はしご湯別館

はしご湯のすすめは引っ越しました

百名山らしからぬ静かな四阿山

2015年05月18日 | 【山】草津・四阿・浅間

天気の良かった日曜日は、
群馬県と長野県の県境に位置する四阿山(あずまやさん)を歩いて来ました。
少し前に新しい山靴を購入したので、その試し履きを兼ねた山行です。

生まれて初めてハイカットなる靴を購入したんですが、
一日履いた結論としては、夫婦揃って、どーにもこーにも足に合わんのです。

モンベルで店員さんにサイズを測ってもらい、アドバイスを受けて
店内で散々試し履きをして「おぉピッタリ」と思ったにもかかわらず、
実際に山で数時間履いてみると印象がまったく違う。
靴のあちこちが足に当たって靴擦れ寸前。

うーーん、こういう山靴って・・・
慣れるまで我慢して履かなきゃいかんのですかね?
履いていれば、いつか馴染む日が来るんでしょーかね?


・・・というワケで、
今回は靴の紐を締めたり緩めたり、中の生地を微調整したりと、
ただでさえスローペースの我家が、より一層スローになった山行でした。


5月19日(日曜日)

幾つか登山口がある四阿山の中でも、
家から一番行き易いであろうと思えた「鳥居峠」から歩く事に決定。

以前は144号沿いの林道入り口から3km歩いて
ようやく「的岩コース」と「花童子コース」の分岐点でもある
林道終点に辿り着いていたようですが、
現在、嬬恋村の計らいで、一般車両にも林道が大開放されているのだ!
2015年度は4月29日~11月23日(予定)。
片道3km、往復で約6kmもの林道歩きが免除されるとは。
うーーん、それは有難いぞ。ありがとう、嬬恋村様!



はい、ココが林道終点です。
広々駐車スペースで綺麗な簡易水洗トイレもあります。
簡易トイレにありがちな、ツーンと涙を誘うアンモニア臭や、
先人方々の置き土産を見る事はありません。
これからも開放していただけるよう、
駐車料金と、林道使用に関するご意見をお忘れなく~。


5:05この日は、かなり寝不足で、ややグダグダしながら出発。
出発時点での気温は3℃!山はやっぱり寒いなぁーーー。
昼間は30℃越えの埼玉から来た身には堪える寒さです。

本日は的岩コースから上がり、花童子コースで戻る予定。
結論としては、このコースで良かったと思います。理由は後ほど。



少しの間、整然と並んだ植林地帯を進みますが、
すぐに明るい樹林帯へと抜けました。



5:30的岩到着。的のような形をしているから、この名前がついたんでしょーか?
なにしろ新品の靴の微調整に気をとられ、
気が付いたら「あれ?いつの間にか的岩だ」という具合。


ここから先がやや曲者でした。
なんてことない暗くジメリとした樹林帯なのですが、
この日がたまたまなのか、風の通り道でいつもこうなのか、
ビュンビュンと冷たい強風が吹き付けるのです。
あまりに寒くて風除けにレインウエアの上着を羽織ってしまった。
ただ、この樹林帯には良い事もあって、
スミレとカメノキの花がたくさん咲いていたのです。
特にスミレは一面スミレだらけの場所もあり、
この数の群生は「花童子コース」では見られませんでした。



パッと明るい尾根道に出ました。



目の前にはすぐお隣の浅間山がドーン。



そして背後には日本の屋根が連なっています。
朝は空気が澄んでいるためか、とてもよく見えました。


6:18「花童子コース」との合流点(古永井分岐)に着きました。
東屋もあり一休みに良さそうな場所です。



ここから先、なんとも爽快な登山道でした。



登山道沿いには桜が花を咲かせています。



山の桜は、あともう少し楽しめそうですね。



その先、樹林帯では少しばかりの残雪も残っていました。
・・・といっても、途切れ途切れに夏道を少しばかり覆う程度でしたが。



その残雪の上に点々と鹿くんの足跡が続いています。
感心したのが、忠実にそして確実に登山道上を進んでいるんですよ!
人間が「ちょっとココ滑りそうだから、あっち進んじゃえ~」と
簡易巻き道で残雪を回避している部分も、
鹿君の足跡だけは堂々と登山道上を確実に進んでいます。
「あれ?夏道どこだ?」と思った時も、
雪上の鹿君の足跡を辿れば「はい、夏道~」という具合。
鹿君は地形図でも持っているのかな?




