パク・チャヌク監督復讐三部作(『復讐者に哀れみを』・『オールドボーイ』・『親切なクムジャさん』)の最終章として作られたこの作品。空気のような女性と言われ、日本でも『チャングムの誓い』で人気を得ているイ・ヨンエ主演ということで、撮影前から話題性があり、イ・ヨンエのイメージを180度変化させる作品として韓国でも注目されていましたが、確かに彼女の演技の幅を一回り広げる作品になってましたね。
映像もチャヌクワールドならではの雰囲気、音とイメージで残酷な場面をより残酷に感じさせてくれます。
ではでは、ストーリーは・・・(ネタバレあり) 映画HPは、こちら
少年誘拐殺人犯として、13年の服役中、誰からも『親切なクムジャさん』と言われ慕われた主人公のイ・クムジャ(イ・ヨンエ)。
しかし、彼女がそう呼ばれる理由には、別の意味があった・・・。
部屋主風をふかせ、新入りの囚人をいたぶる女ボスが体調を壊せば、甲斐甲斐しく世話をし、食事まで食べさせてやるクムジャ。だが、その食事の中には、漂白剤が・・・。
「さぁ~、いっぱい食べて・・・。そして、早く死んで。」
といいながら、また一口食事を運ぶ。
そして、ついには風呂場に石鹸を塗り、その女ボスを転倒させて・・・。
それ以外にも、自分の腎臓を提供してやったり、誰も面倒を見たがらない寝たきりの北朝鮮女スパイを面倒見たり、そんなクムジャの行動で、救われた女達は、クムジャの出所後、彼女の復讐計画に加担することを約束し・・・。
出所したクムジャは、次々にその女達のもとを訪れ、計画通りにことを運び始める。それは、13年間抱き続けてきた復讐劇の始まり、いや、復讐劇は、クムジャの服役中から加担することを約束した女達によって始められていたのだった・・・。
獄中内の天使のようなクムジャから復讐と言う怨念だけに取り付かれたように悪魔と化すクムジャ。
しかし、そのクムジャの計画の中で唯一計算外になったことは、養子に出されていた娘に再会し、一目合うはずだっただけのその娘が韓国へついて来たこと。
だが、クムジャは、自分を陥れた男ペク(チェ・ミンシク)への13年抱え続けた思いを晴らすため、復讐計画をやめることはなかった。・・・。
復讐に気付かれ、それを阻止しようとしたペクの策略にも屈せず、刑務所仲間の協力を得て、クムジャはペクを監禁することに成功する。そこで、知らされた真実・・・。そして、それを知ったクムジャが取った行動は・・・。
後半、子供達を殺された親達が、ペクへの恨みを込めて振り下ろす兇器の嵐。
その後、復讐を終えた親達は、クムジャの職場であるケーキ店で、子供達が天使に生まれ変わったことを願いながら、雪の降る町へと散り散りに新しい道を歩き出す。
子供をペクに捕られ、仕方なく犯罪に加担したクムジャもまた、この親達と同じ被害者だったのかもしれない・・・。
ラストシーン、豆腐をイメージしたケーキに顔をうずめ、泣きながら娘の前で悔い改めようとするクムジャの姿が、あまりにも空しく悲しい・・・。
この映画、前半は、刑務所内の話や出所後刑務所仲間と復讐のための準備に走るクムジャさんの姿が時にコミカルに描かれ、それが、後半の伏線になって、後半は、単にクムジャがペクに復讐するだけではなく、意外な展開に発展していきます。
この後半部分が、残酷でありながら、子を持つ親、孫を思う祖母達が、一人の男のために愛するものを殺され、大切な家族さえも壊されてしまったことへの悲痛な思いがひしひしと伝わって、この復讐シーンでは、胸がつまる思いでしたね。
特に、孫の鋏を兇器にペクに止めを刺す祖母の姿に泣かされました。
殺される前にペクが言う
『完璧な人間など居ないんですよ。』
と言う台詞が、印象的ですね。
優しく子供達から慕われていた英語塾のペク先生は、実は、幼児殺害に快感を感じる変質者。
獄中で、信心深く誰にも親切に接していたクムジャさんは、ただ只管復讐心だけを抱いて生きてきた殺人者。
そして、子供を殺害された親達は、ごく普通の生活を送っていたごく普通の人たちでありながら、子供の復讐のために殺人を選ぶ狂気の集団に・・・。
