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[不飽和脂肪酸] 食生活について語ろう

2021年06月30日 | 美容ダイエット

・不飽和脂肪酸Unsaturated fatty acid ふほうわしぼうさん

  脂肪酸の炭化水素の鎖のところどころに不飽和(二重結合・炭素同士が二重結合をつくると、この部分は水素で飽和されていない)の状態があるものを不飽和脂肪酸といいます。
炭素が水素とではなく炭素同士でつながった部分(炭素の二重結合)があり、このため水素が足りず、化学的に不安定で酸化しやすいのです。
二重結合が一個のものをモノエン酸Monounsaturated fatty acid(一価不飽和脂肪酸)、2個以上含むものをポリエン酸Polyunsaturated fatty acid(多価不飽和脂肪酸)、4個以上含むものを高度不飽和脂肪酸(Poly unsaturated fatty acid: PUFAまたは多価不飽和脂肪酸)と分類しています。

不飽和脂肪酸を多く含むものは融点が低く普通常温では液体であり結合が弱く酸化を受けやすいのです。また二重結合が2つ以上あるものを多価不飽和脂肪酸で二重結合の数が増えるに従い融点が低下し酸化しやすくなります。
ショートニング、マーガリンは水素添加して二重結合を減少させ融点を上げて常温で固体としたものです。ヨウ素価の大小は試料(油脂)の不飽和度の大小を示し酸化してくると沃素価が低くなります。
摂取量としてS(飽和脂肪酸):M(一価不飽和脂肪酸・二重結合が一個):P(多価不飽和脂肪酸)=1:1.5:1の比が望ましいとしています。
脂肪酸は一方の端にメチル基(-CH3)、もう一方の端にカルボキシル基(-COOH)のついた長い炭素の鎖の構造をして幾つ目がメチル末端(CH3)の炭素から数えて二重結合であるかによってn-3 かn-6 nか-9系であるかに分かれます。
メチル末端の炭素から数えて3つめが最初の二重結合であるn-3(EPA DHA αリノレン酸)、 6個めで最初の二重結合のあるn-6(リノール酸 アラキドン酸、γーリノレン酸)系は、体内での機能性の違いなどからn-6(4)/n-3(1)の比の摂取が望ましいとしています。
俗にいうLDLとは悪玉、HDLとは善玉コレステロールのことで、n-6系脂肪酸は両方を減らしてしまうということが近年言われます。これに対してn-3系はHDLを増やす働き、一価不飽和脂肪酸はLDLを減らす働きがあります。
飽和脂肪酸はエネルギー代謝に重要な役割を果たしますが、不飽和脂肪酸の役割はそれとは異なります。1930年代の動物実験により不飽和脂肪酸を欠くことで、皮膚障害、不妊などが引き起こすことが知られてからG.O.BurrあるいはH.M.Evansによりリノール酸、リノレン酸などが1930年代の動物実験により必須脂肪酸(ビタミンF)であることを解いています。その後高度不飽和脂肪酸も生体を防御するホルモンHormoneとしてのプロスタグランジン類の原料や新生児・乳児の中枢神経系の発育の為に必須であることを示しています。

モノ不飽和脂肪酸・単価不飽和脂肪酸Monounsaturated fatty acidは、不飽和結合を1つ持つ脂肪酸です。
◇クロトン酸Crotonic acidは、C3H5CO2H、IUPAC組織名 (E)-but-2-enoic acid、trans-but-2-enoic acid、数値表現 4:1, n-1、分子量86.09、融点72-74℃、沸点180-181℃、比重1.027。ハズ油(トウダイグサ科ハズ属の植物:猛毒)に含まれる炭素数4のtrans-2-モノ不飽和脂肪酸です。

◇ミリストレイン酸Myristoleic acidは、C13H25CO2H、IUPAC組織名 (Z)-tetradec-9-enoic acid、数値表現 14:1, n-5、分子量226.36、融点-4.5から-4℃。バター、鯨油に含まれる炭素数14のcis-9-モノ不飽和脂肪酸です。

