江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

家庭科

2007年01月15日 | 
三男がデパ地下でアルバイトをしたいと言い出した時、女房が「あの子らしいわ。調理が好きだったから」「でももっといろんなことを教えておけばよかった。裁縫を教えたら服屋さんでバイトしたかしら」とつぶやいた。

長男は高校のとき、手を抜く子がいる「家庭科」もしっかりと取り組んでいた。
「僕は受験勉強のために高校に来たんじゃない」と立派なことを言って親をうれし泣きさせてくれた。

私たちの生活能力は、長年の人類の経験や知恵や技術を「継承」することで培われてきたのではないだろうか。
学校で学ぶ「家庭科」という教科は、とても大事な教科だと思う。

昨年『エイラ地上の旅人』(ホーム社)全13巻の翻訳出版が完結した。
20年以上前に評論社から『(始原への旅立ち)大地の子エイラ』として出版され、6部作のうち4部まで全12巻が出版されたが中断したままになっていた。
出版社も翻訳者も変わり、新しい形で本になったのだが、随分長く待たされたものだ。

1冊400頁を超える分厚い本が13冊。
著者のジーン・アウルは女流作家で、クロマニョンの少女エイラがネアンデルタールに育てられ、またクロマニョンに出会い長い旅をしながら生きていく物語だが、狩り、食料、衣服、住居、言語など、人間が自然界で生きていく原点が描かれる壮大な古代ロマンである。

小説とはいえ、古代人の人間力、生活力の豊かさに驚くとともに、現代人の生活力の貧弱さに愕然とし、人類の先輩に顔向けできない申し訳なさすら覚える。
分業化・専門化のすすむ文明の進歩を否定しているのではない。
身の周りのことをできるくらいにはならないと。
私もダメなので、自らの戒めに。

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