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ブログ版「泥鰌の研究室」

 信州飯田周辺の方言(飯田弁)を発信しながら、日本語について考えていきます。

福沢武一

2004-11-17 | 方言研究に光を当てた先人たち
福沢武一(ふくざわ・ぶいち)
大正3年、長野県伊那市生まれ。
東大文学部卒業後、昭和48年まで長野県各地の高校に勤務。
長野大学講師、上田女子短期大学教授を歴任した。
万葉集に通じ、古語から方言をさぐる独特の学説は「福沢方言学」と呼ばれた。
平成15年5月15日逝去。
主な著書「信州方言風物誌」「信濃太郎」「万葉省察」「信州文学碑散歩」「上伊那の方言ずくなし」など多数。ほか、「伊那」等々に多数の論文を発表し、多くの研究者・学徒へ与えた影響は多大。
馬瀬良雄とともに、信州方言研究の双璧であった。
平成16年、遺族と屋代高校の教え子の尽力により「北信方言記」(ほおずき書籍)が刊行され、事実上の遺稿集となった。

徳川宗賢

2004-11-16 | 方言研究に光を当てた先人たち
徳川宗賢(とくがわ・むねまさ)
学習院大学人文学部教授。昭和30年に国立国語研究所(国研)地方言語教室に入り、「日本言語地図」(全6巻)をまとめた。
平成10年1月に「社会言語科学会」を設立し、同学会の初代会長となる。平成11年逝去。「日本方言大辞典」、「日本の方言地図」、「新・方言学を学ぶ人のために」、「関西方言の社会言語学」、「方言地理学の展開」等々、言語学・方言学等々に関する著書多数。
中でも「方言地理学の展開」は、「日本言語地図」の調査・作成、「日本方言大辞典」の編集など、方言研究・方言地理学に精力をそそいできた徳川のはじめての論文集で、現在の方言研究・社会言語学の指針となる書である。

東条 操

2004-11-16 | 方言研究に光を当てた先人たち
東条 操(とうじょう・みさお)1884-1966
 国語学者。広島文理科大学教授、学習院大学教授を歴任した。1940年に日本方言学会を創立し、方言区画論を中心に方言を研究、日本方言学の確立に寄与し、日本方言学の母と呼ばれる。
 柳田國男同様に「信濃教育」等に多くの論文を発表し、信州の研究者に大きな影響を与えた。「方言区画論」を提唱し、柳田の「方言周圏論」と一線を画した。
 著書に「国語学新講」「方言と方言学」「全国方言辞典」「分類方言辞典」がある。「全国方言辞典」「分類方言辞典」は今もなお、研究者にとってはバイブル的存在である。「分類方言辞典」は「標準語引き」で、共通語を引くことで各地の方言を閲覧することができる。

柳田國男

2004-11-15 | 方言研究に光を当てた先人たち
柳田國男(やなぎだ・くにお)
日本民俗学の草分け、民俗学研究の父と称賛される。
兵庫県生まれ。
明治34年(1901)、東京在住の旧飯田藩士・柳田家の養嗣子となり、3年後に養父柳田直平の四女孝と結婚。以来、昭和17年(1942)年まで本籍は祖先の地―飯田にあった。柳田は、墓参りや講演などあわせて7~8回伊那谷を訪れ、そのつど、飯田・下伊那の民俗学徒らと交流し、多くの影響を与えた。
雑誌「信濃教育」、「方言」等々に多くの論文を発表し、方言研究のあり方を示した。柳田の「方言周圏論」は、多くの研究者が賛否両論を展開した。
下伊那の方言研究にあっても方言周圏論をめぐっての論戦が「信濃教育」誌上等に散見されている。