◇パルミトレイン酸Palmitoleic acidは、C15H29CO2H、IUPAC組織名 (Z)-hexadec-9-enoic acid, n-7、数値表現 16:1、分子量254.41、融点5℃、比重0.894。CAS登録番号 373-49-9。タラ肝油、イワシ油、ニシン油に含まれる炭素数16のcis-9-モノ不飽和脂肪酸です。

◇サピエン酸Sapienic acid)は、C15H29CO2H、IUPAC組織名 (Z)-6-Hexadecenoic acid, n-10、数値表現 16:1、分子量254.41。人の皮膚に含まれる炭素数16のcis-6-モノ不飽和脂肪酸です。

オレイン酸Oleic acidは、C17H33CO2H、IUPAC組織名 (Z)-octadec-9-enoic acid、数値表現 18:1 (9), n-9、分子量282.46、融点13.4℃、比重0.891。ほとんどの動物性油脂に含まれオリーブ油の主成分でもある炭素数18のcis-9-モノ不飽和脂肪酸です。

◇エライジン酸Elaidic acidは、オレイン酸のtrans異性体でもある。C17H33CO2H、IUPAC組織名 (E)-octadec-9-enoic acid、数値表現 18:1 (9), n-9、分子量282.46、融点43-45℃。炭素数18のtrans-9-モノ不飽和脂肪酸です。

◇バクセン酸Vaccenic acidは、C17H33CO2H、IUPAC組織名 (E)-octadec-11-enoic acid、数値表現 18:1 (11). n-7、分子量282.46。牛脂、羊脂、バターに含まれる炭素数18のtrans-11-モノ不飽和脂肪酸です。反芻動物の胃の内部で微生物による酵素反応(シストランスイソメラーゼ)を受けて生成します。

◇ガドレイン酸Gadoleic acidは、C19H37CO2H、IUPAC組織名 (Z)-icos-9-enoic acid、数値表現 20:1 (9), n-11、分子量310.51。タラ肝油、海産動物油に含まれる炭素数20のcis-9-モノ不飽和脂肪酸です。

◇エイコセン酸Eicosenoic acidは、C19H37CO2H、IUPAC組織名 (Z)-icos-11-enoic acid、数値表現 20:1 (11), n-9、分子量310.51。多種の植物中に含まれる炭素数20のcis-11-モノ不飽和脂肪酸です。

◇エルカ酸Erucic acidは、C21H41CO2H、IUPAC組織名 (Z)-docos-13-enoic acid、数値表現 22:1 (13), n-9、分子量338.57、融点33-35℃。ナタネ油、カラシ油に含まれる炭素数22のcis-13-モノ不飽和脂肪酸です。

◇ネルボン酸Nervonic acidは、C23H45CO2H、IUPAC組織名 (Z)-tetracos-15-enoic acid、数値表現 24:1 (15), n-9、分子量366.62、融点42-43℃。脳糖脂質 (Nervon)、スフィンゴミエリン、血球糖脂質に含まれる炭素数24のcis-15-モノ不飽和脂肪酸です。


ジ不飽和脂肪酸は不飽和結合を2つ持つ脂肪酸です。
◇リノール酸Linoleic acidは、C17H31CO2H、IUPAC組織名 (9Z,12Z)-octadeca-9,12-dienoic acid、数値表現 18:2 (二重結合の位置:9,12), n-6、分子量280.45、融点-5℃、比重0.902。異性体として二重結合が共役した共役リノール酸があります。多くの植物油に含まれ、特に半乾性油に含まれる炭素数18のcis-9-cis-12-ジ不飽和脂肪酸です。

◇エイコサジエン酸Eicosadienoic acidは、C19H35CO2H、IUPAC組織名 (11Z,14Z)-icosa-11,14-dienoic acid、数値表現 20:2 (11,14), n-6、分子量308.50。炭素数20のcis-11-cis-14-ジ不飽和脂肪酸です。