誰しも、ほんのちょっとの心の空きに悪魔が巣食うか、天使が宿るか・・・。だから、完璧な人間など居ないのかもしれない・・・。
ちなみに、カメオ出演と言うことで、ペクに雇われクムジャを襲う二人組みにソン・ガンホ&シン・ハギュンの『復讐者に哀れみを』コンビ、ニュースキャスターにカン・ヘジョン(『オールドボーイ』出演)、復讐する親の中にペ・ドゥナ(『復讐者に哀れみを』出演)、意外なところにユ・ジテ(『オールド・ボーイ』出演)が出てきます。
他にも、三部作でおなじみの顔が結構見れます。
それから、台詞や小道具なんかも復讐三部作の前二作をパロってるぞぉ~って思える部分がありますねぇ
この作品、できれば前二作を見てから鑑賞されることをオススメします。そうすると、また別の楽しみ方が出来たりして
その他にも、クムジャの逮捕シーンは、大韓航空爆破事件で捕まったキム・ヒョンヒ逮捕のシーンを意識して撮られたとか、子供の殺害シーンで、黒い袋を頭にかけるのは、イラクの人質殺害をイメージして作られたと言う裏話もあるようですね。
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映像もチャヌクワールドならではの雰囲気、音とイメージで残酷な場面をより残酷に感じさせてくれます。
ではでは、ストーリーは・・・(ネタバレあり) 映画HPは、こちら
少年誘拐殺人犯として、13年の服役中、誰からも『親切なクムジャさん』と言われ慕われた主人公のイ・クムジャ(イ・ヨンエ)。
しかし、彼女がそう呼ばれる理由には、別の意味があった・・・。
部屋主風をふかせ、新入りの囚人をいたぶる女ボスが体調を壊せば、甲斐甲斐しく世話をし、食事まで食べさせてやるクムジャ。だが、その食事の中には、漂白剤が・・・。
「さぁ~、いっぱい食べて・・・。そして、早く死んで。」
といいながら、また一口食事を運ぶ。
そして、ついには風呂場に石鹸を塗り、その女ボスを転倒させて・・・。
それ以外にも、自分の腎臓を提供してやったり、誰も面倒を見たがらない寝たきりの北朝鮮女スパイを面倒見たり、そんなクムジャの行動で、救われた女達は、クムジャの出所後、彼女の復讐計画に加担することを約束し・・・。
出所したクムジャは、次々にその女達のもとを訪れ、計画通りにことを運び始める。それは、13年間抱き続けてきた復讐劇の始まり、いや、復讐劇は、クムジャの服役中から加担することを約束した女達によって始められていたのだった・・・。
獄中内の天使のようなクムジャから復讐と言う怨念だけに取り付かれたように悪魔と化すクムジャ。
しかし、そのクムジャの計画の中で唯一計算外になったことは、養子に出されていた娘に再会し、一目合うはずだっただけのその娘が韓国へついて来たこと。
だが、クムジャは、自分を陥れた男ペク(チェ・ミンシク)への13年抱え続けた思いを晴らすため、復讐計画をやめることはなかった。・・・。
復讐に気付かれ、それを阻止しようとしたペクの策略にも屈せず、刑務所仲間の協力を得て、クムジャはペクを監禁することに成功する。そこで、知らされた真実・・・。そして、それを知ったクムジャが取った行動は・・・。
後半、子供達を殺された親達が、ペクへの恨みを込めて振り下ろす兇器の嵐。
その後、復讐を終えた親達は、クムジャの職場であるケーキ店で、子供達が天使に生まれ変わったことを願いながら、雪の降る町へと散り散りに新しい道を歩き出す。
子供をペクに捕られ、仕方なく犯罪に加担したクムジャもまた、この親達と同じ被害者だったのかもしれない・・・。
ラストシーン、豆腐をイメージしたケーキに顔をうずめ、泣きながら娘の前で悔い改めようとするクムジャの姿が、あまりにも空しく悲しい・・・。
この映画、前半は、刑務所内の話や出所後刑務所仲間と復讐のための準備に走るクムジャさんの姿が時にコミカルに描かれ、それが、後半の伏線になって、後半は、単にクムジャがペクに復讐するだけではなく、意外な展開に発展していきます。
