへ!』

2007年03月05日 | 私の本棚


「14歳からの哲学」著者・池田晶子さん、死去 哲学エッセーなどで人気を集めた文筆家の池田晶子(いけだ・あきこ、本名・伊藤晶子=いとう・あきこ)さんが2月23日午後9時30分、腎臓がんのため亡くなった。46歳。葬儀は親族で済ませた。連絡先は新潮社出版企画部。喪主は夫、實(みのる)氏。慶応大哲学科を卒業後、アカデミズムとは一線を画し、専門用語を使わずに哲学する独特の活動を開始。生死とは何か、という根源的な問いを自分の言葉で「考える」ことの大切さを訴え、2003年刊の『14歳からの哲学』は若い世代の共感を呼び、27万部のベストセラーとなった。
 昨夏に腎臓がんがみつかり、手術後は自宅で療養していたが、今年1月末に入院。闘病生活を続けながら宗教を論じた対談本『君自身に還れ』の出版準備を進めたほか、8日発売の「週刊新潮」に連載エッセーを寄せるなど死の直前まで執筆を続けた。
(2007年3月2日19時29分 読売新聞)


同世代の有識人として興味を持ってみていた人でしたから、ニュースで知った時、少なからずショックがありました。
『事象そのものへ!』(1991年)では、思索する人とそうでない人に二分化してしまっている今の若い世代に、考えることのきっかけを与えてくれたのではないでしょうか。
『14歳からの哲学』(2003年)ではまさにこれからの若い世代へのメッセージとして、若い世代が考えなければならないことを教えてくれました。

教育現場は、知識を得ること、そして、深く考えることのバランスが求められますが、実際のところ、生きることを考える、考える存在としての人間を考える、生と死を考える・・・そんな人間として根本的なストロングな思考が鍛えられないまま知識が上滑りしていないか・・・
池田晶子さんの著作から気づかされることは多かったです。
ご冥福をお祈りいたします。



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