◇ドコサジエン酸Docosadienoic acidは、C21H39CO2H、IUPAC組織名 (13Z,16Z)-docosa-13,16-dienoic acid、数値表現 22:2 (13,16), n-6、分子量336.55。炭素数22のcis-13-cis-16-ジ不飽和脂肪酸です。


トリ不飽和脂肪酸は不飽和結合を3つ持つ脂肪酸です。
α-リノレン酸α(Alpha)-linolenic acidは、C17H29CO2H、IUPAC組織名 (9Z,12Z,15Z)-octadeca-9,12,15-trienoic acid、数値表現 18:3 (二重結合の位置:9,12,15), n-3、分子量278.43、融点-11℃、比重0.914。アマニ油など乾性油に含まれる炭素数18の9,12,15-トリ不飽和脂肪酸です。

◇γ-リノレン酸γ(Gamma)-linolenic acid)は、α-リノレン酸の構造異性体として存在します。IUPAC組織名 (6Z,9Z,12Z)-octadeca-6,9,12-trienoic acid、数値表現 18:3 (6,9,12), n-6、一部の植物、乳製品や魚介類に含まれていますが、大量に含む食物は限られ 多く含む食物は母乳、くじら、月見草、ボラージ草種子などです。原料は月見草やボラージ草などの植物種子油が主です。

◇ピノレン酸Pinolenic acidは、C17H29CO2H、IUPAC組織名 (5Z,9Z,12Z)-octadeca-5,9,12-trienoic acid、数値表現 18:3 (5,9,12), n-6、分子量278.43。松の実などに含まれる炭素数18の5,9,12-トリ不飽和脂肪酸です。

◇α-エレオステアリン酸α(alpha)-eleostearic acidは、C17H29CO2H、IUPAC組織名 (9E,11E,13Z)-octadeca-9,11,13-trienoic acid、数値表現 18:3 (9,11,13), n-5、分子量278.43。キリなど乾性油に含まれる炭素数18の9,11,13-トリ不飽和脂肪酸です。

◇β-エレオステアリン酸β(beta)-eleostearic acidはα-エレオステアリン酸の幾何異性体です。IUPAC組織名 (9E,11E,13E)-octadeca-9,11,13-trienoic acid、数値表現 18:3 (9,11,13), n-5。

◇ミード酸Mead acidは、C19H33CO2H、IUPAC組織名 (5Z,8Z,11Z)-icosa-5,8,11-trienoic acid、数値表現 20:3 (5,8,11), n-9、分子量306.48。炭素数20の5,8,11-トリ不飽和脂肪酸です。必須脂肪酸が欠乏で、存在するオレイン酸(C18:1n-9)から新たに産生します。ミード酸は、アラキドン酸やEPAと類似した構造の多価不飽和脂肪酸で、必須脂肪酸欠乏時にこれらの脂肪酸の代替作用を担っている可能性が考えられています。

◇ジホモ-γ-リノレン酸Dihomo-γ-linolenic acidは、C19H33CO2H、IUPAC組織名 (8Z,11Z,14Z)-icosa-8,11,14-trienoic acid、数値表現 20:3 (8,11,14), n-6、分子量306.48。炭素数20の8,11,14-トリ不飽和脂肪酸です。γ-リノレン酸から体内で2炭素増炭によりジホモ-γ-リノレン酸にさらにアラキドン酸となります。

◇エイコサトリエン酸Eicosatrienoic acidは、C19H33CO2H、IUPAC組織名 (11Z,14Z,17Z)-icosa-11,14,17-trienoic acid、数値表現 20:3 (11,14,17), n-3、分子量306.48。炭素数20の11,14,17-トリ不飽和脂肪酸です。


テトラ不飽和脂肪酸は不飽和結合を4つ持つ脂肪酸です。
◇ステアリドン酸Stearidonic acidは、C17H27CO2H、IUPAC組織名 (6Z,9Z,12Z,15Z)-octadeca-6,9,12,15-tetraenoic acid、数値表現 18:4 (6,9,12,15), n-3、分子量276.41。イワシ油、ニシン油などに含まれる、炭素数18の6,9,12,15-テトラ不飽和脂肪酸です。

