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はしご湯別館

はしご湯のすすめは引っ越しました

夏の下北と津軽めぐり旅1・恐山と下風呂温泉

2006年07月15日 | 《温泉たび》青森
7月の連休は青森県における二大聖地、恐山と川倉賽の河原地蔵尊を訪問しました。
今回も往復新幹線+レンタカー利用の楽々コースです。
限られた休みで下北まで往復自走する気力体力はないよ~。


06年7月14日

仕事を済ませ新幹線で八戸へ。その日は駅併設のビジホ「メッツ八戸」に宿泊。
温泉はないけれど、ここはまだ新しいのか、綺麗でなにしろ立地が便利でよかった。


06年7月15日

朝食はメッツ八戸内の「烹鱗」の朝定食です。
ベースとなる焼き魚定食(600円)を最初にオーダーし、後はいわゆるバイキング形式。
こういう形式の食事はつい食べすぎちゃうんだよね~。


その後レンタカーにて湯巡りしつつ恐山目指して北上。


途中でみかけたタヌキの標識。この手の標識は黄色地に黒が相場ですが、
ここでは珍しくカラーでした。そして雪国ならではの落雪注意の看板。


六ヶ所村にある素朴な食堂「文化食堂」に昼食目当てで立ち寄りました。
すぐ裏手は海。ロケーションといい佇まいといい、
健さん(高倉健)が暖簾をくぐって入ってきそう。
ここのイカ沖漬定食(1200円)は涙もんのうまさですよ!!

食後はすぐ裏手の海岸を散歩してみたけれど、
ガラーンと寂しげな海岸線が続くばかりでした。



そして、



やって来ました恐山。


まずは奥の院まで歩いてみました。


途中にあった「マムシ注意」の看板。本当に蛇くんがいました。
どうやら地熱でマッタリあたたまっていた様子。
「見つかった!」と察した後の逃げ足は速かった・・。


去年は天気が良すぎて爆暑でしたが、今日ははそれほど暑くなく快適です。


そして今年の恐山は、なぜか観光客の姿が見当たりません。
たぶん、おそらく、来る大祭を目前に参拝客の途絶える谷間の日なのかも。



血の池地獄を過ぎると極楽浜は近いです。



極楽浜です。この浜の向こう岸は、もうこの世ではなく彼岸の世界だそうです。



あの世は遠いようで、案外近いのかも。


それにしても恐山の雰囲気を盛り上げるあのモゥモゥと立ち込める噴気が、
十勝沖地震以来ほとんど見られなくなり、
好調だった03年時と比べても様子がガラリと変わってしまいました。

昨年の7月も「だいぶ噴気が減ったな」という印象でしたが、
今回はより一層、というより、ほとんど見られない状況。
もしかしたら暑い時期の訪問だったので、そう見えただけかもしれないけれど。



↑コチラが2003年の様子。あちこちでこんな具合にモゥモゥでした。
まぁ、またすぐ復活するかもしれませんが・・。


恐山散策後は、本日の宿泊先しゃくなげ荘へ。
昨年もお世話になった恐山のお隣(というかほぼ恐山内)にある民宿です。


画像の通り相当ボロで、一般観光客はドン引きするであろう鄙びっぷりですが、我家の大大大好きなお宿です。

ごちゃついた館内と、山小屋を思わせる簡素な雰囲気、
ご主人や女将さんの素朴な人柄が、まるで故郷に帰ったかのように落ち着きます。


予約時、女将さんが「今は気温が低く温泉の湯温が35℃しかないのよ~」
と仰っていたものの、訪問時は無事42℃まで上昇。相変わらずの良い湯に大満足でした。



裏の源泉槽も健在でした。



・・と、ここまでは良かった。



アノ訪問者が来るまでは・・。


さて、今宵も美味しい夕食を済ませ、就寝までまったり時間を部屋で過ごす。
すると小さな羽虫が一匹、二匹、三匹・・蚊取り線香効果で落ちてくる。
これは山の中のお宿ではよくある光景。去年宿泊した時もこんな具合だったなぁ。


ところが・・どうも今年は様子が違う。



いくらガムテープで捕獲しても羽虫が減らない。



気がつくと部屋じゅう(布団の上も)羽虫の死骸が大散乱。その数、数十、数百。



「うーむ、これは一体?」と思いつつ窓に目をやると・・



なんじゃありゃーー!?



