カオリン&チョチョリンの親育て・子育て

むちゃくちゃ気まぐれに思いついたことやら、好きな映画・舞台のことやら・・・ぼちぼちと書いております~

TAKESHIS’(うつつとは、夢幻の狭間なのか・・・)

2005年11月08日 | 映画・テレビ
この前、訳がわからないと前評判の高い(?)「TAKESHIS’を見てきました。ちなみに、12作ある北野作品の中で、私が今まで見たと言えば「この男、凶暴につき」、「3-4×10月」、「HANA-BI」、「菊次郎の夏」とテレビ放映で見た「座頭市」。(「座頭市」は、時代劇にタップダンス(?)・・・って、倦厭してたんですが、意外とよく出来てましたね。結構面白かったです。で、チョン・ウソン氏も好きだと言ってましたが、「HANA-BI」は、私も好きです
で、今回見た「TAKESHIS'」、いままでの北野作品とは、ちょっと一味違う作品に出来上がってました。ストーリーが、行きつ戻りつ・・・、俳優・女優が何役も違うキャラクターで登場したり・・・。どの役とどの役が同一人物なのかが混乱してしまいかねない・・・、もちろん、北野ビートたけしもどちらの役柄なのか?って迷っちゃうんですが、ラスト見ると「全部が、ビートたけしだったんじゃ・・・。」って、思えます。

ストーリーは・・・、

売れない役者北野(北野たけし)が、偶然に楽屋で自分の憧れの的である超売れっ子スター・ビートたけし(北野たけし)に出会う。しかし、出会ったビートたけしは、尊大で横柄な男だった・・・。
日々の北野は、貧乏アパートに一人暮らし。毎日、合格することのないオーディションに通い、近所の住人にまで馬鹿にされている。仕事は、コンビニのアルバイト店員。テレビ局で王様のように持ち上げられていたビートたけしとは雲泥の差の扱いで、コンビニの客にからかわれたり、頑固なラーメン屋の親父に怒鳴られたり・・・。
そんな彼に事件が起こった。
突然コンビニに飛び込んできた血だらけの男。追っ手から逃げている男は、コンビニのトイレへ・・・。その直後、追っ手が北野に男のことを尋ねるが、北野は、男の存在を否定する。男達が立ち去った後、トイレの様子を見に行く北野。しかし、そこには息絶えた男の姿が・・・。残されていたのは、マシンガンに拳銃数丁。
気弱で何のとりえもなかった男は、武器を手にした時、狂った野獣に変わった。
彼が取った行動は、銀行強盗という暴挙。
しかし、海辺で警察に追い詰められた北野は、数発の銃弾に倒れるのだった。
で、これが、北野がコンビニの店番中にうたた寝をしたときに見た一つのお話で・・・。
もう一つのお話は、憧れていたビートたけしに描いてもらったサインに描かれた自分への侮辱に激怒した北野が、ビートたけしを殺しに・・・。

ラストシーン・・・、ビートたけしが、撮影準備のために刺青を描いてもらう間に、寝入ってしまい、まるで悪夢を見ているように魘されている姿。

この映画、北野監督ならではの笑えるお遊びがあり、その上、今までの作品のシーンを思わせるショットも結構盛り込まれてます。(そんなところも楽しめました。)
それに、何処までが現実で何処からが夢幻か・・・。そんな不思議な感じの映画でしたね。多分、ラストシーンからすると、この映画全てが、ビートたけしの夢物語だったのかもしれません。
それにしても、北野組の歴代映画に出演された方々がてんこ盛りで、それぞれにクセのある演技を見せてくれてます。でも、今回は、どの役者さんも現場で戸惑われたとか・・・。なんせ、どんなに殺されてもゾンビのように生き返ってくる役なんですよね、大杉連さん、寺島進さん・・・、その他もろもろ
確かに、この映画、賛否両論あったと言うのは分かるような気がしますね。
でも、私的には、結構楽しめましたよ。
役柄を全て別の人間と考え、このストーリーを頂点を極めたビートたけしの衰退への恐れからくる悪夢だとすれば、理解できるような気が・・・。
ちなみに、この映画のオープニングシーンは、ビートたけしが映画界で認められるきっかけとなった「戦場のメリークリスマス」を思い出させましたね。

黒澤明監督の「夢」が、幻想的で美しい純真な「夢」ならば、北野武監督のこの作品は、殺伐とした現実という恐ろしさから逃避したい人間が見る「悪夢」なのかもしれない。


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