アラキドン酸Arachidonic acidは、C19H31CO2H、IUPAC組織名 (5Z,8Z,11Z,14Z)-icosa-5,8,11,14-tetraenoic acid、数値表現 20:4 (5,8,11,14), n-6、分子量304.47、沸点169-171℃。n-6系の多価不飽和酸で肉、魚、卵黄、レバーの動物性脂肪に多く含み母乳にも含まれ以前は、ビタミンFとも呼ばれ乳幼児の成長には特に必須の脂肪酸としています。

◇エイコサテトラエン酸Eicosatetraenoic acidは、C19H31CO2H、IUPAC組織名 (8Z,11Z,14Z,17Z)-icosa-8,11,14,17-tetraenoic acid、数値表現 20:4 (8,11,14,17), n-3、分子量304.47。炭素数20の8,11,14,17-テトラ不飽和脂肪酸です。

◇アドレン酸Adrenic acidは、C21H35CO2H、IUPAC組織名 (7Z,10Z,13Z,16Z)-docosa-7,10,13,16-tetraenoic acid、数値表現 22:4 (7,10,13,16), n-6、分子量332.52。炭素数22の7,10,13,16-テトラ不飽和脂肪酸です。

 

ペンタ不飽和脂肪酸は不飽和結合を5つ持つ脂肪酸です。
◇ボセオペンタエン酸Bosseopentaenoic acid)はC17H25CO2H、IUPAC組織名 (5Z,8Z,10E,12E,14Z)-octadeca-5,8,10,12,14-pentaenoic acid、数値表現 18:5 (5,8,10,12,14), n-4、分子量274.40。炭素数18の5,8,10,12,14-ペンタ不飽和脂肪酸です。

エイコサペンタエン酸Eicosapentaenoic acid:EPAは、C19H29CO2H、IUPAC組織名 (5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-icosa-5,8,11,14,17-pentaenoic acid、数値表現 20:5 (5,8,11,14,17), n-3、分子量302.45、融点-54から-53℃、比重0.943。必須脂肪酸の一つで中性脂肪低下作用と抗血小板作用が認められます。青魚に多く含みます。

◇オズボンド酸(オズボンドさん、Osbond acid)は炭素数22の4,7,10,13,16-ペンタ不飽和脂肪酸です。C21H33CO2H、IUPAC組織名 (4Z,7Z,10Z,13Z,16Z)-docosa-4,7,10,13,16-pentaenoic acid、数値表現 22:5 (4,7,10,13,16), n-6、分子量330.50です。

◇テトラコサペンタエン酸(テトラコサペンタエンさん、tetracosapentaenoic acid)は炭素数24の9,12,15,18,21-ペンタ不飽和脂肪酸です。C23H37CO2H、IUPAC組織名 (9Z,12Z,15Z,18Z,21Z)-tetracosa-9,12,15,18,21-pentaenoic acid、数値表現 24:5 (9,12,15,18,21), n-3、分子量358.56としています。


ヘキサ不飽和脂肪酸は不飽和結合を6つ持つ脂肪酸を次に示すと。
ドコサヘキサエン酸(ドコサヘキサエンさん、docosahexaenoic acid, DHA)は、魚油に含まれる炭素数22の4,7,10,13,16,19-ヘキサ不飽和脂肪酸です。人体内ではα-リノレン酸から少なからず生成しています。融点-44℃、比重0.950、C21H31CO2H、IUPAC組織名 (4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)-docosa-4,7,10,13,16,19-hexaenoic acid、数値表現 22:6 (二重結合の位置:4,7,10,13,16,19), n-3、分子量328.49としています。


不飽和脂肪酸にも、さまざまの種類が知られ、それぞれに生理作用の解明がすすんでいるようです。

 

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