「上伊那の方言 ずくなし」(上巻)1980年12月発行
「上伊那の方言 ずくなし」(下巻)1983年10月発行
定価 いずれも3,800円 発行 伊那毎日新聞社
「方言のふるさと」を探る決定版というべき、名著である。
ちなみにインターネットの本の通販サイトを探してみたが、どこにも見あたらず、すでに新刊として入手するには困難な状態である。古書店を検索して入手するしか手段はないのかもしれない。
私は、上下巻ともに著者の福沢先生からいただいた。私の方言研究には欠くことができない著作である。
先生に「下伊那の方言研究を進めるには近隣の地域の研究書をも参考にしなければならない」と教えられた。
下伊那方言の解明を進めるときには、必ず参考にするのが、この「ずくなし」である。
亜細亜大学の宮脇昌三氏と民俗学者の向山雅重氏が次のような推薦の辞を寄せられている。
◎宮脇氏
福沢方言学の特徴の第一は、その語源語義を探って国語学的にきわめて正鵠(せいこく)を得ていることである。
さらに氏の方言の語り口には、かつて自らその著に題したように、風物詩というべき詩的情緒がいつも揺曳(ようえい)している。そして何よりも、この地の風土が産んだ、方言の一語一語に尽きせぬ愛情を注いでいることを尊しとするのである。
われわれは、福沢氏が一木一草に到るまで、心こめて植え育てた、美事なる方言植物園に、心豊かに遊び楽しむことのできる幸せを与えられたのである。
◎向山氏
本書は、自分達が子供の頃から使ってきた言葉、ごくあたりまえの日常の言葉をとり上げて、広い視野から見、深い学識によって、その由来、変化などを判りやすく、誰にも納得できるように解いていて、この地に、ふるくから生きつづけてきたひとびとの、その口ぶり、息づかいまで聞こえるようで、実に楽しい。軽やかな筆致のさし絵のちりばめられてあるのもうれしい限りである。
題名の「ずくなし」は上伊那地方の代表的特徴を備えた方言の一つ。
ズクナシ 「怠け者」
ズク 「根気」
ズクーヤム 「怠ける」
ズクーヌカス 「怠ける」
オーズク 「まともな仕事をやりとげる気力」
コズク 「こまごました仕事に精出すこと」
隣接する下伊那でも同様にこの「ズク」を使うのだが、それを共通語で説明するにはあまりにも難解である。
「上伊那の方言 ずくなし」(下巻)1983年10月発行
定価 いずれも3,800円 発行 伊那毎日新聞社
「方言のふるさと」を探る決定版というべき、名著である。
ちなみにインターネットの本の通販サイトを探してみたが、どこにも見あたらず、すでに新刊として入手するには困難な状態である。古書店を検索して入手するしか手段はないのかもしれない。
私は、上下巻ともに著者の福沢先生からいただいた。私の方言研究には欠くことができない著作である。
先生に「下伊那の方言研究を進めるには近隣の地域の研究書をも参考にしなければならない」と教えられた。
下伊那方言の解明を進めるときには、必ず参考にするのが、この「ずくなし」である。
亜細亜大学の宮脇昌三氏と民俗学者の向山雅重氏が次のような推薦の辞を寄せられている。
◎宮脇氏
福沢方言学の特徴の第一は、その語源語義を探って国語学的にきわめて正鵠(せいこく)を得ていることである。
さらに氏の方言の語り口には、かつて自らその著に題したように、風物詩というべき詩的情緒がいつも揺曳(ようえい)している。そして何よりも、この地の風土が産んだ、方言の一語一語に尽きせぬ愛情を注いでいることを尊しとするのである。
われわれは、福沢氏が一木一草に到るまで、心こめて植え育てた、美事なる方言植物園に、心豊かに遊び楽しむことのできる幸せを与えられたのである。
◎向山氏
本書は、自分達が子供の頃から使ってきた言葉、ごくあたりまえの日常の言葉をとり上げて、広い視野から見、深い学識によって、その由来、変化などを判りやすく、誰にも納得できるように解いていて、この地に、ふるくから生きつづけてきたひとびとの、その口ぶり、息づかいまで聞こえるようで、実に楽しい。軽やかな筆致のさし絵のちりばめられてあるのもうれしい限りである。
題名の「ずくなし」は上伊那地方の代表的特徴を備えた方言の一つ。
ズクナシ 「怠け者」
ズク 「根気」
ズクーヤム 「怠ける」
ズクーヌカス 「怠ける」
オーズク 「まともな仕事をやりとげる気力」
コズク 「こまごました仕事に精出すこと」
隣接する下伊那でも同様にこの「ズク」を使うのだが、それを共通語で説明するにはあまりにも難解である。