なんと窓ガラス一面が羽虫でビッチリ埋め尽くされているではありませんか!!
うーん、これは凄い、雨じゃないよ羽虫だよ。


しかし・・まぁ、羽虫がいても死ぬわけじゃないし、蚊でもないし、
寝ている間に口や鼻に入らなきゃいいや・・とそのまま就寝。
ま、子供のころから虫に囲まれて暮らしていた田舎者なんで、
このくらい、ぜんぜんっ、何とも思わないです。

では、おやすみなさい。



06年7月16日


翌朝は朝食前の涼しい時間帯に恐山を再び参拝。湯小屋で朝風呂を満喫です。
「花染めの湯」が当分の間、入浴休止となっていたのは残念です。


そして、次の宿泊地「下風呂温泉」を目指します。


昼食は数年前にも立ち寄ったむつにある人気のラーメン店「あらそば」です。
飾り気の無い町の大衆食堂といった雰囲気で、麺類はどんぶりに山盛り、
溢れるスープを受けるお盆の上に乗ってきます。
商売っ気はあまり無いようで、親子連れがそれぞれラーメンを注文しようとしたら
「量が多いから一つ頼んでわければいい」と。
お客さんはほぼ地元の人で、忙しい店主にかわって、
食べた後のどんぶりをセルフで洗って帰る光景も。

今回は「ラーメン」(500円)と「みそラーメン」(600円)を注文しました。
チャーシューは何故か厚切り・・・というより、ブロック状でドスンと投入。
この荒い感じも「あらそば」らしいです。今回も、とても美味しくいただきました。


ところで、この日の下北は妙に蒸し暑く、風呂上りは汗が吹き上がって不快指数100パーセント。
「暑くて気持ち悪いなぁー」などと思っていたら、午後になると一転、急に霧に包まれ、
身震いするほど気温が低くなってしまった。下北は天気がよいとそれなりに暑いけれど、
少しでも天気が悪くなると急に寒くなります。どちら様も体調管理に御用心。


途中、寄り道はしご湯をしつつ・・・



下風呂温泉へ到着しました。


郷愁と旅情の温泉地です。



今回、大湯の管理人さんに案内いただき湯元内部を見学させていただきました。


「大湯共同浴場」駐車場の一角に大湯1号源泉があります。
木製の板で蓋がされ管理されていますが、実際の湧出場所はここではないです。
すぐ裏手にある山に横穴状態の洞窟があり、その奥地の湯脈より湧出しているとの事。

管理人さんが蓋を取り中を見学させてくださった。蓋を取るともの凄い熱気に襲われる。
輪をかけて火山ガス特有の噴気臭も追い討ちをかけてくる。
デジカメで数枚撮影しようとするも、激しい熱気ですぐにレンズは曇ってしまう。
管理人さん談「早く撮らないとカメラが壊れてしまうよ」
「下風呂では電化製品は半年ももたない」
「車の塗装などにも影響がでて買い替えが大変、でも高級乗用車は比較的良い」との事。


湯溜め箇所は坑道のような状態になっていて、
底には黄白色の例の硫黄成分がビッチリと沈殿している。
坑道の最終地点には木製の枡が設置されており、大湯共同浴場をはじめ、
大湯1号源泉を引く2軒のお宿へと送湯されている。
管理人さん曰く、坑道内の底に大量の湯華が溜まると、
その上澄みだけが送湯される事になり、お風呂の湯の色が透明になるとの事。


公民館(?)で下風呂の湯花も購入。
商店ではなく公民館で売られているところがまた、下風呂っぽいです。


本日の宿泊は長谷旅館です。海の幸満載の食事に大満足。
温泉は上品さを感じる熱湯で、これもまた大満足。


下風呂名物(?)の漁火は、訪問時は「朝方出港・夕方帰港」の昼漁の為、
真っ暗な夜のキラキラは見られなかったものの
夜明けのモヤがかった紺色の海に浮かぶ淡い光を見る事ができました。


真っ暗な夜のクッキリ漁火と違い、どこかボンヤリと彷徨う魂みたいで
悲しげで、そして、幻想的でした。


さて、明日は下北を離れて津軽に向かいます。


→つづく

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