江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

鶏の嘴

2010年10月25日 | 海外・国際関係
    (中国の東極・撫遠、ウスリー江の岸辺)
中国ではハルビン交流協定調印の仕事を済ませた後、中国最東北部の黒龍江省内をハルビンからさらに東北へと足を伸ばしました。
ハルビンから佳木斯(ジャムス)までの400kmは高速道路で4時間、そこからは一般国道を走って、同江経由で撫遠までさらに400km、途中悪路もあり6時間余を要します。
黒龍江省を斜めに横切り「鶏の嘴」と呼ばれる中国の東の果て撫遠まで10時間余の車の旅でした。

三江平原をただひたすらに東北東に向かいます。
北方の秋の夕暮れは早く、5時には日が落ち、時々遠くに車のヘッドライトが浮かんでは消えていきます。
十二夜ほどでしょうか月の光で東の空は明るく黒い大地との境がはっきりして地平線がわかるので、三江平原の広大さを夜でも感じとることができます。

同江と撫遠はロシアとの国境の町です。同江で黒竜江に松花江が交わり、撫遠でさらにウスリー江が交わり、黒竜江はロシア名・アムール川となってオホーツク海に流れ出ます。
撫遠は中国の「東極」です。
中国は地図で見ると鶏の形にも見え、撫遠はその「嘴」にあたるのです。
町にはロシア語の看板が目立ち、ロシア人もたくさん歩いていました。

軍事衝突まで起こした中国とロシアの国境紛争は、この撫遠の黒竜江とウスリー江の合流点にある中州・黒瞎子島を東西に分けて領有することなどに2004年合意してすべて決着しました。
中国の嘴が少し伸びたことになります。

黒龍江省との交流は長いにもかかわらず、互いの地方の様子を知らないことも多く、今回はとにかく省内を見学することにしましたが、それにしてもあの辺境の地までたどり着いたことだけで何かを成し遂げたような気持ちになります。
私は撫遠を訪れた初めての外国からの労働組合幹部となり、現地総工会の熱烈な歓迎を受けました。

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