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小室直樹を読む 「天皇」の原理を読む

2010-01-18 20:03:18 | 日記
 第三章 予定説と因果律
第二章で 個人救済と集団救済 を小室は解説しました。
いま少し補足説明します。
ユダヤ教とキリスト教は同じ神から救済を受ける宗教です。
しかしその教義はユダヤ教は集団救済であり、キリスト教は個人救済なのです。
どこでどう違ってきたのか興味あるところですが、小室はこの章ではまだ解説しません。
この章で彼はユダヤ教とキリスト教は救済方法は違うが共通点もあるといいます。
その共通点とは 奇蹟 を認めている点。

日本人は キセキ というと「奇跡」の方を思い、いいことをした褒美に天の神様がこの私に小判を降らせてくれた、とか親孝行をした褒美に天の神様が養老の酒をくれ病気も治り長生きも出来た、とかの「奇跡」を思います。

しかし、ユダヤやキリストの奇跡は違い 「奇蹟」 神の御業 がキセキだそうです。
神は何でも出来る、というより神がこの世界をつくり法則を定めたのだから何でも出来る。
この神の力が「証明」されたことが「奇蹟」。

海が二つに割れ、ナイルが血に染まり、イエスが湖上散歩し、水がめがワインに変わり、盲目に光がさし、寝たきりがしゃきっと歩き、磔イエスが3日後に復活・・・・

旧約と新約は「奇蹟」のオンパレード。
これぞ 神の御業 
神は全ての創造者であるから全て意のまま。現代物理で解明された法則をひん曲げる事ぐらいお茶の子さいさい。
ひん曲げて当然。神が創った法則だから、神の勝手。ニュートンが抗議しようがアインシュタインが異を唱えようが関係なし。

小室はこのような例をあげ 神の絶対 を語り、次の章 予定説と因果律 に移ります。

第三章 予定説と因果律 
予定説とはを解明する前に小室は補助線を引きます・・・・この人は本筋を語る前に必ず補助線を引きたがる人で、図形の証明問題が好きなような方です・・・

その補助線とはなにか・・・ユダヤ教における「神」と「人間」の関係これを理解する事。
ユダヤの民ぐらい神を冒涜する民族はいないそうで、あれだけ「奇蹟」を見せ付けられてもすぐ神をないがしろにしてきたのがユダヤ民族の歴史との事です。
そんな民族と神の関係を保つものは唯一つ契約の遵守。これを守れば神は奇蹟を起こしてでも救いを与える。守らなければ皆殺しの憂き目。

神が救いの意思を決める。そこには何の説明もいらない。神が決める。
このことがすなわち 予定 ・・・