25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

今日の一発目

2017年12月19日 | 日記

 朝起きると左目に異物感があり、痛い。擦れば傷がつくとわかっているので、手でさわらないようにし、目を洗う液でしばらく目を洗った。ちょっとは痛みが減った。それでも異物を感じるので、しかたなく眼科クリニックに行った。 

 眼科というと「待つ」というイメージがあり、億劫であったがしかたがない。新しくできたという眼科クリニックを選ぶことにした。ネットで検索すると「ただいまの待ち時間」が載っている。これはいい、と思い、たいしたもんだと、と思い、すぐに行くことにした。都会の素敵な空間、庭を見るといろいろな花木が植えてあり、中央には屋根付きのガゼボまである。待合室も広く、中待合室まである。

 予め、用紙に来た理由をチェック欄に記入してある。

 医師は30代後半から40代前半に見えた。笑顔である。笑顔の医者はめったに見ない。

「朝、起きると左目が痛くて、異物感があり、目を洗う液でなんども洗い、初めよりはよくなったのですが」

「左目ですね。ここに顎を置いてください」

 その医師はまぶたを指でめくり、

「足元を見てください。左を見てください。上を見てください。まっすぐ見てください」

 と言って大型の顕微鏡のようなもので見ている。そして目に液をポトリと落した。

 すると、これまでの異物感がなくななった。

「あれ、異物感がありません。全く大丈夫です」

「いえ、麻酔のせいですよ。小さな傷があります。目薬を出しますので、一日4回点眼してください。治っていきます。異物はありませんでした。流れたのでしょう。それと、白内障の初期段階です」

「はあ? 白内障ってどんな症状なんです?」

「物が見えにくいとか、霧がかかったように白くみえるとか、ですね。まあ白髪だと思ってください」とにっこり笑う。鴨がネギしょって来たか、てなもんだ。

「だんだんと見えにくくなってきます。その時、また来てください」

 診察室を出て、また待合室で支払いを待った。しばらくして名前を呼ばれたので、ついでに、白内障の手術っていくらかかるんですか、と訊いた。

「一ヶ月以内に両眼をしますと、45000円です。片方だけでも45000円ですが、一ヶ月以内ですと片眼の手術料金となります」

「はあ。なるほど。さっさとやってしまいましょうということか」

 処方箋を持って馴染みの薬局に。

「まつげか目ヤニが入ったんじゃないですか」

「初期の白内障だといわれましてね」

「ぼく、去年やりましたよ。よく見えるようになりました。全く違いますよ。きっとステージ1ですよ。ステージ5まであるんですが、ぼくは3でやりました」

「眼鏡かけてるじゃないですか」

「ずっと眼鏡かけていたものですから、なんか落ち着かなくて。それに目を保護するにもいいでしょ」

 薬剤師は嬉しそうに、

「なんにも痛くありません」

「そうですか。いずれはやらんといかんのでしょうね」

 点眼薬をもらって、事務所に行き、パソコンをONにする。すると画面の矢印が動かない。マウスをチェックした。電池がないのだろう。電池を探した。無い。車でイオンまで買いに走った。駐車場は満車であった。しかたなく、コメリに移動した。その間、なんだ今日は物事の一発目が悪い。注意、注意と思い、今日は引きこもりにしようか、などと思ったのだった。