中国の王家瑞・共産党対外連絡部長が北朝鮮を訪問して、6カ国協議の再開説得にあたった。という報道に対して、幾つかの感じたことを書いていきたい。
まず、王家瑞・共産党対外連絡部長とは何者か?
2000年に共産党対外連絡部長に就任した王は2001年の金総書記の訪中の際、国境を接した丹東まで出向いて迎えており、同年2月の金総書記の59歳の誕生日(2月16日)を前に訪朝し、親善増進など共通の関心事について金総書記と意見を交わしている。
このことから、王は北朝鮮と中国の橋渡しをする役割を持っていると思われる。
また、経済学博士で、中国共産党内では経済通として知られている。
対外連絡部に異動する前は、山東省の代表的な工業都市・青島の市長(98年から99年10月)や副書記を歴任し、中国の経済発展に貢献した。
北朝鮮の対応も国賓級の扱いをしている。
北朝鮮の外交のトップである金永南が2度にわたり会談し、金正日自身も会談している。
通常、金永南は外相級の扱いになるので、よほどの大物で無いと直接面談にはならない。
そのことから王がただの連絡役でないことと、中国共産党の大物であることが伺える。
気になるニュースがある。
「王家瑞部長・金永南委員長が3時間以上会談」 深刻な意見食い違いか
二度会談し、二度目は3時間に及ぶ会談であるとするなら、相当突っ込んだ議論がなされたのは疑う余地ない。
私は北朝鮮の『6カ国協議無期限中断』は日本との国交正常化に行き詰まった北朝鮮が、日本との国交正常化と人道支援が受けられないのなら代わりに、日本との交渉行き詰まりを6カ国協議の条件交渉のカードとする戦略である。と見ている。
とすると、ここで議論になったのは、日本のことと、6カ国協議の本音だろう。
「状況は依然ややこしい」 訪朝した中国高官
ここに、寧大使は金総書記が述べた「条件」とは何かという質問に対し、「関係国のさらなる措置(actions)と信頼(sincerity)」と述べた。
寧大使は「中国は北朝鮮の速やかな協議復帰を求めていると、はっきり伝えた」とし、「6か国協議の速やかな再開に向け引き続き努力していくが、中国の力だけでは物足りない。すべての関係国が責任感を持ってほしい」と述べた。とある。
やはり、これは日本のことを指していると思われる。