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2014年6月6日(金)18:10
読売新聞
奈良県橿原市と和歌山県新宮市を結ぶ奈良交通(奈良市)の「八木新宮特急バス」が、2011年の紀伊水害後の乗客減少で存続の危機を迎えている。
高速道路を使わない路線バスとしては国内最長の166・9キロを走り、停留所は167。沿線の一部住民には唯一の公共交通機関でもあり、住民らは今月内にも決まる路線の行方に気をもんでいる。
特急バスは現在、両市を毎日片道3便ずつ6時間半で結んでいる。運賃は全線で中学生以上5250円。
運行開始は1963年。山あいの住民の暮らしを支えてきたが、70年代以降、林業の衰退や過疎化による人口減から赤字が続き、2001年度から両県と国が補助金を支出してきた。
追い打ちをかけたのが、紀伊水害。熊野川沿いのルートにある奈良県十津川村の折立橋が川の氾濫で崩落し、土砂崩れも多発して約2か月間、部分運休を余儀なくされた。観光客の減少も影響し、昨年度の乗客は5年前の7割、約9万2000人に落ち込んだ。
13年度も約5400万円の補助はあったが、同社によると約1億円の赤字。乗客が多い奈良市など奈良県北部の路線の黒字で穴埋めしてきたが、今年度も円安による燃料費の高騰などから、県内全域で赤字になる見通しという。
こうした経営状況から、同社は12年10月、特急バスの沿線8市村に廃止や減便を申し入れ、協議中だ。
十津川村の住民にとって村外へ出る際に頼りになるのは特急バスだけ。奈良県五條市の病院へ通うために乗る無職森井里美さん(72)は「廃止されたら、車が運転できない住民は村から出られない」と訴える。
同社の担当者は「住民の生活を守るため、
今月9日には同社と沿線自治体の協議があり、十津川村などは新たな補助金を検討中。同村の更谷慈●村長は「水害からの復興を進めており、財政は厳しいが、ある程度の負担はやむを得ない」と話している。
(●は、しめすへんに「喜」)
奈良・八木-和歌山新宮の最長路線バス、存続へ
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2014年06月10日
読売新聞
奈良県橿原市と和歌山県新宮市を結ぶ「八木新宮特急バス」について、運行する奈良交通(奈良市)は9日、路線の存続を決めた。紀伊水害(2011年)後の大幅な乗客減で廃止や減便を検討したが、沿線自治体から新たな補助金を受けられる見通しになった。
現行の1日片道3便を継続する。