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ブログ版「泥鰌の研究室」

 信州飯田周辺の方言(飯田弁)を発信しながら、日本語について考えていきます。

「日本方言大辞典」 全3巻

2004-12-06 | お薦め!この1冊
北海道から沖縄に至る全国の方言を集大成した大辞典。
総項目数20万。日本の方言語彙の集大成。
上・下巻は近世から現代までの1,000点を超える各地の方言資料の中から語彙を採録。それらの意味を解説するとともに使用地域、用例、方言資料番号などを示しています。

方言語彙の全国的分布が視覚的に展望できるよう、方言の分布地図178点が収録されています。
これらの地図により、方言の全国的な分布がよくわかります。
また、同じ意味をもつ語で、言い方の似ているものは同一項目にまとめ、方言形の変遷や地理的分布がたどれるように工夫されています。

全国の方言資料集1,000点余から集大成された日本最大の方言大辞典です。採録された底本には貴重な資料集も多数含まれ、 典拠とした方言資料はすべて番号化され、その番号は使用地域名の下に示されています。上巻巻頭の「原資料および出典番号一覧」により、各資料の編著者名、成立年等が即座に検索でき、方言の研究者必携の基本資料です。 値段はかなり高額ですが、それなりの価値は十分にあると思います。

監修  徳川宗賢
編集委員  徳川宗賢 佐藤亮一
出版先 小学館

B5判変型 / 〈本文2巻〉上巻1,382頁
下巻1,338頁〈別巻1巻〉1,202頁
定価:本体98,058円+税(分売不可)

「標準語引き 日本方言辞典」

2004-12-02 | お薦め!この1冊
お国ことば15万語が標準語から検索できる!

方言を知ることは、日本人の心のひだにまで分け入ることです。日本語研究者、文学研究者、郷土史家、著述業をはじめ日本語を愛するすべての人々に。

小学館担当者からのメッセージ
近年、方言の衰退が叫ばれています。確かに、改まった場などで方言が使われることは極端に少なくなっていますが、その土地土地で暮らす人々にとりましては、かけがえのない生活に根づいたふるさとのことばとしての地位は、いまだに失われていないと思います。この『標準語引き 日本方言辞典』により、日本人の心のふるさとである方言の、豊かさ、暖かさ、美しさをぜひ再確認してみてください。

監修 佐藤亮一東京女子大学教授
小学館 8,190円(税込み)

「信州のことば」 馬瀬良雄著

2004-12-02 | お薦め!この1冊
 信州は、郷土研究の筆頭格である。郷土史や自然誌についてとおなじく、方言研究にあっても。著者の馬瀬さんはそのリーダーだ。もっとも、本書を読むと、江戸時代の鈴木牧之や小林一茶にまでさかのぼることがわかる。(樺山紘一国立西洋美術館長の書評より)

 隆盛の理由を考えてみよう。信州が、日本を分割する東西方言の境界線に接しているから。あるいは、信州自体が複数の方言圏にわかれるので、よりいっそう関心がひかれるから。

 馬瀬さんの方言研究には、くわえてはっきりとした特色がある。共通語(標準語)によるテキストをつくり、これを各地の方言に翻訳してもらう。これを「テキスト方言訳」とよぶ。こうすれば、信州内部での差異をみさだめられる。いや、全国各地の方言との比較も可能だ。

 単一の方言の特殊性だけにこだわるのではなく、一般性の基準をなかだちとして、諸方言間の距離をはかりとる。この発想は、ことによると、ごく信州的なのかもしれない。

信濃毎日新聞社 3,000円(税別)