エ・ビ・ス Eco Business Study

環境ビジネスの研究をしています。
エコロジー・ビジネス・スタディ

ブッシュ君やっぱりネ (中国とも仲良し?)

2007年01月24日 23時50分59秒 | ニュース拾読み
ブッシュ米大統領は23日(日本時間24日)に一般教書演説を行った。
内容は、やはり思っていた通りの米国に都合の良いものだった。
大統領は米国のガソリン消費量を今後10年間で20%削減すると表明した。
具体的には、エタノールを中心とした代替エネルギーの供給拡大と車の燃費規制強化で
ガソリン消費削減を実現させると言うもの。
その結果、車から排出される二酸化炭素等の温暖化効果ガス量が今後10年間は横ばいになる
としている。
しかし、世界全体の2割を超える温暖化効果ガスを排出する米国にとって、車の排出ガスは
全体の約2割に過ぎない。
温暖化防止には、多種にわたる排出抑制も必要であり、本気で温暖化防止を考えているとは
思えない。

おまけに、演説では同時に石油製品の6割を中東などからの輸入に頼る状況に
「輸出を妨害しようとする敵対国家やテロリストに対して、脆弱だ」との理由で
戦略石油備蓄を2027年までに倍増する事や国内での石油生産の拡大を打ち出した。
結局温暖化防止より自国のエネルギー安全保障を重視しているだけなのだ。
この演説に対して、米政府高官がエタノールの利用が増えれば、
原料のトウモロコシ生産量も拡大し国内の農家が潤い、米国のエネルギー自給率も向上する。
つまりそれは、米経済にプラスでありしかも、エネルギーの安全保障と温暖化を
実現できるなどと、脳天気に自画自賛している。
ブッシュなんてやっぱりこんな程度だった。
と嘆いていたら、もう一方の温暖化効果ガスの排出大国である、
中国の話題が入ってきた。
24日北京市の史捍民環境保護局長が記者会見の中で、2008年北京オリンピックに向けての
大気汚染緩和施策において、排ガス基準の甘い自動車の追放や工場の市外移転を
進める方針を明らかにした。
史局長によれば北京市は1999年以降、3度の排ガス規制強化を行った。
だがその規制は新車対象のため、それ以前の車は規制対象外で甘い基準が適用されていた。
そのためここ数年に渡り、古いタクシー約5万台、バス約1万台を整理したと述べた。
しかし、工場を市外移転させるなどと言った施策は北京市のみが、大気汚染緩和に
なるだけであり、根本的には中国自体の温暖化防止に対する必要意識はまだ少ないのだろう。
この2つの温暖化効果ガスの大量排出国、アメリカと北京市は、ジコチュウな
同じ穴のむじなである。
アメリカはブッシュが退任すれば、何とかなる可能性もあるが、中国の場合
温暖化対策強化させるには、一筋縄では行かない気もする。

各メディアは今回の一般教書演説について、イラクへの追加派兵をのみ
取り上げたところが殆どだ、
しかし、温暖化対策の表明もそれ同様にいや、人類の未来にとってはそれ以上に
重要な事なのに、メディアの報道あり方に疑問を感じた。



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by エ・ビ・ス



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
生きていけない? (だいさく)
2007-01-25 00:22:17
確かに、地球温暖化の要因のひとつである二酸化炭素の排出基準の厳格化の猶予はないに等しいでしょうね... 
米外資生保に勤めながら、その点では肩身せまく、生き方に矛盾を感じるときもあります。正直ね。
アメリカも中国もアホやからね~
なにぶん、政治がらみになると、どこの国でも一筋縄でいけるほうがおかしんでしょうけど、なんかね~ 
今すでに、時すでに遅し。という感もありますが...
でも、一消費者であるわれわれも、個人または地域レベルでも、この削減政策はボトムアップしていかないけない問題でしょう。
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チリもつもれば (エ。ビ。ス)
2007-01-25 06:54:21
だいさくさんコメントありがとうございます。
米国・中国に対して温電化対策では、日本政府も偉そうにいえるものではありません。前に述べたように企業から出る排出ガス削減の目標値は大甘で、他国の成果をあてにした京都メカニズムで削減の数字合わせをしている始末です。依然として大企業ごますり型政府から脱却出来ていないのが実情です。その結果、削減どころか10数%の増加を招いている訳です。
こういった現状ですから、だいさくさんのおっしゃるとおり、個人及び地域レベルで、この削減政策をボトムアップしていかなければいけません。例えは悪いですが、チリもつもれば。何とかで、一人一人の意識改革をしていく必要があると思います。
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