フィッシュストーリー 伊坂幸太郎

2010-01-26 00:16:36 | 読書
■フィッシュストーリー 伊坂幸太郎 新潮文庫

『僕の孤独が魚だとしたら、そのあまりの巨大さと獰猛さに、鯨でさえ逃げ出すに違いない』

フィッシュストーリーの粗筋が思い出せなくて焦った。 物忘れがひどい。
うんうん唸って思い出そうとして、はっと気がついた。 まだ、読み終わっていなかった…

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短編集である。 連作短編集(続き物)ではない、独立した物語だ。

1.動物園のエンジン
2.サクリファイス
3.フィッシュストーリー
4.ポテチ
(サクリファイスは生贄、フィッシュストーリーは法螺話)

「動物園のエンジン」はアンリ・ルソーの絵を思い出した。 
動物園だからジャングル…ではなくて、伊坂がこのストーリーを書いているときにルソーの画帳を広げていたのではないかと思ったから。

「サクリファイス」「ポテチ」にはあの黒澤(泥棒かつ私立探偵)が登場する。
書下ろしの「ポテチ」のほうが人気を集めそうだが、わたくしは断然サクリファイス。解説にもあるとおり、金田一耕助を彷彿とさせて面白かった。

「フィッシュストーリー」は40年という時間の中を物語が行きつ戻りつするから、一気読みするのがコツ。
細切れに読むと、なにがポイントだったのかわからなくて、もう一度読み直すことになるかもしれない。
わたくしがそうだったから。

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このところ短編続きで少し物足りない。 伊坂は長編がいいですよね。


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2 コメント

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Unknown (Bluey)
2010-01-27 13:29:52
どうも短編は苦手で、今まで一度も満足したためしがありません。

伊坂幸太郎の本で、どうしても読みたいものがありましたが、名前が思い出せない。。。
私の物忘れも相当です(笑)。
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長編といいますと~ (デュエット)
2010-01-29 23:31:10
オーデュボンの祈り、重力ピエロ、アヒルと鴨のコインロッカー、わたしが好きな長編はこの三冊です。
いかがでしょうか。(^^)
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