
そういえば今年は全然紅葉見てないや・・・
って事で、秋晴れの日曜日は、紅葉を探しに皇海山へ行ってきました。
群馬県と栃木県の境に位置する皇海山は大きくわけて二つの代表的ルートがあり、ひとつは昔から歩かれていた栃木県の足尾から入山するルート、もうひとつは群馬県沼田側の林道が整備された事により入山可能となった不動沢ルートです。足尾側は行程が長く余程の健脚じゃなければ一泊二日が必要、沼田側は行程が短く日帰り可能であるけれど登山道へ至る林道が悪路で大変・・・というのは、山歩きをしている人なら、だいたい知っている情報。
今回は休みが日曜日のみの単発だった事と、沼田市のホームページにて大雨の影響で通行止めとなっていた栗原川林道が通行可能になったとの案内があったので、沼田側からINしてみる事にしました。
ちなみに同じ栗原川林道でも「根利側」から入るのと、「追貝側」から入るのでは悪路っぷりに差があるらしく、沼田市ホームページによると「根利側はRWなどの車高が高い車に限り通行可」と案内があり、追貝側には特に記述がなかったので「FF車でもいけるかな?」と、後者を選択。「ま、行ってみてヤバそうだったら帰ってこよう」という、林道に対するちょっとした興味もあっての訪問です。
10月23日(日)
まだ夜明け前の真っ暗な中、追貝側の林道入り口に到着。ここまでは「皇海山登山口」の案内が所々にあり、迷う事なく到着。少しばかり舗装路を走った後にダートへ突入。林道には所々に落石注意・自己責任の掲示がされています。掲示の通りあちこちで小規模の落石は見られましたが、こればっかりは、ここに限らず林道にはつきものなので・・。林道自体は、過去にもっと酷い所をたくさん見て来たので、まぁマシな方じゃないかなぁ。とはいえ植物や石による車体の傷つきが気になる人は、そもそも止めておいた方がいいと思います。
しかーーしっっ!

この林道には予想もしなかった真の強敵が潜んでいました!
それは・・・
次々と現れる
いやー、夜明け前に林道を走ると一匹二匹ならよく出会うんですが、ここは酷い。動物多過ぎ。夜明け間近という時間帯の所為もあったかもしれないけれど。
まずは先鋒、タヌキ。
続いてタヌキ二匹目。
しばらく進んで次鋒カモシカ!
更に進んで中堅アナグマ!!
途中にタヌキ三匹目を挟んでの・・・
副将は、まさかのツキノワグマーーーーっっ!!
止めの大将は、巨大な牡鹿が林道のど真ん中で立ちふさがるように睨みをきかせてました。
カーブを曲がるたびに次々と動物達が出現するもんだから、悪路うんぬんとは別の意味でおっかなびっくり。ムチャクチャ疲れた・・。山はこんなに広いのに、なにも皆でよってたかって林道に集まらなくてもいいのに・・・。まぁ、動物達にとっても林道は使い勝手がいいんでしょうね。
結局、林道入り口から登山口のある皇海橋まで約70分かかりました。
皇海橋の横には駐車場があり、水洗トイレも完備。こんなに山奥なのに水洗トイレとは驚き~。トイレットペーパーも大量に置かれていました。トイレの小屋には椅子とテーブルもあり、登山届けを兼ねたノートが置かれています。ただしノートは丸見えで、登山届けを入れる箱もなく周囲には持参したと思われるオリジナルの登山届けが無造作に置かれています。個人情報の管理にはウルサイ御時世なので、この点だけは要改善かな。到着時の先客は福島からのご夫婦一台のみ。なんとも静かな百名山です。
5:55準備を整え、出発!
登山口は皇海橋を渡った左側にありました。まだ薄暗い中でも周囲の山肌が紅葉しているのがわかります。

前半は沢に沿って、なだらかな道を進みます。

爽やかな沢の音を聞きながら紅葉の木々の間を歩く、とても心地よい登山道です。

紅葉は終わりかけでしたが、今年初だったので嬉しかったなぁー。
まだ周囲は薄暗いので、写真撮影は復路のお楽しみにします。
少し標高を上げると、あっけなく紅葉は終わってしまいました・・。
6:50やがて水量は少なくなりガレた石が目立ち始めると、キツイ登りになります。
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ここから先は、笹と針葉樹と巨石の尾根道を進みます。空を見上げると青空が広がり気分良いです。