この後半部分が、残酷でありながら、子を持つ親、孫を思う祖母達が、一人の男のために愛するものを殺され、大切な家族さえも壊されてしまったことへの悲痛な思いがひしひしと伝わって、この復讐シーンでは、胸がつまる思いでしたね。
特に、孫の鋏を兇器にペクに止めを刺す祖母の姿に泣かされました。
殺される前にペクが言う
『完璧な人間など居ないんですよ。』
と言う台詞が、印象的ですね。
優しく子供達から慕われていた英語塾のペク先生は、実は、幼児殺害に快感を感じる変質者。
獄中で、信心深く誰にも親切に接していたクムジャさんは、ただ只管復讐心だけを抱いて生きてきた殺人者。
そして、子供を殺害された親達は、ごく普通の生活を送っていたごく普通の人たちでありながら、子供の復讐のために殺人を選ぶ狂気の集団に・・・。
誰しも、ほんのちょっとの心の空きに悪魔が巣食うか、天使が宿るか・・・。だから、完璧な人間など居ないのかもしれない・・・。
ちなみに、カメオ出演と言うことで、ペクに雇われクムジャを襲う二人組みにソン・ガンホ&シン・ハギュンの『復讐者に哀れみを』コンビ、ニュースキャスターにカン・ヘジョン(『オールドボーイ』出演)、復讐する親の中にペ・ドゥナ(『復讐者に哀れみを』出演)、意外なところにユ・ジテ(『オールド・ボーイ』出演)が出てきます。
他にも、三部作でおなじみの顔が結構見れます。
それから、台詞や小道具なんかも復讐三部作の前二作をパロってるぞぉ~って思える部分がありますねぇ
この作品、できれば前二作を見てから鑑賞されることをオススメします。そうすると、また別の楽しみ方が出来たりして
その他にも、クムジャの逮捕シーンは、大韓航空爆破事件で捕まったキム・ヒョンヒ逮捕のシーンを意識して撮られたとか、子供の殺害シーンで、黒い袋を頭にかけるのは、イラクの人質殺害をイメージして作られたと言う裏話もあるようですね。
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↑まぁ、今日のところは、これで遊んでて。
【クムジャさん】観ていらしたんですね!
いいな~!これは私もずっと観たいと
思ってました。
パク・チャヌク監督・・・ちょっと秋元康似!?
カオリン解説読んで・・・益々観たくなりました。
近々みてきま~す。
画面見るなり笑ろたぁ~。
充分遊ばしてもらいましたで、娘と二人。
>あんさんへ
したたかなイ・ヨンエも違和感なかったなぁ。益々演技に幅が出て、今後の役柄が期待できそうな感じです。
>前作を見てると、より楽しめるんですね
そうですね。機会があれば見てください。あそこの台詞は、この作品かぁ・・・とか、この小道具はこの作品をイメージさせるやん・・・って思えますよ。
>Yu-さんへ
前作は、これよりハードかもしれませんね。
でも、今回の作品には、前作思わせるネタが結構あって、カメオ出演以外の人でもチャヌク組みたいな方出てましたよ。(笑)
>まケさんへ
観るときは、後半ちょっと覚悟いりますよ。
「オールド・ボーイ」ほどではないですが、やっぱりチャヌクワールドは、『綺麗な残酷』さがありますね。
ご自分でアレンジなさっていらっしゃるのかしら?
色々考えさせられる作品でしたね
TBありがとう。
「~クムジャさん」面白かったですね
素敵なレビューですね。よく整理されててわかりやすいわ。
私はそのうちまた観たいと思ってます。
写真いじりが好きなモンで・・・(笑)
確かに、この作品いろんな角度から考えさせられる映画でしたね。
>ヒス・テリーさんへ
画像が綺麗で、チャヌクワールドでしたね。
話の展開も「オールド・ボーイ」よりは見やすかったです。
そうそう、階段のシーンですが、同じショットが「ホールドアップダウン」(V6主演映画)にあったんで驚きでした。(どっちが、真似た?それとも偶然?)
トラバ&コメありがとーございます。
彼の「完璧な者などいない」発言は
なかなか意味が深いですね~。
たしかにそのとーりだと思いますモン。
カメオにビックリ!でした