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小室直樹を読む 「天皇」の原理を読む

2010-01-26 11:53:49 | 日記
第五章 キリストによる恩恵

小室はこの第五章まで、えんえんとユダヤ教やキリスト教の神とその教義を語り、一向に「天皇」の原理を語りません。

恐らく彼の意図は「天皇」を日本宗教として理解させようとしているのだと。そのための補助線に世界宗教であるキリスト教とその母体ユダヤ教をえんえんと語っている。そう思います。本来の宗教を知らねば「天皇」は理解できないという事です。

前章までを要約すると
「神」は絶対
「神」の決めたことが正しい
「神」は総てを「予定」している


では 第五章 キリストによる恩恵 小室の解説を聴きましょう

この章はキリスト教について語ります

「予定」説はキリスト教根本教義である。
カトリック教会もプロテスタント派もこれに異議はない。

ここから少し小室はわき道に入り、カトリック教会のことを語ります。

今のカトリック教会はこのことをあまり説教しない。
それどころか、カトリック教会は恩恵を与える事が出きるとしている。
神でもないカトリック教会がどうやって・・・

つまりこう言って・・・・・

カトリック教会はイエスの後継者ペテロから始まり歴代法王はペテロの後継者である。とした。
だから法王は神の代理人であり、カトリック教会はイエスの遺産相続も出きる。とした。

キリスト(イエス)の遺産は十字架上のつぐないの死。これに加えて聖徒達も善行を積み上げてきた。これら、つぐないを教会は救済財として備蓄している。とした。

よって、カトリック教会の秘蹟(サクラメント)「洗礼、堅信、聖体、婚姻、告解・悔悛、叙階、品級、終油の7秘蹟」を受ければ恩恵は獲得される。とする。

「予定」を前面に布教していては信者は集まらない。そこをうまく隠して発展したのがカトリック教会。

それに待ったをかけた人物が宗教改革運動で有名な「ルター」と「カルヴァン」。

わき道が長くなるのでここらで本題へ戻します

「予定」を根本教義とし布教したパウロは「ローマ人への手紙」でこういいます。

「・・・ところが今、律法なしに神の正義があらわれた。・・・イエス・キリストへの信仰による神の正義は、信ずる人総ての人に与えられ、それには差別がない・・・・」 ローマ人への手紙 第三章 21,22

人の行為ではなくキリストを信仰することが義とされ恩恵を受けられるとした。

なんだこれでは阿弥陀信仰と変わらないではないか。と私など思いますが、パウロのいう信仰はちょいと違うようで・・・・

「神を信ずる」のは、人間が神を求めて信ずるのではなく、神が人間を求めて信ぜしめる。のだそうです。

つまり、「神の召命」「予定」によってキリスト教徒になったもの。に限るのです。
キリスト教徒になった者は実は自分の意思でキリスト教徒になったのではなく、キリスト教徒になったのは神の「命じ召しいれ」によってなった者なのだ。と・・・

キリスト教徒は神の「召命」により信徒になったのだから「キリストによる恩恵」を受けて当然。なのです。

なるほどネ・・・上手く整合させてます。キリスト教開祖パウロさん、さすがです。
「召命」を感ずることなく信徒になったものはニセ信徒なんでしょうか・・・疑問もあります・・・・

これで 第五章イエスの恩恵 が終わり、次に
小室は日本における「法の不在」について語ります。

宗教は法の考え方抜きに考えられないそうですが、日本では律法、戒律など「法」を宗教から捨て去っている・・・・そうで・・・