っていうか働け

~誰からも愛されるエルニーニョ~

手に入れられないもの

2007-07-12 00:44:26 | Weblog
 先日のこと。日本国政府を暴力によって転覆しようとする団体にかつて所属していた元メンバーのAさんと食事して色んなことを話した。この人とは気が合って色々お世話になりながら、もう10年以上のつきあいになる。だから今気になっている女性がいることも話した。
 Aさんは、その人のどこがいいのかと私に聞いた。だから私はこう答えた。例えば食事に行ったとき、彼女は以前介護の仕事をして、そこでのオムツ交換の話をした。普通の人は食事中にそんなことを言わないんだけれど、彼女は堂々と言ってしまう、そんなところにときめいているんだと。
 Aさんは、その感覚はよくわかる、と言ってくれた。だから私は、この人とはずっと友達でいられると思った。同時に、多分ふたりとも幸せになれないだろう、そう思った。

 普通な人と例えばお見合いをして、例えば職場で知り合って、結婚して子供もふたりくらい作って、郊外に一軒家を買って犬なんて飼ったりして、そんな温かい家庭を作る可能性は、まだ私に残されている。ただし時間は少ない。まっとうな生活を送り、人並みの幸せを手に入れることは、多分まだできる。だけどそのためには急がなければならない。そんな事実は分かってる。だけど、「温かい家庭」がイメージできない。温かい家庭のひとりとして食事をしている自分がイメージできない。それは多分幸せなはず。私も少し大人になったので、ありきたりな幸せが本当は一番大切なんだってことは、一応分かってるつもりだ。
 だけど私は、普通でない女性に惹かれてしまった。その普通でなさに惹かれてしまった。この恋がどういう結果になろうとも、私にはありきたりな幸せは多分手に入れられないんだろう、そう思う。