欧州の協同組合を視察するのが目的で、じゃあどこへ行くかとなるとやはりイギリスとイタリアということになります。
成田からフランクフルト乗継でマンチェスター到着は、現地は夕刻でも日本時間で夜中過ぎ。
翌日はイギリス協同組合銀行とCIS協同組合保険会社を訪問したのですが、実は訪問の前日にこの二つの組織は統合して The co-operative banking group となったばかりなんだそうです。
日本でいえば労働金庫と全労済が統合したようなものでしょう。
ただし他の銀行や保険会社とどこが違うのか私たちには理解出来ない程に事業を拡大し競争原理の中で企業合併や再編を行ったりもします。
メンバーとカスタマーは何が違うのか判然としないところもあります。
私たちの疑問には、「協同組合組織として民主的に運営している」「利益を地域社会に還元する」といった答えが返ってきました。
イギリスは協同組合発祥の地と言ってもよく、銀行本部の玄関の前にはロバート・オウエンの銅像が立っていました。
19世紀半ばには生協が集まってCWS(Co-operative Whole sale Society)を設立し、そこから銀行部門や保険部門ができて150年の歴史があります。
イギリス社会の中で他の金融機関に引けを取らないポジションを確立してきたし、それを維持する経営力を身につけてきたのでしょう。
ただここまで来れたのはCWSの大規模な生協ネットワークがあったればこそで、その店舗や利用者を通じて成長してきた側面は否定できないと思います。
イギリスの協同組合グループの今年のスローガンは「JOIN THE REVOLUTION」です。
街角のポスターには「WHAT'S YOUR REVOLUTION?」と書かれいろんな人が「My Revolution」を答えています。
ビートルズの曲が頭の中で鳴り出し、リバプールの隣町マンチェスターをその日の夜には出発する慌ただしい日程の中で、私のカメラは一体どこへ行ってしまったのでしょう。