7:11嬬恋清水への分岐です。関東最高地点の湧水だそーです。
覗いてみると清水に至る斜面が雪に覆われていたので行くのはやめました。



山頂に近づくと、さすが百名山ブランドか、
ガッチリと整備された木の階段が続きます。
しかし・・・この階段が曲者だった・・。

一見なんてことない乾いた階段に見えたので
特に何も考えず足を乗せたのですが・・


ツルッ!ステーーーン!!


階段と階段の間に脛を挟んだまま後方へ見事なバックドロップ!


なんと表面が凍っておった・・。

おかげで派手に脛を擦り剥いたわ。
見上げる空は、励ますようなブルースカイ。



7:33そんなこんなで、菅平方面との合流地点通過。



7:40四阿山山頂到着~~。
おやおや、誰もいませんよ。もしかして本日の一番乗りかな?



定番の一枚。



山頂には、長野県側と群馬県側にそれぞれ祠がありました。
目の前には、浅間山。そして富士山。遠くに日本の屋根。
天気も良く、爽やかな初夏の山頂です。
(え?なんで、山々の写真が一枚もないのかって?
早朝は比較的抜けて見えていたんですが~・・
この時間になると霞んでイマイチなんですよ・・)



というわけで、足元に咲いていた花をドウゾ。



うっかり顔を出して、
「あっ、やべっっ写っちゃった」のアリさんにズームイン!


やがて、単独の男性二人が山頂にやってきました。
本日初めて会うハイカーさんです。
百名山なのに、こんなに人が少ないとは、どういう事でしょーか?



そのお二方もやがていなくなり、
しばし貸し切りの山頂をオニギリ食べつつ景色を満喫。
聞こえてくるのは小鳥のさえずりと、通り抜ける風の音ばかりです。



8:15充分景色を満喫したので帰ります。


9:17的岩と花童子の分岐まで戻ってきました。
帰りは花童子コースへ進みます。



明るい雑木の爽やかな登山道を抜けると



やがて目の前に浅間山。
浅間山を正面に歩けるので、花童子コースを下りに使ってヨカッタかな。



後ろを振り返って・・。



9:45花(華)童子の宮跡。開けた明るい場所で、東屋が造られていました。
修験道達が加持祈祷を行う吾妻(四阿)山信仰の拠点となった場所、
というような案内が書かれていました。




9:52賽の河原。この花童子コース(上州古道)には古い祠が点在しているのですが、
何故か信仰の対象であったと思われる四阿山の方向を向いていないんですよ。
どこを向いているのかな?浅間山かな??



新緑が眩しいなぁー。こういう生き生きとした緑に出会えるのも
山歩きの楽しみのひとつなのダ。



植林地帯へ戻って来ました。ここまで来ればゴールはすぐそこ。



林の中に散らばっていた鳥の羽根。お気の毒に、猛禽に襲われたのかな。
模様から想像するに、ホシガラスくんでしょーか?
今回の山行でも数羽見かけました。



10:12駐車場に戻って来ました!
今回の山行中に出会ったハイカーさんは、たった5組でした。
百名山らしからぬ、なんとも静かな山行でした。


帰りは、渋沢温泉でひとっぷろ。
10数年前に一度訪問し、数年前に新装オープンしてからは初めてです。
以前は内湯だけの地味な印象でしたが、
渓流沿いに露天風呂を構え、万人受けしそうな施設になっていました。


それにしても今回は、慣れないハイカットシューズに相当手こずったなぁー。
いつもの10倍増しで疲れた・・・。


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