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【現代思想とジャーナリスト精神】

転載【東京新聞】2023年11月24日 06時00分

「自衛隊の南西シフト」で「戦争の姿が見え始めた」 沖縄・鹿児島の人々が国会前で訴えた切実な思い


 沖縄も日本も戦場にさせるな―。政府が進める沖縄県名護市の辺野古(へのこ)新基地建設や自衛隊の南西シフトに反対する集会が23日、国会前で開かれた。同日に那覇市であった「県民平和大集会」に全国各地で連帯する行動で、沖縄、鹿児島両県の島民らも参加。「有事になれば基地のある島が狙われる」「戦争の準備は始まっている」と危機感を訴えた。(安藤恭子)

 自衛隊の南西シフト 九州南端から台湾へと連なる南西諸島で、自衛隊の体制を強化する日本政府の方針。中国の軍事的台頭を背景に2010年の「防衛計画の大綱」で部隊配備が明記された。16年の与那国島(沖縄県)の陸上自衛隊駐屯地をはじめ、19年の宮古島(同)、奄美大島(鹿児島県)、今年3月の石垣島(沖縄県)と開設が続き、ミサイル部隊などの新編・移駐が進められてきた。

◆「東京でも想像してみてください」

 「島では戦争の足音だけでなく戦争の姿も見え始めた。東京でも想像してみてください」。沖縄県宮古島市の清水早子さん(75)は国会正門前に立ち、聴衆に呼びかけた。

国会正門前で「沖縄を戦場にするな」と呼びかける人たち=23日、東京都千代田区で(安藤恭子撮影)

 陸上自衛隊と米海兵隊は10月、九州・沖縄で離島防衛を想定して戦闘射撃や負傷兵搬送を行う大規模訓練を展開。有事には先島諸島の住民ら約12万人を九州全域に避難させるとする国の想定があり、宮古島ではシェルター機能のある地下施設の整備も検討されている。清水さんは「12万人もどうやったら運べるのか。小さな島にいるからこそ、この国の行く末がよく見える」と危ぶんだ。

◆「武装すれば必ず敵をつくる」

 沖縄県石垣市で農業を営む上原正光さん(70)は、戦闘が続くパレスチナ自治区ガザと島の状況を「閉じ込められているのは同じ」と重ね合わせた。「武装すれば必ず敵をつくる。核シェルターなど役に立たない。島々の力だけでミサイル戦争は止められないから、反戦のために一緒に闘ってほしい」と訴えた。
 沖縄集会の運営委員によると、同日の集会・行動は横浜や大阪など11カ所で計画。国会前集会は、南西諸島で戦争になれば本土の米軍・自衛隊も参戦する恐れがあるとして開かれ、主催者発表で約2000人が参加した。実行委員会の野平晋作さん(59)は「沖縄と本土では、戦争への危機感の隔たりがあまりに大きい。共有できる機会となれば」と願った。

【関連記事】「これは本土の問題だ」…新宿で、横浜で、沖縄の「県民大会」主催者がマイクを握る真意
こちら特報部
2023年10月29日 12時00分
 沖縄を再び戦場にさせない—。日本政府が対中国を念頭に南西諸島の軍事力を高める「南西シフト」への危機感から、11月に沖縄県内で開かれる1万人規模の県民大会。主催団体を代表し、前南城市長の瑞慶覧長敏ずけらんちょうびんさん(65)が今月、米軍基地のある東京都や神奈川県を訪れて「これは本土の問題だ」と訴えた。平和の構築を巡る沖縄と本土の認識の隔たりは大きい。つながろうとする人々の姿を追った。(安藤恭子、西田直晃)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/286609

【関連記事】フォークシンガー知念良吉さんが支える沖縄発の平和運動 23日に県民大会 歌を力に次世代へつなぐ
こちら特報部
2023年11月20日 12時00分
 沖縄から反戦を訴える市民運動「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」が23日に那覇市で開く県民大会では、平和を願うコンサートも予定されている。その音響設営を担い、自らも歌うフォークシンガーの知念良吉さん(71)はボランティアで携わる。沖縄の平和運動をどう若い世代につなげていけばよいのか。沖縄のイベントでは欠かせない音楽を通じて模索を続けている。(宮畑譲)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/291051


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