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小室直樹を読む 「天皇の原理」を読む

2010-01-27 20:24:39 | 日記
第六章 日本における「法の不在」

前章まで神の本質について小室は語りましたが、この章から日本人の宗教に接する態度について語ります。

ユダヤ人と日本人だけが神からのぞみの地を賜った。
ユダヤ人は契約による。故に契約を破れば皆殺しの目にあうかもしれない。

日本人が土地を賜る条件は・・・無条件
神勅にいう 豊葦原瑞穂の国は天壌無窮

これ、小室によると神勅は「予定」である。そうです
これまで解説してきた、神の「予定」説。神勅にぴったりあてはまるそうです。

「予定」であるから、何をしようと何をしまいと日本人はこの土地をもらえる。
ユダヤは契約だから、契約を破ったりするとすぐ取り上げられ、カナンの土地から出たり入ったり。

この契約は「法」「戒律」がつきものだが、日本人へ与えられた神勅には「戒律」は付いていない。ここから日本人の「法」の考えかたに対する甘さがうまれる。

ユダヤ教の第一法源はモーセ五書(トーラー)、イスラム教ではコーラン。
第二法源はユダヤ教でタルムード、イスラム教でスンナ・・・・
と法がびっしり。

仏教は戒律。仏教でいう戒とは悟るための修行ルール、律とは出家集団内のルール。

キリスト教には戒律は無い。イエスは山上の垂訓はいろいろ述べたが、それは心内面の持ち方。
ユダヤ教、イスラム教の法は外面的なことをいろいろ規定している。これは法になる。
しかしキリスト教は内面を問題にするが、ユダヤ教にように、外面的特定はしていない。

このためキリスト教に戒律はなく、法は無い。

ユダヤ教、イスラム教は戒律や法を守れば救済される。

しかし、キリスト教では人間で戒律、法を守れるものなんかいない。一人もいないとする。

なんと、神と法を切断した。救済の条件である法を切断したことになった。
それでは救済されるものは一人もいないことになる。

ここからがキリスト革命、パウロ革命。人間はどうやって救済されるのか・・・・・
パウロはいう 「律法なしに神の正義が現れた」 ローマ人への手紙 第三章ー21

・・・・・イエス・キリストを信ずることで・・・

前章でも出てきましたが重要なことは何度でも出てきます。キリスト教の救済はイエスを信ずる事で与えられるのです。そこに法はない。


次に小室は仏教の戒律を語ります。

仏教の戒律とは釈迦が定めた、悟るためのルール。
男の出家者(僧)を比丘。比丘の守るべき戒律は250。
女の出家者(尼)を比丘尼。比丘尼の守るべき戒律は348。

これを具足戒という。具足戒を守ることを誓うことを受戒という。受戒には立会人が必要。
3人の師と7人の証人が必要とされる。彼らの立会いのもとで受戒が行われ比丘、比丘尼になれる。

具足戒その他の戒律を詳細に述べたものが「律蔵」。
ちなみに、お経を集めたものを「経蔵」。主な学者の論文を集めたものを「論蔵」といいこれら三つで三蔵という。

このように仏教では非常に戒律を重んじる。
中国の仏教徒も、朝鮮、セイロン(スリランカ)、ビルマ(ミャンマー)の仏教徒もひじょうに戒律を重んじる。

唯一例外がいる・・・・日本仏教徒・・・・

ではなぜ日本仏教徒から戒律が外れたか・・・・

伝教大師「最澄」が戒律を廃止してしまったから・・・・どのようにして