美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

『無趣味のすすめ』村上龍著

2012年04月14日 | 私の本棚
無趣味のすすめ 拡大決定版 (幻冬舎文庫)
クリエーター情報なし
幻冬舎


本文より

私は趣味を持っていない。小説はもちろん、映画製作も、キューバ音楽のプロデュースも、メールマガジンの編集発行も、金銭のやりとりや契約や批判が発生する「仕事」だ。息抜きとしては、犬と散歩したり、スポーツジムで泳いだり、海外のリゾートのプールサイドで読書したりスパで疲れを取ったりするが、とても趣味とはいえない。
現在まわりに溢れている「趣味」は、必ず属す共同体の内部にあり、洗練されていて、極めて完全なものだ。考え方や生き方をリアルに考え直し、ときには変えてしまうというようなものではない。だから趣味の世界には、自分を脅かすものがない代わりに、人生を揺るがすような出会いも発見もない。心を震わせ、精神をエクスパンドするような、失望も歓喜も興奮もない。真の達成感や充実感は、多大なコストとリスクと危機感を伴った作業の中にあり、常に失意や絶望と隣り合わせに存在している。
つまり、それらはわたしたちの「仕事」の中にしかない。(村上龍)



今の社会にある様々な問題に対して、一つのテーマを3ページほどで論じていく。
選び抜かれた少ない言葉に込められた考察は鋭い。

私たちは日々社会のことをもっと考えなくてはいけないと感じる。
自分たちが暮らす日本という国のあり方を…
私たち一人一人の生活のあり方を…
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