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[ほうれん草] 食生活について語ろう

2019年11月22日 | 美容ダイエット
◎菠薐草Spinach ほうれんそう
 ほうれん草のお浸し、味噌汁は、近年の日本の食卓では定番となっています。年中見られるような野菜ですが、冬がなのです。遺伝子分析により、アカザ科から、ヒユ科に変更になっています。
  ヒユ科のアカザ亜科、ペルシャ(菠薐とは中国語でペルシャのこと)、現在の西アジア、イラン原産です。ヨーロッパへは中世期(11~16世紀)にアラブ地域から伝わり、中国へは7世紀頃に、日本へは、中国のシルクロードを経て17世紀に江戸時代初期に根元の赤い東洋種の導入があり普及しています。明治時代には西洋種が入ってきました。成育期間が60日ぐらいで短く大都市周辺の千葉、埼玉、愛知での栽培が多くあります。
雌雄異株で高温下では生殖生長しやすくなるため、葉を食用としているので冷涼な地域もしくは冷涼な季節に栽培しています。品種改良により大正末期から昭和初期に掛け現在に見られるほうれん草になりました。
秋蒔きが多くの東洋種で、葉茎が長くギザギザが多く、冬季に収穫しています。春は、明治以降に導入された西洋種の切れこみがなく柔らかいのが出回り、耐寒性で夏季は、高冷地で栽培しています。元来冷涼な気候を好み寒さに強いことから10月から翌年の2月がです。
 秋口にある程度成長させておくと冬季に糖度が上がって耐寒性が高められ寒じめちぢみほうれん草では、甘味、旨みのあるものが育ち美味しいのができます。真水(蒸留水または水道水)と砂糖水とでは砂糖水のほうが凍りにくくなります。このことは、砂糖水のほうが水より凝固点が低いことを表しています。砂糖水にすることによって凝固点降下して凍るのを防いでいるのです。
液体を冷却して固体になるときの凝固点温度は純粋な結晶物質の凝固する温度は一定でまた融点と等しくなります。溶液が液中で化学変化を起こしているような場合には異なってきます。不純物があると凍りにくいといわれます。冬野菜は、寒くなったり、霜にあたると甘くなるのです。
冬野菜の水分は90~95%以上で凍りやすいです。気温が低くなって0度に近づくと、凍らないように葉の中の糖分を増やします。凍ってしまいそうな我が身を守ろうとすることから寒さにあたるたびに糖分が増え、甘味が増すというわけです。ほうれん草の糖度は春~秋の収穫で4度、冬では5~6度と寒締めでは地方により7~10度以上となる場合もあります。キャベツの平均的な糖度も4~5度、高糖度10以上、果物では伊予柑12%、うんしゅうみかん12%、オレンジ10%、金柑18%、柿16%、バナナ23%位です。
ほうれん草の根もとの赤いのは、日本古来のもので現在は、西洋のものとの品種改良で夏でも栽培できます。
1人当たりの年間購入量は、1,200g前後ですが減少傾向にあります。茹でる時は硬い茎の方から入れ、加熱し過ぎると変色しやすいので、手早く熱湯で茹であげ、冷水にさらします。生のままで葉が萎(しお)れてしまった時には50度位のお湯に15~20秒くぐらせる、氷水に5分ほど浸けると葉が開き茎もしゃきっとするといいます。
お浸し、汁の実、磯巻き(食用菊を芯にして巻くときれいです)、胡麻和え、辛し和え、裏ごししてポタージュ、ソテー、鍋物に適します。
生のほうれん草(エネルギー20kcal,水分92.4g,蛋白質2.2g,脂質0.4g,炭水化物3.1g,Na16mg,K690mg,Ca49mg,Mg69mg,P47mg,Fe2.0mg,Zn0.7mg,カロテン4,200μg(V.A700μg),V.E2.1mg,V.K270μg,VB1:0.11mg,VB2:0.2mg,VB6:0.14mg,V.B12:(0)μg,葉酸210μg,パントテン酸0.2mg,VC35mg,食物繊維2.8g)を100g中に含みます。
ビタミンA(700μg/100g)、C(35mg/100g)、(2mg/100g)の給源に適します。ビタミンCは、夏に20mg、冬で60mgで冬に収穫するもののほうが優れています。生鮮食料流通技術研究会編「コールド・チェーン」によるほうれん草の実験では、-18℃で貯蔵した場合、ビタミンCの残存量が50%になるのは33ヶ月後であり、生のほうれん草 の収穫後4.5℃の低温で保存し3日間で78%、常温25℃では、3日間で56% です。
