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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[ブドウ糖] 食生活について語ろう

2019年11月06日 | 美容ダイエット
◎葡萄糖(α-D-グルコース)Grape sugar,Glucose,Dextrose  ぶどうとう
  自然界に動植物に非常に広く分布する大変重要な加水分解を受けない基本的な単糖類Monosaccharideで、果実、蜂蜜に遊離の状態でも植物の殆どすべてに含んで主に果物に多く存在しています。
  日本語では、ぶどうから発見されたためブドウ糖と呼ばれます。
動物にも存在し、血液中におよそ0.1%含んでいます。糖類の中で最も基本的な単糖類(糖の最小単位)の代表的なものです。
 天然のブドウ糖は、光学的に偏光面を右に回すのではじめはDextro右旋の頭文字よりD- Glucoseとしていたのですがこれは旋光方向とは無関係に構造上の区別を示すようになっています。
糖類分子中の第二級のアルコール基の炭素は、いずれも不斉炭素原子であってブドウ糖は5箇所の炭素原子4個が不斉炭素原子として分子中に有り、おのおの2個の光学的異性体を有しており、ブドウ糖には、2の4乗=16個の立体異性体が存在することになり知られます。立体異性の関係は、その構造が鎖状の場合には、以上のようになりますが環状構造の場合ですとオキソ型の炭素がさらに不斉炭素の形をとるようになることから、あらたに2つの異性体が生じています。これをα、βとして区別し、あらわしています。普通のブドウ糖はα型ですが、これを水に溶かすと、その溶液の旋光度+111.2度から+52.5度に変化して安定します。この現象を変旋光Mutarotationというのですが、これはα-2ブドウ糖がβ-ブドウ糖に変化したことによるものです。
酵母、チマーゼZymaseによって容易に醗酵しエチルアルコールまたは有機酸と二酸化炭素を生じます。
白色粉末状の結晶でやや水に溶け難く、吸湿性があり、融点が146℃、加熱で着色しやすく、蔗糖(砂糖)の甘さを100とするとブドウ糖は、50~60の甘味度を示します。

ブドウ糖C6H12O6の性質として
◆単糖類(六炭糖Hexose)であり単糖類中で分子にアルデヒド基(R-CHO)をもっている物質のアルドースAidoseに分類され、アルドヘキソースです。
◆水溶液中で還元性を示す還元糖で一部が鎖状構造になりアルデヒド基をもってアルカリ性の溶液中(アンモニア性硝酸銀溶液)で重金属(比重5以上)塩を還元する銀鏡反応を示し試験管内壁にきれいに鏡のように銀が析出されます。
◆一定方向に振動する光波の偏光をブドウ糖液に当てた時の通過してくる光の振動方向を旋光性Optical activityといい右に変化する右旋性を示します。旋光性の度合い(旋光度)によって溶液中の糖の測定に利用されています。
◆さらにアミノカルボニル反応(メラード反応)は、カルボニル化合物(還元糖のグルコースなど、ビタミンCなど)とアミノ化合物が相互に熱、光などで反応を起こし褐色物質を生ずる反応をいいます。pH7以上、高温、銅(Cu)、鉄(Fe)などの重金属があると反応が加速しやすくなります。
◆酒石酸ナトリウムカリウムを含む水酸化銅のアルカリ性溶液(Fehlings solution)で還元性物質グルコースなどが存在すると赤褐色になるフェーリングFehling反応は、陽性を示します。
◆カルボニル試薬と反応してカルボニル基とヒドロキシアミンとの縮合によってできる結晶性の化合物のオキシムOxime、カルボニル化合物とフェニルヒドラジンとの反応で生成するフェニールヒドラゾンPhenylhydrazone、オサゾンOsazone(黄色い結晶)を生じます。
◆硫酸銅、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムを水に溶かしてつくられ青紫色をしたアルカリ性のベネジクト液(Benedicts reagent)がグルコースなどの還元性の糖を検出するのに用いられます。試験液にベネジクト液を同量加えて加熱すると銅イオンが還元糖のアルデヒド基を酸化してカルボキシル基として還元され酸化銅になり沈殿する反応で糖濃度により黄緑色から赤褐色へと変化します。糖以外の物質に反応しないことから糖尿の簡易測定用として使われています

