25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

横綱審議会に物申す

2017年12月21日 | 文学 思想

 大相撲社会は体のよいヤクザ社会じゃないかと思ってしまう。中学生が起こしたような事件をあれこれと言っているテレビ、コメンテーターも馬鹿らしく思っているのではないか。殴られたら、「ごっつあんです」。リンチがまかり通る。白鵬も人気が落ちたことだろう。と言って白鵬のいない本場所はなにか締まらない。日本人力士が入ってこないのもわかるような気がする。

 ところで横綱審議会の白鵬についてのコメントには驚いた。彼らは相撲を知っているのだろうか。張り手、かち上げはリスクを伴う技である。よい例が大砂嵐だ。彼は恐るべきかち上げをする力士である。怪我もあったが、彼は十両である。かち上げは上げた分脇が開いてしまうので、リスクがある。大砂嵐もいつの間にか、その弱点をつかれることになった。

 横綱がなぜかち上げをして勝つのが美しくないと感じるのかわからない。張り手も同様である。要は張り手をされても動じず、あるいはかわしたらよい。それも技能である。

 白鵬は右よつ、左よつ、突っ張りから押し、吊りまでできる。万能の取り口をする。重心の捉え方、力の伝え方も、膝や肘についても、腰の位置についても、目はどこを見るかもよく知っている。驚くばかりだ。そういうことも横綱審議会はいうだろうべきである。白鵬の取り口について、一度白鵬に聞いてみるのが筋というものだろう。

 でなければ白鵬の努力にケチをつけることになる。あるいは横綱は「張り手、かち上げ、猫だまし、立ち合い時の引き」を禁じるルールにした方がよほどすっきりする。

 横綱審議員の中で、どれほど技や力の原理を知っている人がいるのだろう。相撲を取ったことのない人にはわかるはずがない。こんな名誉職を設けるなら、合気道や古武術家も委員に入れるべきだ。どうして政治家の高村元副総裁までいるのか。なぜ毎日新聞の元社員がいるのかわからない。

 日本人の嫌な面が浮き彫りになるドタバタ騒動である。貴乃花もいつの間にかファッションがマフィアぽくなったもんだ。こういうファッションになるにはそれだけの理由があるのだろう。「貴乃花一門の総会」という言葉にもあきれたものだった。