 ほうれん草には蓚酸を1%~0.4%含みカルシュウム(Ca)の利用率は低く、他の食物のカルシュウムも利用されなくしてしまうこともあり利用率は、20%程度といわれています。蓚酸Oxalic acidは無色、無臭、柱状結晶、強い酸味のある有機酸のひとつで栄養上好ましくないあく成分です。体内では、酸化されずに殆どそのまま排出しカルシウムを不溶にして吸収を妨げます。蓚酸2.25mgでカルシウム1mg不溶化してしまうといい蓚酸/カルシウム比が2以上のものは注意が必要です。植物に多くほうれん草1%~0.4%(蓚酸含有量は、Ca[49mg]の10倍)、みょうが・ルバーフ0.4%、キャベツ0.008%、ねぎ0.02%に含みます。茹でて水に晒(さら)すことにより20~80%程度取り除くことができます。腎機能障害、痛風、結石を作りやすい人は、特に排泄が悪く蓚酸カルシュウムCalcium oxalate[CaC2O4, Ca(COO)2])の結石を作りやすい傾向です。さらにビタミンC(代謝され蓚酸をつくる)の750mg/1日の大量摂取により結石の原因を作ることがわかっています。サラダほうれん草の蓚酸(あく)は、少なくなってはいますが食べ過ぎには注意しましょう。

ほうれん草に含むルティンを10.2mg/100g中に含み眼精疲労によいとして注目しています。
ルティンLuteinはカロテノイド系黄橙色素成分で、ジヒドロキシ-αカロテンDihydroxy-αcaroteneに相当します。ルテイン本来の色は、トウモロコシやマリーゴールドの黄色です。また、狭義にはルテインを指してキサントフィルXanthophyll と称することもありキサントフィルの1種として強い抗酸化作用があります。
カロテンが酸化しルテインになり、そのルテインが代謝され異性体となるゼアキサンチンに変化します。
ルテインの摂取によってルテインとゼアキサンチンZeaxanthin 両方を得るために必要な成分となりますがビタミンA効力はなくなっています。
カロテノイドは、ビタミンAの前駆体で体内で、ビタミンAになることがわかっています。ビタミンAは、目にとって大変重要な栄養素であり、物を見るということは、それだけビタミンAを消耗することにつながります。
目、視力に関するさまざまな作用は、ルテインとゼアキサンチンの形であることが必須条件です。人体で他にも皮膚、目、乳房などに存在しますが加齢と共に合成能力が衰え常に補給することが必要となってきます。特に目の網膜全体を紫外線から保護する作用を有し、明暗を区別する働きがあります。目の奥にある映像を写す組織のことを黄斑といい、物を見るのに大切な働きをしてその色素濃度を高めるのにルティンが関与しています。加齢性黄斑変性(AMD )や白内障などの眼疾病のリスクを低減させることが証明されつつあります。
目によいとして抗酸化ビタミンA,C,E,βカロテン、亜鉛とともに利用するとより効果的です。ほうれん草で60g程度6mg/1日程度が必要量といわれています。100g中でケール21.9mg、ほうれん草10.2mg、パセリ、10.01mg、ブロッコリー1.9mg、葉レタス1.8mg、グリーンピース1.7mg、芽きゃべつ1.2mg、夏南瓜1.2mg、とうもろこし0.74mg、枝豆0.74mg、卵0.15mgのルティンを含みます。ルテインは油に吸収されて体内に取り込まれます。ホウレンソウをとるときは、植物油やバター、ベーコンと共に炒めたり、肉などの脂肪を多く含む食品といっしょに調理することで効率がよくなります。

アカザ科よりヒユ科になったそのヒユ科Family Amaranthaceaeは、植物界Plantae、被子植物Angiosperms、真正双子葉類Eudicots、コア真正双子葉類 Core eudicots、ナデシコ目OrderCaryophyllales、ヒユ科Amaranthaceae Juss(Chenopodioideae)として分類しています。ほとんどが草本で、特に熱帯地域に多く世界に約70属800種、日本には約5属10数種がみられます。イノコヅチ属Achyranthes、ツルノゲイトウ属Alternanthera、ヒユ属Amaranthus( ヒユ、イヌビユ、ハゲイトウ、アマランサス、ハリビユ)、ケイトウ属Celosia、インドヒモカズラ属Deeringia、 センニチコウ属Gomphorea(センニチコウ、キバナセンニチコウ)、アカザ属(キヌア、テンサイ)、ホウレンソウ属Genus Spinacia(ホウレンソウ、)などがあります。
