ドワーフそふと

自作のソフトウェアについて
いろいろ書込みたいと考えていますが
はたして、うまくいくのやら...

DARK SOULS II - 伏兵が待ち受ける古城

2015-02-22 16:49:54 | テレビゲーム
「DARK SOULS II」(ダークソウル2)は、「FROM SOFTWARE」が開発したハクスラ系アクションRPGだ。
FROM SOFTWAREのゲームは「アーマード・コア」シリーズが有名だが、総じて「血圧の低い」雰囲気のタイトルが多く、苦手だったし、固定ファンが買うだけのマイナーなゲームを開発しているというイメージだったのだが、どうも最近様子が変わってきているようだ。
PS3用に「Demon's Souls」というソフトの販売を皮切りに、前作「DARK SOULS」も発売され、いずれもヒットしていた。そして、本作「DARK SOULS II」に至っては、一般のゲームファンからもメジャーなタイトルであると認識されるまでになっていた。一体どう変わったのか興味があったので、ようやく国内でXBOX360にも対応された本作を、購入してみた。

- 敵キャラのレベルについて

本ソフトを初めてプレイした時、正直「やっぱりFROMだな」と感じた。最初の拠点である「マデューラ」に到着した後、道なりに進み「ハイデ大火塔」でイキナリ「古騎士」に倒されてゲームオーバーになった。「最初だから不慣れなせいで失敗した」と思い、繰り返し挑戦するも、やはりゲームオーバー。アクションに、比較的分かりやすい大きな隙がある敵なのだが、どうしても勝てないのだ。そして気が付いた。自分のレベルや装備が、この敵には合っていないのだと。

今時のゲームだったら、メインの道中に極端に強い敵を配置したりはしないだろう。このゲームは、そうではない。「前に進めるかどうかは、自分で判断しろ」という事なのだろう。

私にとっては、これが初めてのエンカウントだったのだが、開始直後の篝火(かがりび)に戻ってみると、靄がかかった先にチュートリアルが存在していることを見落としていた。これに気付いたのは、どうにも先に進めなくて散々死にまくった後で、このゲームにとって「分かりやすさは野暮」なのだと思い知らされた。

このような「どこか懐かしい」ルールのゲームは、久しくプレイしていなかった。まだ色数256のPCで動作するアクションRPGのようなゲームバランスだ。

- ゲームオーバーに対するペナルティ

とにかく「死んで覚える」タイプのゲームなのだが、死にまくっていると自キャラの最大HPがジワジワと下がってくる。気が付くと元の半分になっていた。つまり、「ゲーム進行に行き詰ったら、最大HPが半分になる前に、どこに原因があるのか考えろ」とゲームそのものから警告されているかの様だ。

「ソウル」というゲームの世界で言う所の通貨があるのだが、死亡すると、所持しているソウルを、その場に「血痕」という形で放置され、リトライ時に取りに行かなくてはならない。血痕は一つしか残らない為、これを回収する前に、再度、死亡すると、現在の所持ソウル数に上書きされてしまう。つまり、回収前のソウルをロストする事になる。

この辺は、他のハクスラにも良くあるルールで、死んだ場所に大抵は苦手な敵が居るわけだから、ソウルを回収する前に死ぬ確率が高く、せっかく溜め込んだソウルをふいにしてしまう事も度々である。

- プレイヤーの心理を見越した罠や伏兵の配置

マップ中にアイテムが落ちてたり、宝箱が配置されているのだが、かなりの確率で罠がしかけられている。落ちているアイテムを拾うと、何処からともなく背後から攻撃されたり、アイテムを守っている敵に夢中になっている隙に、やはり後ろから挟み撃ちされたり、通路入口真横の死角に、斧を振り上げた状態で待ち伏せていたりと、兎に角いやらしい。極端に強い敵に覚悟して挑んだ時など、後ろからもう一体出て来るなどと言う事は日常茶飯事だ。
これらの伏兵は、死体のようなフリをして地面に倒れていたり、物陰に隠れていたりするのだが、プレイヤーが特定の場所に移動すると、攻撃開始のスイッチが入るようになっている。また、足場の危うい場所が多く、思わぬ敵の出現に驚き、足を滑らせてゲームオーバーなんて事も良くある。
宝箱も、開けると矢が打ち出されて即死したり、宝箱そのものがモンスターだったりする。

