牛丼好き?
私は好き。
特に吉野家。
単品販売の潔さなんて最高だった。
吉野家の業績は下降気味らしい。
逆に松屋、すき家は好調なんだと。
そらそーよ。
なんちゃら定食を食べたいなら松屋へ行くって。
うんちゃら乗せ牛丼を食べたいならすき家へ行くわ。
ライバルと同じ商品構成にすることで特色を失い、
結果として自店の客が求めていたものから遠ざかり、業績を落とす。
かつてアップルもそうでした。
創業者のスティーブ・ジョブスを追い出したジョン・スカリーはウィンドウズの登場に危機感を抱き、「パフォーマ」という安価なマシンをリリース。
IBMやコンパックに対抗できる巨大メーカーとなりました。
でも、爆発的に売れたんだけど利幅は薄く、高まるシェアと反比例するように業績を落としたんですね。
特にエヴァンジェリスト(伝道師)とまで呼ばれたマニアを落とした影響は大きかった。
今まで外部のデザイナーに委託してまで保っていたデザインの優位性を放棄したアップル。
スカリーの決断にアップルマニアはそっぽを向き、高額なマックを買わなくなってしまったんですね。
結局、スティーブ・ジョブスが戻り、iPod、iTunesなどで世界を変えるまで、アップルは10年近い低迷を続けることになります。
吉野家、アップルのような大企業においても、単品販売やそれに近い忠誠度を誇る商品を販売する企業にとって、ラインナップの拡充は諸刃の剣です。
差別化&特化することで得ていたファンは、それを止めることで失う可能性もある。
やるならば本業以外で、本業の精神性を発揮させねばならない。
味さえ変わらなければ、ブランドさえ同じならモデルチェンジも経費削減も可能と考えやすいけど、特異性に安心感を求めるファンや常連にとっては、他と同じになるなら他でいいんですよ。
隣の芝生の青さをうらやむより、足元に咲く一輪の花を愛でよ。
稼働を欲しがるあまり、目の前の客一人を見られなくなったら、そりゃ潰れるって。
自店へ毎日訪れる10人より、ライバル店にいる20人というカタマリを欲しがってしまう。
結果、自店の10人を失い、リニューアルなどの「カネ」で引っ張った20人は、ライバル店のリニューアルで元に戻ってしまう。
そうなった時、最初の10人は戻ってくるのかよと。
ライバル店から引っ張るのはカタマリとしての20人ではなく、自店の10人と親和性のある20人を選別して引っ張らねばならない。
サービス業の基本は客の選別。
「どんなお客様を集めるために、何をやるか」という、良い意味での客の選別です。
ただ漠然と集客したい、稼働ほしいでは、絶対に集まらない。
つか、そんなに甘くない。
吉野家もアップルも、選別を止めたことで、既存ファンから選別されてしまったと。
高稼働に必要なのは安心感。
大手は集客することそのもので安心感を与え、零細は選別した顧客に適するサービスを提供することで安心感を与える。
選別してあるから、客の好みに合わせたポイントにのみ経営資源を集中できますしね。
まずは「なぜ自分を選んでくれているのか」を正確に把握せねばならんでしょう。
なんてことを考えさせられた、銀玉の記憶さんの日記でした。
素晴らしい記事なので、ぜひ読んでみてください。