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増える高齢者の万引、60歳以上が半数以上 孤独感、経済的困窮…

2014-05-30 18:05:42 | 社会
増える高齢者の万引、60歳以上が半数以上 孤独感、経済的困窮…
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20140530533.html へのリンク
2014年5月30日(金)12:03
(産経新聞)

 和歌山県内の万引犯のうち、高齢者の占める割合が増加傾向にある。和歌山県警の年代別統計によると、今年始めから4月末までの万引による窃盗容疑での逮捕・摘発者は、60歳以上が半数以上を占めていたことが分かった。孤独感や経済的困窮、軽度の認知症などさまざまな背景や要因があるとみられ、再犯防止へ支援団体などが力を尽くしている。(秋山紀浩)

 和歌山県警生活安全企画課によると、万引で逮捕・摘発された容疑者は4月末時点で278人、前年同期比8人減となった。ただし、70歳以上の容疑者は同15人増の100人と全体の36%、60~69歳も45人で16%を占めた。被害品は食料品が59・5%と圧倒的に多く、衣料品が7%、機械類が4・9%と続いた。同課によると、特にスーパーでの食料品の万引が目立つという。

 刑務所など矯正施設の出所後の高齢者や障害者の社会復帰・再犯防止に取り組む県地域生活定着支援センター「ま~る」(和歌山市)では、65歳以上で身元引受人がいないなどの理由で支援した出所予定者の半数近くが、窃盗罪での受刑者だったという。

 同センターによると、預貯金や家、土地があっても万引に手を染めるケースも多いといい、面接では「節約したくて盗んだ」のほか「知らない間にとっていた」「よく覚えていない」との回答もあった。

 担当者は「面接すると認知症の疑いがある人もいるが、介護認定を受けずに過ごしてきた人が大半。家族も知らなかったというケースも多い」と話す。

 高齢者が万引を繰り返す背景の一つに、地域や親族とのつながりが薄い中で孤独感を強め、経済的に困窮しても相談できない状態にあることが挙げられるとセンターは分析している。

 担当者は「生活保護などさまざまな福祉や介護のサービスがあることを知らず、犯行に及ぶケースも多い。相談相手の有無で大きく変わってくるのでは」とし、地域住民や高齢者同士が触れ合える機会を増やし、人的支援の充実などが必要と指摘した。

「節約しようと…」「私が万引?」

 和歌山県などで増加する高齢者による万引。どんな思いで犯行に及んだのか。服役した高齢者たちが胸の内を吐露した。

 「弟が生活に困らないために、ちょっとでも節約しようと思って…」

 平成23年に県外のスーパーでパック詰めサラダなどを万引し、常習累犯窃盗罪で約1年7カ月、和歌山刑務所(和歌山市)に服役していた80代の女性はこう話した。

 十分な貯金があるにもかかわらず犯行に及んだ女性。「(商品を)盗もうと入店したわけではなかったが、『見つからなかったらいい』との思いでやってしまった」と打ち明ける。

 女性は出所後に帰る場所がなく、認知症の疑いもあったため、県地域生活定着支援センター「ま~る」(和歌山市)などの支援を受け、和歌山市内の有料老人ホームに入った。

 認知症が進行しているため、犯行自体を思い出せないという女性もいた。24年に県内のスーパーで卵などを万引し、服役した80代の女性は「客がいるところで万引したことなんて…」と、自らの行為について首をかしげていた。

 独居で年金暮らしが長かったというこの女性。子供もいるが、認知症が進行していることもあり、施設での介護が必要と判断され、和歌山市内の有料老人ホームへ入った。女性は「今は誰かが声をかけてくれる。ほっとしている」と話し、周囲の理解が支えになっているという。


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