江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

反貧困

2008年08月20日 | 
『反貧困』(岩波新書)をお薦めします。
著者の湯浅誠さんは「NPO法人自立生活サポートセンター・もやい」の事務局長で、生活に困っている人たちの相談・支援など、貧困問題の生の現場で活動している方です。

セーフティネットの綻びからこぼれ落ちてしまった人たちの現状
生活保護を打切られて餓死する事件に見られるような、生活保護申請窓口の実態
最後のセーフティネットまでもが綻びているにもかかわらず、貧困問題と向き合おうとしない政府
(個々の事例は実際に本を手に取っていただきたい)

私はこの本を読んでまず<貧困は自己責任ではない>ことをはっきりと認識させられました。
私の心にはわずかでも「自己責任論」があったと思います。

そして「反貧困」が新たな連帯を生みつつあると感じました。
生活問題、人権問題、労働問題は、いま「反貧困」でつながり始めています。

また、先日テレビ番組で櫻井よしこが「日本国憲法が秋葉原事件を起こした」と発言したそうですが、そんな状況であれば尚のこと、
<他の多くの国において「貧困と戦争」はセットで考えられているテーマである。日本も遅ればせながら、憲法九条(戦争放棄)と二五条(生存権保障)をセットで考えるべき時期に来ている。>
という著者の指摘は、極めて重要だと思いました。

『反貧困』ぜひ読んでみて下さい。

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