花は小さい風媒花で総状・穂状などです。花被(かひ:花びらと萼の総称)は5枚、子房上位、果実は1個の種子を含み花被に包まれています。ベタシアニンBetacyanin(赤紫色の色素)を含み、またベタインBetaine(グリシンベタインGlycinebetaine:特殊なアミノ酸で耐塩性にも関係する)を多く含むものも多くあります。
 テレビで2017/10/28に世間一般に知られる人参が目によいと言うことを疑問視する発言を関係者がしていました。野菜では手軽に取れるのは、ほうれん草でルティンを10mg/100g中に含むからよいと言うのです。人参は、ビタミンAが豊富で夜盲症によいと学んできました。 目を守る4大栄養素として、1.抗酸化ビタミン群 ビタミンA・ビタミンC・ビタミンE 2.抗酸化ポリフェノール群アントシァニン 3.ミネラル 4.オメガ3脂肪酸があげられています。大切なのは抗酸化作用のあるビタミンや眼精疲労にDHAなどの必要不可欠な栄養素を摂ることです。
カロテンは最初人参(carota)の色素から見出された事からcarotene(カロテン)として名付けられています。国民健康・栄養調査によれば、私たち日本人は、「ビタミンAの60~70%を緑黄色野菜や果物に含まれるβカロテンから摂っている」という結果があります。 ルティンLutein は、カロテンが酸化されたものでルテインが代謝を受け異性体となるゼアキサンチンZeaxanthin に変化します。キサントフィルXanthophyll類のルティンはカロテノイド(カロテン類、キサントフィル類)の一種です。脂溶性、熱に比較的安定、空気中で酸化を受けやすいのですが色は比較的安定しています。カロテンが弱く酸化されたものでわずかにクリプトキサンチン(キサントフィル類)にビタミンA効力が認められています。
これらの目にいい食材として、にんじん(ビタミンA)・(ビタミンC)・ほうれん草(ルティン)・ビルベリー(アントシアニン)・牡蠣(亜鉛)・青魚(DHA)・なたね油、アマニ油、えごま油(α-リノレン酸)・ナッツ類(ビタミンE)を挙げました。大切なのはバランスのよい食事です。気をつけていないと普段摂取しにくい特にビタミンA・ルテインやアントシアニンなどの栄養素を心掛けて取るようにするとよいのです。近視などの視力低下や老眼や白内障や加齢黄斑変性などの大元の原因は「活性酸素」だと言われています。この活性酸素から目を守ってくれるのが抗酸化作用のある食材です。
      人参に含むβカロテン(レチノール当量:七訂760μg βカロテン当量8600μg)は、体内で分解を受けてビタミンAに、さらに酸化を受けてルティンになります。人参のルティン量を見ることはできませんでしたがビタミンAの多い、ほうれん草(レチノール当量:七訂350μg βカロテン当量4200μg)とにんじんの最強コンビで目の疾患の進行を抑えるのではないでしょうか。目に良い食材として体内でビタミンAになる人参を疑問視するの正しくないといえるでしょう。 
     おそらくほうれん草のルティンの含有量だけを捉(とら)えて、いわれたのではないかと思われます。ルテインはカロテンが酸化されたものです。ビタミンAを多く含む食材は体内でルティンになります。ほうれん草もいいですが、人参も目にいい食材といえるでしょう。人参Carrotはセリ科、単独で用いることが少なく、他の野菜と組んで使われています。根が金平ゴボウ、紅白なます、つけあわせ、サラダ、漬物、スープ、煮物、揚げ物、酢のもの、炒め物、葉が揚げ物、和え物と、たまねぎ、じゃがいもと並んで毎日の食卓に登場しています。人参の皮、葉を乾燥させお茶にして飲むことによって眼精疲労の回復がみられたとの報告があります。おそらく、栄養学の基礎知識を学んでいない、その関係者が、ルティンに偏った知識で話したように思われます。ビタミンAの豊富な人参は夜盲症、ドライアイ、免疫力の低下、皮膚・粘膜の角化に有効な食材です。
      
 
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