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小室直樹を読む 「天皇」の原理 を読む

2010-01-19 23:26:34 | 日記
第三章 予定説と因果律
前回で神は「絶対」であると説明されましたが、ここから導かれる教説が「予定説」。

予定説はユダヤ教とキリスト教に特有の教義だそうで、「旧約聖書」が語る事例として
カナン攻撃作戦が有名。

神は「乳と蜜が流れる国」カナンをユダヤの民に約束・・・つまり予定された・・・
迷惑なのはカナンに先住していた人々で、この土地は無人の沃野ではなく既に人々が生活している土地。

エジプト脱出以来、砂漠放浪の民であったユダヤ民族に「絶対」である神が「おまえらここで暮らせ。この土地はお前達の土地だ・・・」
神は絶対であるから、この命令も絶対。

さあどうなる。ここは先住者がいるのです。当然の事、ユダヤと先住者の紛争勃発。
最初は先住者の圧勝。ユダヤの民惨敗。
ところが、ここから神の出番。エイヤッテなもんで作戦を授けると、アレだけ堅固であった城壁もあっという間に崩壊。

なだれ込んだユダヤの民、先住民を殺したの殺さないの老若男女見境なし。あわれ先住民絶滅。
これハッキリ聖書に書いてあること。虐殺事始・・・か

でもこれは正当な行為。なぜなら、「神の命令」「神が予定」したからです。
ユダヤはそれを絶対に守る。契約は守るべし、守らねばユダヤ絶滅。

これが「予定説」の論理だそうです。恐ろしい教義です。日本人的感覚では理解不能。
神の命を守るためなら殺戮、殲滅しほうだい。またそうしなければ神を信じていることにならないんだそうで。信じていなければ契約違反、つまり自分達が絶滅。

これは、キリスト教にも引き継がれてるそうです。さすがに「新約」には民族絶滅計画は書かれてません。
ではどう書かれているか、マックス・ヴェーバーによれば「エペソ人への手紙」に予定説は書かれているそうです。詳しくは「新約」を読むとして、要約すれば・・・・

神は総てを予定計画している、もっと言えば救いもあらかじめ予定されている。

これが「新約」の予定説。救われるものと救われないものは予め定められている。つまり「予定」。

救われるものと救われないものの境界はその条件は・・・・ない・・・・
神の御心のみ。神が勝手に予定している。人の行為の善悪関係なし、神の御心のみ。

いい事をしているから、私は救われると思ったら大間違い。神の選定から外れていればどんなに善行をしても無駄。永遠の死あるのみ。神の選定に入っていれば極悪非道の人生をしようが救われる。

これこそが「神」です。ことのよしあし関係なし、神が決める。神が決めたことが正しい。
「キリスト教」の神は絶対。そして「キリスト教」の神は総てを「予定」している・・・・

小室はこれで一応「予定説」の解説を終わり、次に「因果律」の解説に移ります。