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[菜種油] 食生活について語ろう   

2019年10月22日 | 美容ダイエット
・菜種油Rapeseed oil なたねあぶら
 カノーラ(キャノーラ)油Canola oilを店頭でよく見かけます。1350gで300円と値段も手頃です。私はいつも買い求めています。キャノーラ油のキャノーラは、カナダで品種改良した「なたね」のことをいうようです。在来種では、エルカ酸Erucic acid(エルシン酸:ω-9 一価不飽和脂肪酸 )が22~50g/100g中で含まれていました。改良種のキャノーラ油では0.3g/100g程度です。
なぜ品種改良したかというと、なたねの在来種には2つ問題があったからです。多量に摂取すると有害となるエルカ酸、グルコシノレートを含んでいることでした。
カナダでなたねの品種改良が進んだのは、カナダ国内に油糧資源がなかったことにより第二次大戦中に油脂が欠乏し、そのために菜種栽培が始まりました。第二次大戦前は、世界のなたねの90%が主にインドと中国で栽培生産し、現地での消費の程度でした。
 エルカ酸を多量に含むなたね油で飼育した動物は、心臓と腎臓への脂肪蓄積、骨格筋や心筋の障害、生育不全を起こすことが分かり、1956年にカナダでは食用の販売を禁止しました。生体に有害となることからキャノーラ種というこの脂肪酸の少ない品種が開発が進んだのです。
もう一つは、搾り粕に甲状腺障害をもたらす芥子油配糖体のグルコシノレートGlucosinolateというグルコース(ブドウ糖)、チッソ、硫黄などからなる植物毒を含むことでした。
なたね油の搾りかすはタンパク質が豊富で、反芻動物は食べても平気なのですが、それ以外の動物の飼育には適さないものとなっていました。そのため、搾りかすはあぶら粕として肥料として使われていました。
1974年にナタネ生産国のカナダにおいて この2つの物質が低い品種「Tower」が従来の交配育種により開発しています。
カナダ産なたねの95%が低エルカ酸になりました。菜種油という名称には有害な物質が含まれているイメージがあり、それを一新するためにその後1978年には、カノーラを初めて品種登録しました。
その後、1996年まで、何度か規格がより厳しく改正をおこない、油脂のエルカ酸が1%以下、グルコシン類(グルコシノレート)20μmol/g以下に定めています。μmolとは、1molの100万分の1を表す単位です。
現在では、ちなみになたね油は、パーム油、大豆油に次いで、世界第3位の生産量となる植物油です。大豆粕とともに、なたね粕はエルカ酸とグルコシノレートの問題の解決によって家畜の飼料としての取引もあります。
品種改良の方法は、以前は交配による育種のみでしたが、現在では遺伝子組み換えも行われています。また、エルカ酸は食用としては不適ですが、化粧品の原料として使われ在来種の栽培もおこなっています。

 日本で菜種の栽培が盛んになったのは江戸時代になってからです。灯油(ともしびあぶら)として明かりに使われていました。なたね油を使う以前には、貴重なα-リノレン酸の多いえごま油がずっと使われていたようです。現代から考えると、何とももったいない話です。
ちなみに、なたね油は「すす」が少ない特徴があったようです。
日本で作られていた菜種は在来種です。中毒の問題にならなかったのは、食事での油の摂取量が少なかった事と、畜産業が盛んでなかったことによると考えられます。
国産のなたね品種は、エルシン酸を含まないキザキノナタネ、ダブルローといわれる無エルシン酸、低グルコシノレートのなたね品種として、キラリボシなど6種ほどを育種しているようです。キラリボシは2004年に登録した品種です。
エルシン酸を含まない日本で初めての交配による品種で1990年11月なたね農林47号(キザキノナタネ)として登録しています。
日本人も昔と違って現在の食生活は、脂肪の割合が増えていると思われキャノーラ油の開発は、願ったり叶ったりの油として急成長しています。

現在の菜種油キャノーラ油にはα-リノレン酸をも多く含みます。種子にはα-リノレン酸が含まれているものがあり、エゴマ、アブラナ(菜種)、ダイズ、アマ、くるみに含み特にエゴマに多く含みます。
油にすると菜種油10.2%・くるみ9.0%・大豆油7.5%・エゴマ油45%・亜麻仁油[フラックスシードオイル]は55%等、他にもソフトマーガリン2.1%、とうもろこし油1.4%、こめぬか油1.3%、糸引き納豆1.0%、オリーブ油0.8%、豚油0.7%、ごま油0.6%などです。
α-リノレン酸は広葉植物の葉の光合成に関わる葉緑体にあるチラコイドThylakoidの膜組織から得られています。実際、ほうれん草(生脂質0.2%:脂肪酸総量0.11%中リノレン酸53%[0.058g/100g中])や小松菜などの葉物野菜からα-リノレン酸を検出しています。
人では1日約2g必要といわれ、ホウレンソウに換算すると1日3.4kgに相当します。葉は草食動物の摂食可能な量です。人では必要量は、摂取エネルギーの1%程度としα-リノレン酸1日あたり2gはキャノーラ油(菜種油)なら20g程度です。
近年はキャノーラCanola油が世界第3位の生産量となる植物油として多く出回っています。
菜種油100g中エネルギー921kcal、水分0g、タンパク質0g、脂質100g(飽和脂肪酸6.10g・一価不飽和脂肪酸57.40g:オレイン酸55.2g[n-9]・多価不飽和脂肪酸30.70g::リノール酸20.5g[n-6]・αリノレン酸10.2g[n-3])を含みます。
荏胡麻油100g中エネルギー921kcal、水分Trg、タンパク質0g、脂質100g(飽和脂肪酸7.64g・一価不飽和脂肪酸16.94g[オレイン酸16.0g]・多価不飽和脂肪酸70.60g[α-リノレン酸58.0g])を含みます。
オリーブオイル100g中 エネルギー921kcal、タンパク質0g、脂質100g(飽和脂肪酸13.29g・一価不飽和脂肪酸74.04g:オレイン酸70.0g[n-9]・多価不飽和脂肪酸7.24g:リノール酸20.5g[n-6]・αリノレン酸10.2g[n-3])を含みます。
亜麻仁油の脂肪酸組成は飽和脂肪酸9%、n-9の脂肪酸21%、n-3系の脂肪酸57%、n-6系の脂肪酸13%程度を含みます。

えごま油100gの価格は、400円から700円、ごま油125円と高価です。αリノレン酸(n-3)の含む量はエゴマ油、亜麻仁油の方が多く含んでいますが、常に使うものですしキャノーラ油なら¥20/100gです。どちらを選びますか。


 
[2019.10.22]
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