先日、新潟に長く住まれている英語ネイティブの先生とお話させて頂く機会に恵まれました。
その中でとても興味深かったのが、英語のレッスンに対する報酬が最近10年で急激に下がったというお話でした。
英語ネイティブの先生から受ける1対1での1時間のプライベートレッスンは、最低でも5,000円くらいというイメージがありました。
実際に私が英会話学校に通い始めた約10数年前は、おそらくそのくらいの高額だったと記憶しています。
ところがその先生が言うには、確かに昔はそのくらいだったが、最近では良くても3,000円くらいだというのです。
そして、なかなかプライベートで生徒になってくれる人を見つけるのも大変だと言っていました。
金額だけで見れば、1時間当たりのプライベートレッスンで価格が40%も下がっています。
そして、生徒を見つけるのにも苦労しているのであれば、
10年前に見込めていた収入が現在では相当減っているに違いないということが容易に想像できました。
この市場価格の下落についての原因も聞いてみたところ、大きく分けて下記のような2つの原因があると言っていました。
1)
超格安のインターネットのスカイプ等で行うオンラインレッスンの台頭
2)
英語ネイティブの講師を期待する生徒の減少
これら2つの原因について私自身も心当たりが大いにあるのでそれぞれについて書かかせて頂きます。
1)
超格安のインターネットのスカイプ等で行うオンラインレッスンの台頭
私自身もフィリピン人の講師がスカイプでプライベートレッスンをしてくれるレアジョブというサービスを約5-6年前に受けていたことがあります。
当時はちょうどオンラインレッスンが徐々に市場に出て来ていた時期だと思います。
その価格の安さとフレキシブルなタイムテーブルに惹かれてレッスンを受けさせて頂いてました。
英語レベルが高いフィリピンの先生方とのプライベートレッスンは、英語をしゃべる機会としてのレッスンとしては、価格、クオリティー的に十分すぎる内容で大変満足していました。数多くおられる先生方の中には本当に親切丁寧な先生方がたくさんいらっしゃって、今は、こういうことが許可されて入りうかわかりませんが、レッスン時間外でもメッセージを送ると質問などに回答して下さったこともありました。
私自身も1人の消費者としてオンラインレッスンサービスを消費していました。
英語を話す機会を探していたあの頃、1年半くらいサービスを受けさせて頂きました。
2)
英語ネイティブの講師を期待する生徒の減少
私が英会話学校に通い始めた10数年前は、英会話と言えばネイティブスピーカーの先生が当たり前と言うようなトレンドがありました。
各種有名英会話学校も先生としてのキャリアよりも先生の国籍にフォーカスしていたと思いますし、宣伝、マーケティングもネイティブ講師主義が戦略の中心だと感じていました。
しかし、現在はどうでしょうか。1)にもつながりますが、先生に対して英語ネイティブであることを期待する傾向は、以前よりも無くなったと感じます。
そして、英語は英語を母国語としている国々だけでなく様々の国々で様々なアクセントと表現を伴って使われている事実が各種メディアにより市場に浸透してきて、ネイティブ英語の習得を目標するのではなく、日本人として英語を実用的に使用するための英語力の習熟に目的が変わってきているように感じます。
私自身もフォーマルな通訳、翻訳、作文に取り組む時で、英語ネイティブの皆さま向けの英語が前提される時のみに、
英語ネイティブ且つ取り組んでいるコンテンツに対してキャリアや見識が広い方にアドバイスや添削を依頼しています。
こういったハイレベルな英語が要求される時以外は、
文献やインターネットで取り組んでいるコンテンツと同様の分野の文章を参照し、英語のクオリティーを上げるところで作業をストップさせています。
手を抜いているつもりはありませんが、ベストではないことは、自分でも理解しています。
しかしながら、今まで英語に対して純粋なクレームを頂いたことはありません。
以上のような経験を踏まえても英語ネイティブの講師の方が常にいなければいけないという前提は、昔よりもだいぶ薄くなったのだろうと感じています。
ただし、ネイティブの先生がいなくて良いという訳ではなくて、英語学習者にとって絶対的にいてもらわなくてはいけないことは、今も昔も変わりません。
ただ、ネイティブの先生から英会話を習うという選択肢の他に今の世の中は、単純に他の選択肢がたくさんあるし、それらを求めている人々もたくさん入りうということが分かります。つまりは、英語ネイティブの講師の周りには、競争相手が昔よりも増えた。それが、レッスンの価格の減少や、生徒の見つけづらさに繋がっているのだと分かりました。
2時間以上、その英語の先生とお話させて頂いていろいろなことが分かりました。
英語でお話しさせて頂くと語彙が少ない分、はっきり意見が言えるような気がしてました。
仕事とは違いストレスが無いディスカッション時間は、とても心地よかったです。
最後に今の英会話サービスが市場に求められていることを伺ったら、「価格が安くて、そこそこの質があるレッスン」とおっしゃっていました。
私は、「価格が高くても専門性や特徴があるレッスンの需要もあります。」とお伝えしたら、あまり同意は頂けませんでした。
しかしながら、私自身のレッスンや英会話BOXの諸所の活動が、多様化する英語学習の機会の1つとして選んでもらえるには、やはり専門性や特徴を高めて市場に提案する必要があると考えています。
低価格なオンラインレッスンが存在している以上サークル活動についても特徴を出して良さを伸ばしていかなければと常々感じていますし、そうなるように試行錯誤を繰り返しております。
そして、最近取り組ませて頂いている英語講座に関しては、専門性を高めて行かないとすぐに競合に機会を奪われ、自分の特色を出すという事は、どのようなことなのかしっかり考えてこれからも取り組んでまいります。