これらの反応は、単糖類の定性、同定、定量に利用されているのです。
  自然界で最も重要な糖で遊離の状態、さらに果糖などと共に二つ以上の糖と一緒になって炭水化物の構成成分ともなります。ニ糖類Disaccharide(蔗糖・乳糖・麦芽糖)、三糖類Trisaccharide(ラフィノースRaffinose)、四糖類Tetraccharide(スタキオースStachyose)、多糖類Polysaccharide(デンプン・デキストリン・グリコーゲン・セルロース・ペクチン等)が加水分解などによって最終的にブドウ糖を生じています。配糖体Glucosideとしても存在しています。
工業的には、デンプンが主な原料として使われ日本で生産されるでん粉は、コーンスターチ、じゃが芋でん粉、さつま芋でん粉の順で、薄い酸または糖化酵素で加水分解し精製ブドウ糖の製造がされています。ブドウ糖そのもののみならず、食品、醗酵、医薬の分野で幅広く利用されます。
◇糖アルコールSugar alcohol
  天然の単糖類(ブドウ糖や果糖など)のアルデヒド基(-CHO)を持つ糖を還元され誘導され末端をアルコール(-CH2OH)に変化させた水素が2個ついた化合物の総称であり、その糖に相当するものが糖アルコールに変化します。ブドウ糖を原料とするものでソルビトール、キシリトール、エリスリトールなどが知られます。
砂糖に似た甘さ(甘味度30~80%)を持っていますが消化吸収されない難消化性の特質で低カロリー食品として利用されます。多量に用いると下痢を起こすこともありますが甘味度が砂糖より低く他の甘味料アスパルテーム、ステビアなどで甘味を補いガム、チョコレート、タブレットに利用しています。
砂糖と異なり虫歯菌(ミュータンスレンサ球菌)に利用されず、歯垢、有機酸をつくらず、菌の増殖を抑え、むし歯の予防に役立ちます。ビタミンCの安定化効果や品質の改善・向上させ、その他に、保湿作用、増殖抑制、品質改良などハム類、菓子類、医薬品、ドリンク剤、化粧品など幅広 い分野で用途に合わせ使われています。
◇グルクロン酸Glucuronic acid
  里芋、山芋などのねばねばより取り出されるムチンが、体内に入ってグルクロン酸に変わります。ブドウ糖によく似た単糖類(ブドウ糖など)の誘導体としてのウロン酸の一種で複合多糖類の成分であり、胃、腸壁の潰瘍を予防、肝臓を強化、便通をよくし、解毒作用があります。疲労回復に内服液、中外製薬のグロンサンがありますがブドウ糖より合成されています。
◇配糖体Glucoside
  植物に多く分布しており、自然では酵素の作用を受けずそれぞれに別の細胞を持った状態で存在しています。細胞が破壊された時、成長するときに作用して加水分解され、糖、主にブドウ糖とそれ以外の物質になるものです。糖以外の部分をアグリコンといい、その種類によって、フェノール配糖体、クマリン配糖体、フラボノイド配糖体、カルコン配糖体、アントシアニジン配糖体、アントラキノン配糖体、インドール配糖体、青酸配糖体(ニトリル配糖体)、ステロイド系配糖体、アルカロイド配糖体などがあります。グルコース以外に数は少ないが糖の部分は他にヘキソース、ペントース、ラムノース、ガラクトース、ニ糖類、グルクロン酸等があります。
◇グルコン酸Gluconic acid
  グルコースを原料とし酸化、発酵、精製し製造されphを調節し殺菌作用があり、グルコン酸カルシュウムは、カルシュウム剤として医薬品、栄養剤に利用されています。干柿、蜂蜜、大豆、酢、ワイン、味噌などに含む有機酸で白色、結晶でやわらかな酸味があります。酒石酸、乳酸、クエン酸と同様に飲料に用います。
◇こんにゃくまんなんGlucomannan
  コンニャクイモに含む複合多糖類で加水分解によってグルコース1とマンノース2の割合で生じます。
 近年では、さらにビタミンCなど多くのものがでん粉からブドウ糖を得て発酵、分解させる等でさまざまの合成品が作られているようです。
 
  人体では血液中に空腹時0.1%程度存在し0.17%以上になると尿中にも排泄され継続して数十年に及ぶと体調に不調を訴え合併症などを併発してきます。空腹時0.1g/dl以上に成ると糖尿病が疑われます。また、脳が唯一エネルギーとして利用でき、成人で120~150g/1日で消費しているとしています。
 糖質の吸収は、単糖類まで分解(人体で消化吸収されないものもある)されて吸収されますがその吸収速度は、ガラクトース(単糖類)110、ブドウ糖100、果糖43の順になります。脂質よりも早く分解吸収されるため、激しい運動で消耗した時や糖尿病などインスリンの異常で血糖値が低くなり過ぎた場合、素早くエネルギーを補給し血糖値を上げるのに適しています。ブドウ糖は、グリコーゲンとして肝臓に蓄えられエネルギー源として脳の活性化に重要な働きを果たしているのです。
医薬品として様々な濃度(2%~50%など)のブドウ糖注射、点滴製剤が有ります。糖尿病治療薬の服用などで低血糖になった際に、ショ糖より血中のブドウ糖濃度は速やかに上昇しやすいのでブドウ糖の摂取が好ましいとされてブドウ糖顆粒の経口摂取に利用されています。
グルコースが代謝されるときには、リン酸化され変化していく解糖作用を受けピルビン酸、酸素の少ない時は乳酸になってTCAサイクル(循環経路)に入ってエネルギーを発生しながら二酸化炭素と水に分解されていきます。
糖尿病では、血糖値をコントロールしていくことが大切ですが、その状況を把握するのにHbA1c(グリコヘモグロビン)の値が使われます。赤血球に含むヘモグロビンと血液中のブドウ糖とが結合したものです。赤血球の寿命が120日程度であり血糖、尿糖が正常になるのより遅れることから糖尿病の1~3ヶ月長期コントロールの指標として利用されています。6%以下(4.6%~6.2%)を正常とします。
食事療法をするうえでGlycemic index(GI:血糖指数)があります。炭水化物は、最終的にブドウ糖(グルコース)まで分解されるのでブドウ糖を100としてGI値を定める時の指標にしています。食品によって、血糖値のあがり方に違いがあるとして1982年ごろに発表されています。指数が高いものは素早く消化され血中グルコースが上昇しやすくなります。一般に摂取する量、組み合わせを考えることが大切です。
食品100gあたりで
・ブドウ糖(基準):100、精白米飯:85、胚芽米飯:70、玄米飯:50~55、砂糖:50~59、果物:40~60、果糖:20です。
メタボリック・シンドローム対策は、精白の少ない食品、そして食物繊維を多く含む食品で野菜類の積極的摂取が望まれます。
  ブドウ糖は、動植物に広く存在し、食品として、体内での身体の機能に重要な役割を果たしていることが解ります。過剰でも、少な過ぎてもいけません。身体全体の疲労回復のための、脳にとっての大事なエネルギー源なのですから。常に栄養バランスのよい食生活が私たちの身体にとって最良の健康維持のための食事のようです。
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