茶花(saka)日記

2011年3月、脳腫瘍で旅立った夫とともに。
お茶と花に癒されて、日々の出来事を綴ります。

もう半年

2011-08-24 01:11:30 | つぶやき
夫が逝ってから約半年、新盆も無事に終わった。

手帳を振り返ってみる。
3月のメモには、
「当初は在宅ケアをしながら、終末期を考える予定であったが、
急な体調悪化に気持ちがついていかない状態」
「本人が苦しまない環境が第一」
「家族が最後まで付き添える環境」
とある。

その後には、葬儀の打ち合わせのメモになってしまう。
食事の人数、お花の受付時間、返礼の数、等々。
夫が亡くなったのは5日なので、8日の大学病院の予約はキャンセル。
診察、MRIは4月まで予約を取っていた。

11日には、各種手続で区役所へ行った。
区役所からの帰り、東日本大震災発生。

私は夫を亡くしたが、最後の別れができた。
暖かく、明るく、静かな部屋で悲しむことができた。
被災地で夫を亡くした妻は、最後に会うことさえできなかっただろう。
寒く、暗く、大勢の人の中で悲しまなければならなかっただろう。
毎日テレビを見ては、そんなことを思いながら、あっという間に4月になった。

4月もメモにはやらなければならない手続きが箇条書きに。
終わったものからチェックをつけた。
そして、四十九日。

「散る桜 残る桜も 散る桜」(良寛和尚)と欄外に走り書き。
そう、残る桜もいつかは散るのだ。
そう遠いことではない。
などと思った。

そして、5月以降、月命日にはお墓参りに。

スケジュールには・・・
健康診断、ディズニーランド、ライブ、映画、
エステ、美容院、料理教室、カルチャーセンター、
友人と食事、小学校の同期会

妹達や友人達には感謝している。
こんなに楽しんで良いのかと思ってしまう。
夫がいないことをその時は忘れている。
それは、周囲の人たちが昔と同じように接してくれるからなのだろう。
妹からは「お義兄さん、呆れて見てるよ」などと言われてしまった。

8月、新盆。
毎年、お盆休みは義妹や義弟の家族が集まった。
今年は、夫がいない。
どんなに楽しんでも、やっぱり寂しさは消えない。




百万回後悔してあなたが戻ってくるのなら
たとえ心が折れても後悔しよう
たとえ心が病んでも後悔しよう

でもあなたは決して戻ってはこない

ならば・・・
楽しかったことを思い出そう
幸せだったことを思い出そう
抱き合ったことを思い出そう

そうすれば・・・
心にあなたの笑顔が戻ってくる
あなたの笑い声が戻ってくる

そう思ったけれど やっぱり・・・
淋しさは消えないよ
悲しみは消えないよ
心細くてしかたないよ

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6 コメント

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心のエステです・・・ (若草物語)
2011-08-24 09:13:19
夏の行事、終わりましたね。 近所のスーパーで「お盆セット」を買いましたら 馬も牛も藁でした。 
「スーパーで買ったの?感じでないな~」形から入る主人の声が聞こえてきそうでした。
しかも焚かずに 燃えるゴミへ。マンションですから火なんて出せませんもの。
「まったく・・・」と、写真は苦笑いしてました。

主人は 去年の1月、入院前に日記を購入しました「5年日記」をです。
一瞬息が止まってしまいストップモーション・・・   「いいんじゃない?買えば?」と 一緒にいたミー・・いえ次女の声で我に返りました。  その日記を今は私がバトンタッチして書いています。
4月の自分の誕生日に
2010 満57才
2011 満58才
2012 満59才
2013 満60才 年金支給開始 スタート☆
2014 満61才

この日記をバトンタッチした頃に 茶花さんごんままさんのブログに お邪魔していたら 気持ちが楽になれたのになぁ、と おもいます。
わがままですから(笑)でも半年経ち、また心が揺れ始めた頃にお2人のブログに出会えた私はなんて幸せ!まさに心のエステです。

当初は 私も自分だけ楽しかったり、美味しかったりすると 罪悪感にかられました。
でも今は 出かける時は主人の時計をし、主人と一緒に出かけ、「ここのパスタ好きでしょ」と 語りかけながら 味わっています。
食いしん坊の主人は 気になって気になってしかたないはずですから。

今日も 主人と一緒に 母のフラダンス発表会に 行ってきます。ランチは オムライスに決まりです!





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半年ですか・・・ (おおさかの青い空)
2011-08-24 17:21:30
我が家は100日が過ぎました。
いつも見させていただいておりました。
本日の詩
「楽しかったことを思い出そう
幸せだったことを思い出そう
抱き合ったことを思い出そう」

ここで私は一人涙にくれました。

最近夫関連の手続きに着手いたしました
遺族年金、生命保険、証券会社・・・どこに電話をしても
あちらが「えっ~」と言葉が途切れます
そして詳しく聞かれますと辛くて説明ができませんでした
でも、夫が逝ってから100日を区切りに動くことを決心致しました。書類の多さ煩雑さに頭が付いて行きませんけど。
お元気でね、私も元気で過ごしますね!



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Unknown (ごんまま)
2011-08-24 18:33:56
読ませて頂きながら
涙があふれました。


本当にどんなに後悔しても
夫は決して戻ってこない。
そうわかっていても
後悔ばかりが次から次へと湧いてくるのです。

お風呂に入っていても、
名古屋の病院から車椅子になって帰ってきた夫は
どんなにか自宅のお風呂に入りたかっただろうに
一度もそのことを口にしなかった・・・
私を困らせないようにと気遣いをしてくれたのだろうと思うと、
あの頃の夫の気持ちに気づいてあげられなかった自分を責めて・・・


肺炎で入院してから、
意識がはっきりしない状態での食事は肺炎を悪化させるからと食事を止められたけれど、
もう治る見込みがないといわれたとき、
なぜもう一度何かを食べさせてあげようとしなかったのかと思い・・・


もう二度と時間を戻せないとわかっていても
後悔ばかりしています。


どらえもんの「タイム風呂敷」があったらいいのに・・・


まだまだ立ち直れない私です。
こんな後ろ向きのコメントでごめんなさい。
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若草物語さんへ (茶花)
2011-08-24 21:42:08
私もお盆セット、スーパーで買って・・・。
若草物語さんと全く同じ。
夫も「ちょっと、ちょっとー」って言ってるでしょう。
若草物語さんが遊びに来てくださって私も嬉しいです!
これからもよろしくお願いいたします。


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大阪の青い空さんへ (茶花)
2011-08-24 21:50:53
はじめまして。
コメントありがとうございます!

いろいろな手続きは本当に辛いですね。
私もまだ、手を付けられないものもあります。
少しずつと思っています。

お話ができて、とっても嬉しかったです。
お暇がありましたら、また見にいらしてくださいませ。
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ごんままさんへ (茶花)
2011-08-24 22:02:04
どらえもんの「タイム風呂敷」、ホントにあったらどんなにいいでしょうね。

後悔しても夫は帰ってこないけれど、後悔しないと前へ進めないとも思います。
日が経つにつれて一つ一つの後悔が昇華して、風になるのを気長に待つしかないと思っています。

のんびりいきましょう。
これからもよろしくお願いいたします。
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