- ポーションがぶ飲みや、強力武器による一方的な攻撃などの、安直な戦法を許さない

エストの入った瓶や、雫石などの回復アイテムが有るが、これらを使用すると1秒ほど無防備になる。その間に攻撃されると大ダメージを受けてしまう。また如何にも強力そうな武器には、それに見合った大きな隙が出来る物ばかりで、この辺りは対人戦を見越したバランスなのだろう。また、いかなる場合でもポーズする事は出来ない。敵に見つかっている状態では、のんびりとメニュー画面を開いている余裕はない。

- こんなにも意地の悪いゲームの魅力とは?

ここまで聞くと、あまりゲームをプレイした事の無い人や、今時のゲームしか体験した事の無い人は、すぐに「不親切で、やたら強い敵ばかりのクソゲー」認定してしまうに違いない。しかし、もしそうであれば、もっと世間の評価は低いはずだ。どこかに、隠された魅力が存在するに違いないと思うのだ。

- 地味だが多彩なアクション・パターンが存在する敵キャラ

ボス、雑魚を問わず敵の種類によって、様々なパターンの攻撃がデザインされていて、プレイヤーの行動や間合いを読み、有効な攻撃を選択したりする。なので、雑魚でも気を抜いていると、容赦なくコンボ攻撃され、あっけなく死んでしまう。

だが、攻略法が無い訳ではなく、敵の次の行動も、ある程度読める様になっている。またローリングによる回避や、盾による防御なども、自然な形で積極的に活用するよう、かすかではあるが、プレイヤーを誘導している気配が感じられる。

この辺りは、完全にはプレイヤーを突き放してはおらず、敵の動きをよく観察すれば、攻略への道が、おのずと開かれるようになっている。

あとマップに対する敵の配置は、何度ゲームオーバーになっても変わらない為、伏兵の存在については、とにかく一体づつ片づけるよう慎重に行動すれば、何とかクリア出来る。
ただ、注意しなくてはならないのは、このゲームをデザインしている人が、プレイヤーが持つ固定観念を逆手にとった仕掛けを、常に考えていると言う事だろう。前回うまくいった方法そのものが次の罠になっているのだ。

敵キャラが小憎らしいアクションを見せるゲームとして、「バイオハザード4」に近いものがある。比較的狭く行動が制限される作りのマップに、プレイヤーを罠に掛ける為の仕掛けや敵が配置されている。飛び道具と近接戦闘の違いが有るとはいえ、随分異なる印象のゲームになるものだなと感心する。基本的に回避する必要がなく、回復にはポーズが掛かるし、自身の所持する武器が、相手より圧倒的に強いので、最も高い難易度でも、ゲームの進行に行き詰るのは、精々中ボスか篭城戦くらいなものだったが、このゲームは、慣れた雑魚に対しても、決して油断出来ない。

- 「重装」か、はたまた「軽装」か

このゲーム、未だエンディングを迎えていない為、結論は出せないが、今のところ、回避能力に優れる軽装が有利であると思う。とにかく、いかなる敵であれ、回避無しでは太刀打ち出来ない。
敵の攻撃をある程度無効化するには、よほど防御の高い盾を構えねばならないが、そんな盾は、売ってもいないし、めったにドロップもしない。優れた盾は存在してはいるようだが、装備の整えやすさからいって序盤は軽装になると思う。
重装で回避出来なくもないが、装備総重量に制限があるため、武器や盾の装備を減らさないと、まともにローリング出来なくなったりする。このような状態では、回避しても攻撃を避けきれず、まったく勝負にならない。また武器や盾の装備数を減らすと、対面する敵に応じた適切な武器の切り替えが、瞬時に出来なくなる。
重い武器ほど、筋力や技量のステータス要求値が高く、その点においても選択しにくい。

