ドワーフそふと

自作のソフトウェアについて
いろいろ書込みたいと考えていますが
はたして、うまくいくのやら...

ダウンロード販売の”落とし穴”

2015-03-10 22:37:01 | テレビゲーム
- 新しいゲームソフト購入方法の始まり

ゲーム・コンテンツのダウンロード販売が本格的に始まったのは、PS3やXBOX360の前世代ゲーム機が成熟期にはいった頃からだろう。初代XBOXの頃は、オンライン対戦用のマップ配信程度だったが、XBOX360の時代になると、ゲームの本編もダウンロード販売されるようになっていった。
この時、「メディアを入れ替えずに他のゲームがプレイ出来るなんてスゴイ!」と単純に喜んだものだった。小売りで手に入りにくいレアなタイトルも、ネットなら、すんなり購入出来るし、物によっては中古の値段より安い場合もあった。
しかし、今はと言うと、あえて円盤メディアを購入するように努めている。ダウンロード販売によって購入したゲーム・タイトルはアカウントに紐付られているのだが、そのアカウント自体が、消費者から見て分かりにくく危うい部分が多いと感じるからだ。

- お金を払って得たダウンロード・コンテンツを失う可能性

ゲーム機のストレージ容量には限度が有り、購入したいゲームを格納する容量が不足している場合、空きを作る為、以前ダウンロードした別のゲームを削除したりする。ストレージから削除しても、再度ダウンロードする際に代金は請求されない。しかし、何かの理由でアカウントが使えなくなってしまうと、問題が発生する。ストレージに残ったコンテンツは利用可能だが、削除してしまった物は再度ダウンロードし直すことが出来なくなるのだ。

ソフトウェアの購入とは、そもそも利用許諾契約なので、「無期限でソフトを利用する権利」を買い取る事だと認識している。しかし、ネット・サービスは有限だし、サービスを提供する側の都合で利用規定も勝手に改定される可能性がある。その点においてもダウンロード・コンテンツのような実体の無い商品の扱いは、今後どうなっていくのか分からない。

- アカウントに発生する問題とは

真っ先に思いつくのは、ハッキングによるアカウントの乗っ取りだろう。これについては早期に気が付けば、サポートに連絡して適切な処置を要請出来る。しかし、こんな場合はどうだろう。
アカウントのパスワードを忘れてしまったとする。その状態で、引っ越しをし、しかも登録しているメアドを廃棄して、新しいメアドに切り替えたとしよう。忘れてしまったパスワードをゲーム機メーカーに問い合わせ、回答を得るには、本人確認の為にメールか若しくは郵送を使わなければならない。しかし住所もメアドも変わってしまった今、本人確認の方法が無く完全に詰んだ状態になる。
電話での本人確認に応じるケースもあるが、「どうせ個人情報は洩れる」と考えて出鱈目な住所氏名を登録するユーザーが多いせいか、サポート担当者は電話口の人物を、あまり信用していないようだ。大抵は使えなくなったアカウントにぶら下がったコンテンツを全て諦めて、「新たなアカウントの作成」を勧められる場合が多い。

ゲーム機は、ゲームを遊ぶだけなら、パスワードを催促される事が、ほとんど無い為、パスワードを失念しやすい。だから、アカウント登録データは、必ずメモしておく事を強く勧めする。あとメアドの廃棄や、引っ越しなどの際、自分の所有しているアカウントの付帯情報変更を忘れずに行っておきたい。

- メールアドレスをユーザーIDに流用する事への疑問

ユーザーIDにメアドを要求される場合が多い。ユーザーIDは一意でなくてはならないが、メアドに重複は発生しないし、販促情報などの連絡先にも利用できるので、サービスを提供する側からしたら好都合だ。なので、とかく提示を要求される。しかし、著名な会社組織だからといって個人で使用しているメアドを安易に登録して良いものだろうか?これについては少々注意しなければならない点が有ると思う。

前項のようにアカウントが利用不能になった時、これに登録したメアドで新たにアカウントを作成しようと思っても、IDが重複しているから出来ない。じゃあ、既存アカウントを削除しようと思っても、消費者が自分のアカウントにアクセス出来ない状態なのだから、どうにもならない。そもそも消費者からアカウントを削除する事が出来ないサービス(ソニー)もあるくらいだ。しかたなく別のメアドを用意するのだが、アカウント追加の為だけに新たにメアドを開設するのも、非常に無駄な話だ。マイクロソフトなどは、IDとしてのメアドが使えなくなった時の保険に、もう一つメアドの提示を求めてくるのだが、いささか付け焼刃的な対応だと言わざる負えない。

「メアドを破棄したら、他の誰かが、たまたま同一のメアドを取得出来てしまった。結果、その人物に、破棄したメアドがIDのアカウントを、乗っ取られた形になった。」という問題が、昔アップルのiTunesで発生した事が有る。現在、破棄されたメアドを、アカの他人が簡単に取得出来るプロバイダは無いとは思うが、もし有れば、利用明細とか個人情報が他人に誤って通知される可能性が無いとは言えない。

- ゲーム機自体をセキュリティトークンとして利用する事の是非

メーカーが、アカウント絡みのトラブルを、一般の消費者に説明するのは非常に難しい。そのせいか、任天堂のWiiにはアカウントと言う概念が無かった。ゲーム機自体にセキュリティトークン(本人確認)の機能を持たせたのだ。だが、ゲーム機が故障して買い換えても、せっかくダウンロードしたデータを新たなゲーム機で再生出来ないという不都合が発生した。新調したゲーム機を、ネットでは別人と認識してしまうからだ。Wiiが故障したら任天堂に修理してもらわないとダウンロードしたゲームは、お釈迦になってしまうのだ。修理を依頼する手間が有るものの、アカウントの事なんか知らない子供や、その親に対応するには、この方法が良いと考えたのかも知れない。

- ゲーム・メディアの行方

将来、ダウンロードすら不要のサービスであるクラウド・ゲームの時代になると、ゲーム機にゲームソフトを再生する機能は、ほぼ必要無くなる。テレビやタブレット端末でも、ゲームの操作映像が、ペイ・テレビのように配信可能となるだろう。そうなれば、ゲームソフトがメディアで流通する事は無くなるかも知れない。
しかし、便利になった途端、円盤メディアが何故か愛おしく思えるのだ。「時代に逆行している」と思われてもいい。アカウントなんか気にしなくても、対応したゲーム機さえあれば、何時でも再生できる安心感があるじゃないか。コレクション欲を満たすのも良いだろう。と思いつつ今日も、滅多にプレイしなくなったゲームソフトの、うず高く積まれたパッケージを、いつ物置にしまおうかと悩むのだった…。


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