途中、見晴らしの良い場所があり、富士山方面に開けた眺めを楽しめました。不動沢コースは山頂も含め樹木で眺望はいまいちですが、ここだけは遠くの山々も見渡せます。本当に薄っすらですが、富士山の姿も。
ここから先の樹林帯で本日初のハイカーさんグループに出会ったのですが、あきらかにテント装備といった格好だったので「どこから来たの?」と聞いてみると「国境平から・・」との事。はて?国境平とは??後に地図やネットで調べてみると、高原地図の破線で国境平と呼ばれるポイントがあり、その筋のマニアさんにはテント場としても周知されているようですね。

その後、山頂手前の青銅の剣を過ぎ、
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三角点は二等です。

肝心の眺望は・・日光側が少し開けているものの、樹木が茂りパッとした爽快感はありません。燧ケ岳、至仏山なども望めました。
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カップ麺を食べ終わる頃、ひとりふたりとハイカーさんが山頂に到着しました。
9:02山頂が賑わって来たので下山します。
復路では数え切れないほど大勢のハイカーさんと擦違いました。アクセスの不便さもあって、あまり人が来ない山なのかと思っていたらとんでもない、さすが百名山!

9:40再び不動沢のコルです。次は目の前にギザギザとその姿を見せる「鋸山」へ向かいます。
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鋸山に近づくと、ちびっこ槍ヶ岳とでも呼びたくなるような山容が見え、思わず擦違いの人に「あの山頂まで行けるんですか?」と聞いてしまった・・。

距離こそ短いもののロープの下がったちょっとした岩場もあるので、高所が苦手な人にはツライかな。ちなみに「不動沢コル~鋸山の間のロープは切れかかっているので使わないように」といった注意が皇海橋のトイレ小屋に掲示されていました(帰りに知った・・)。鋸山までの尾根道は、雰囲気的には福島県の唐倉山や、群馬県の高田山に似た、こぢんまり感のある和風な箱庭的印象。

10:17鋸山山頂!縦長の山頂は、遮るものが少ない展望の良さ!

これですよ、これ!

この眺めを待ってました!

さっきまでいた皇海山もすぐ近く。

あそこも鋸山の一部でしょーか?近くのピークに複数人いるのが見えます。
山頂には3人グループの先客さんがいました。足尾入山で前日は庚申山荘に宿泊したそうです。時間的にこの先の皇海山へ行こうかどうか思案中でした。
そうこうしているうちに若い単独男性もひとりやってきて「皇海山へ行きたいけど時間的に無理かなー」と言います。どうやら鋸山は足尾入山組にとって、この先の皇海山へ行くか止めるかの選択が迫られる決断の地のようです。
「六林班から来たけど時間かかっちゃって・・」という男性。「帰りは不動沢から帰っちゃえば?」とも思ったんですが、山中でテント泊後そのまま装備をデポしてきたようで「どのみちテントを取りに戻らなきゃいけないから・・」と。なんでも11時半までに皇海山の山頂に到着すればギリギリ下山できるらしいのですが・・。結局3人グループも単独男性も今回は皇海山は諦めて、足尾方面へと戻って行きました。特に男性は数回目のチャレンジだったそうで、とても残念そう。
けれどこの決断は本当にこの山域の怖さを理解していたからこそだと思います。話を聞くと足尾山域は奥深く、その筋のディープなマニア向けのようで、私みたいな無知なヤカラが「日没に間に合わないけど、せっかくここまで来たんだから」と無計画に先へと突っ込んだ日にゃ、下手すれば「はい、遭難~」となっちゃう可能性も・・・。

なるほど・・山中でやたら見かけたこの文言、実はとても意味が深い。

10:35さぁ帰りましょうか。
帰りはこれから鋸山へ向かうハイカーさんとポツリポツリ擦違いました。何人かは不動沢コルにザックをデポしてましたね。う~む、その手があったか・・。そこまで頭が回らんかった。

11:00不動沢コルで鋸山を見納めです。

不動沢コルから先のガレ沢は相変わらず気をつかう所でした。

高度を下げると、黄色く色づいたカラ松林です。

風が吹くとキラキラと松葉が舞い落ち幻想的でした。

帰りは紅葉を楽しみながら、のんびり歩きました。

往路ピークの過ぎた時間帯で擦違う人もほとんどなく、

静かな、とても静かな散策です。
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帰りの林道は行きと同じく追貝側を利用。さすがに動物こそ出てこなかったものの、バイクの追い越しが多かったな~。心配していた対向車との擦違いは一台のみ。ライトを点けて走行してくれていたので早々に気が付く事ができました。見通しの悪い林道などでは昼でもライトオン!ヨロシク!

季節柄、林道では紅葉が楽しめました。

帰りに撮った林道入り口(追貝側)です。
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