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尼崎連続変死4人の遺族「解明いつ」募る不安、 角田元被告親族ら6人、殺人罪で起訴

2012-12-27 17:34:03 | 事件

角田元被告親族ら6人、殺人罪で起訴…尼崎事件
  (2012年12月27日 読売新聞)

 兵庫県尼崎市の連続変死事件で、神戸地検は26日、同居していた橋本次郎さん(当時53歳)に対する殺人容疑などで再逮捕された7人のうち、自殺した角田すみだ美代子元被告(64)を除く親族ら6人を殺人、逮捕監禁両罪で起訴した。地検は、監禁中の橋本さんが衰弱しているのを知りながら虐待行為を継続しており、「死に至らせるかもしれない」という未必的殺意があったと判断した。美代子元被告は死亡のため不起訴にした。

 一連の事件で殺人罪による起訴は初めて。6人は、美代子元被告のいとこ李正則(38)、同居の仲島康司(43)、次男の妻瑠衣るい(27)、内縁の夫鄭頼太郎ていよりたろう(62)、義妹三枝子(59)、長男健太郎(30)の各被告。いずれも橋本さんの死体遺棄罪でも起訴されている。美代子元被告は、起訴された8件について裁判を打ち切る公訴棄却が決まっている。

 起訴状では、6人は美代子元被告と共謀し、昨年7月25日未明から橋本さんを美代子元被告宅のバルコニーにあった高温多湿の「監禁小屋」に閉じこめ、両手足を手錠やロープで縛り、正座のまま両腕を丸太に固定。粘着テープで口をふさぎ、飲み水や食事を与えず、顔や胸などを多数回蹴るなど暴行して、同27日の日中に殺害したとしている。

 地検は6人の認否を明らかにしていない。

 捜査関係者によると、李、仲島両被告は緊縛や暴行などの虐待をし、瑠衣被告は死亡前日に緩んだロープを結び直し、健太郎被告も蹴るなどしたという。鄭、三枝子両被告には直接的な加害行為が認められないが、衰弱状況を認識しながら放置していたとみられる。


尼崎連続変死4人の遺族「解明いつ」募る不安
  (2012年12月27日 読売新聞)

 兵庫県尼崎市の連続変死事件で、角田すみだ美代子元被告(64)(自殺)の周辺で見つかった遺体6人のうち、まだ立件対象になっていない4人の遺族が不安を募らせている。主犯とされた美代子元被告が死亡し、捜査に影を落としているからだ。「真相が解明されないまま終わるのか」「捜査員を信じたい」。遺族は焦りやあきらめ、期待を交錯させて年を越す。

茉莉ちゃん なぜ死んだ

 「茉莉ちゃんらの捜査は入り口にも立てていない」。尼崎市の民家から遺体で見つかった仲島茉莉子まりこさんの父で、谷本隆さんの弟谷本明さん(60)が声を震わせる。

 尼崎市内で偽名を使って働き、身を潜めて暮らしてきた。これまでの取材には匿名で応じたが、今回は実名を明かすと決めた。美代子元被告の自殺で事件がうやむやにならないよう、一家の苦悩を訴えるためだ。

 2003年、美代子元被告らに高松市の自宅へ乗り込まれ、暴力が繰り返された時の恐怖がよみがえる。「あんなに残忍で異常な事件の背景が明らかにされないことは許せない。せめて茉莉ちゃんがなぜ死んだのか知りたい」と、アパートで遺影に手を合わせる。

 一方で、次女角田瑠衣るい被告(27)は、美代子元被告らに取り込まれ、殺人罪などで起訴された。だが、捜査員から聞く近況には、心境の変化も感じる。

 「美代子元被告の影響を受けている頃にお父さんからの誕生日プレゼントを拒否したことを、取り調べ中に思い出したようだ」。捜査員からは瑠衣被告からの伝言も教えてもらった。「パパ、ごめんなさい」と。

 明さんは、幼い頃の瑠衣被告の写真を捜査員に託した。「これを見て、昔の優しい娘に戻り、事件の全てを話してほしい」

30年ぶり一緒に年越し

 「最後に一緒に年を越してから30年以上たつな」。尼崎市の民家から遺体が見つかった安藤みつゑさんの弟(64)は、今月17日に戻ってきた骨つぼを見つめた。

 県警に「遺体を早く返してほしい」と2度電話したが、「捜査中」と待たされた。「お返ししたい」と連絡があったのは美代子元被告の自殺後。「立件が難しくなったからではないか」と懸念している。

 安藤さんは30歳を過ぎた頃に家を出てから、美代子元被告と生活を共にしてきたとされ、弟の手元に残る写真は20歳代前半に撮影した1枚だけ。これを遺影にし、そばには1970年代製のラジカセを置く。生まれつき視力が弱い弟を気遣い、安藤さんが家を出る前、当時としては大金の約6万円で買ってくれた。

 安藤さんの遺体発見や美代子元被告の自殺を知ったのは皮肉にもこのラジカセから。「みっちゃんの無念を晴らすニュースはもう無理かな」と声を落とす。

「高齢の姉に暴行許せぬ」

 美代子元被告の自殺から3日後の今月15日、高松市で遺体が発見された皆吉みなよしノリさんの妹(63)は、県警の捜査員から「自殺させてしまったが、事件は終わっていない。捜査は続けます」と力強く言われたという。

 司法解剖の結果、皆吉さんは激しい暴行を受けたとみられ、「高齢の姉になぜ、そんなひどい暴行をするのか」と怒りがこみ上げる。

 「姉の命を奪った人たちは厳しく罰せられるべきだ」。今はただ、捜査の進展に期待をつなぐ。


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