- 戦いの駆け引きに微妙に影響するステフリ

レベルアップするのにソウルを消費する。その際に、各種ステータスに1ポイント割り振る事ができ、それによって能力値も上昇する。

序盤は兎に角、能力値が低く苦労するので、レベルアップに必要なソウル数を獲得したら、引き返す勇気が必要となるだろう。先が気になるからと言って、迂闊に死亡すると、せっかくレベルアップの為に稼いだソウルを喪失するリスクを抱えてしまう。

同じ通路を何度も攻略するのは、うんざりするかもしれないが、地道にレベルアップしてボス戦に備える事を勧める。

重要なステータスとして生命力や持久力が存在する。生命力は最大HPを増加させる。これによって一発即死を防ぐ。持久力は、最大スタミナを増加させる。これによって回避や攻撃の連続回数に余裕が生まれる。

体力は最大装備重量を増加させるが、1ポイント当たりの増加量は、かなり少ない。重装を選択すると装備重量の、やり繰りに悩むことだろう。

筋力や技量は、性能の高い装備を選択するのに必要で、適宜割り振る必要がある。

適応力は、各種耐性や敏捷性に関わるステータスだが、序盤は余り耐性を強化する必要を感じない。

記憶力、理力、信仰は魔法使いに関わるステータスだが、魔法使いキャラのビルドを、未だ、していないので、感想は次の機会とする。

他のハクスラ同様、キャラクターのビルドは非常に重要で、失敗するとゲームが詰んでしまう。ステフリ加減は、攻略サイトなどを参考にすると良いと思うが、それでも既に3人ほど作成してしまった。何れも、うまくいってる感じがしない。

手に入れた武器は、使い心地を試す為に、筋力や技量につぎ込む羽目になるのだが、試してみると、隙が大きく使いにくかったりする。それと重い武器はスタミナ消費量が大きく、連続して攻撃を与えるには、持久力に気を配る必要がある。

スタミナと装備重量の概念は、「オブリビオン」でのビルドで鍛えられたので、個人的には違和感無く楽しめる要素だ。

- 今の所の印象

今よりずっとゲーム画面の表現力の低かった時代は、ルールでプレーヤーを縛る事で、駆け引きの面白さを引き立たせ、それを補うゲームがほとんどだった。あと、小難しく作る事によってリトライ回数を増やし、ゲームの進行を遅くしてデータ容量の少なさをカバーしていた。
しかし、現在はブルーレイ・ディスクにゲームが収納されている時代なんだから、充足感を感じるに足るプレイ時間に必要なデータ容量が有るし、画面の表現力も映画並みなので、もう少しプレイ感にテンポの良さや伸びやかさがあっても良いと思う。タイトなルール設定は、いかにも古臭く窮屈に感じた。
また、フロアのボスを倒すまでには、相手の攻撃パターンに慣れたり、レベル上げの為に何度も同じ敵を倒さなければならない。その作業が、かなりストレスを感じるのだ。しかも、その際に、何かの不注意で死んで多くのソウルを喪失したりすると、「心が折れて」暫くの間、自分の頭のクールダウンを余儀なくされた。

しかしながら、ただ難しいのではなく、敵の配置も良く練られているし、マップを有る程度進めば近道の扉を開ける事が可能だったり、攻撃アイテムを購入して、不慣れなアクションを補強する事も出来たりと、けしてクソゲーでは無いのだなと感じたのも事実だ。

画面が綺麗でボリューム満点、簡単な操作で派手なアクションが可能だけど、さして変わり映えのしないゲームばかりが、毎年のように乱造されている中、そのことにウンザリしていた人達が、一筋縄では行かないがピリッと辛さを感じる本ゲームに惹かれた気持ちは、正直分からなくもなく、だからこそ、今、支持されているのだと思う。同社開発の最新作「Bloodborne」が間もなく発売されるようだが、もしかしたら、少々マンネリ化してきた「バイオハザード」シリーズに、とって替わるようなムーブメントを起こすのかもしれない。