飯田弁で「ナメ」といえば、道路などに氷が張り、凍結した状態を言う。「あそこの道のまがりかどがナメになっとるで、気をつけなよ」といった感じで使う。
近隣の方言集などをしらべたところ、同様の記載があったものは、岐阜県の岩村町に見られたが、他の資料には見あたらない。
愛知県に常滑市という町がある。「常滑」という語は、万葉の時代から見られる語であり、「川の中で水苔がついて常に滑らかになっている石を指し、多くは「永久」を意味する。
また、登山(山岳)用語で、「ナメ」というと「滑らかな岩の上を薄く水が流れている場所で、きわめて滑りやすい岩盤」を指す。単に「ナメ」あるいは「滑床(ナメトコ)」と言う。この「ナメ」が滝のように傾斜した部分を「滑滝(ナメタキ)」と言う。いずれも現在、登山用語として生きている語である。
古語辞典によると「ナメ」とは、ぬるぬるしているものを指すとされている。
以上のことから解釈すると、「ナメ」とは、ぬるぬるしていて、絶えず水が流れて滑りやすい場所ということになり、「日本方言大辞典」(小学館)でも同様の解釈が記述されている。同書では、飯田弁で言う「ナメ」の記述が採録もれとなっている。(東条操の「全国方言辞典」には、長野下伊那の語として採録されている。)
全国的(特に西日本)には、「絶えず水が流れて滑りやすい場所」をさす「ナメ」が、飯田近辺では、「氷が張り凍結した状態(場所)」で、全国的な傾向の意味とは少し違う点が興味深いところである。
近隣の方言集などをしらべたところ、同様の記載があったものは、岐阜県の岩村町に見られたが、他の資料には見あたらない。
愛知県に常滑市という町がある。「常滑」という語は、万葉の時代から見られる語であり、「川の中で水苔がついて常に滑らかになっている石を指し、多くは「永久」を意味する。
また、登山(山岳)用語で、「ナメ」というと「滑らかな岩の上を薄く水が流れている場所で、きわめて滑りやすい岩盤」を指す。単に「ナメ」あるいは「滑床(ナメトコ)」と言う。この「ナメ」が滝のように傾斜した部分を「滑滝(ナメタキ)」と言う。いずれも現在、登山用語として生きている語である。
古語辞典によると「ナメ」とは、ぬるぬるしているものを指すとされている。
以上のことから解釈すると、「ナメ」とは、ぬるぬるしていて、絶えず水が流れて滑りやすい場所ということになり、「日本方言大辞典」(小学館)でも同様の解釈が記述されている。同書では、飯田弁で言う「ナメ」の記述が採録もれとなっている。(東条操の「全国方言辞典」には、長野下伊那の語として採録されている。)
全国的(特に西日本)には、「絶えず水が流れて滑りやすい場所」をさす「ナメ」が、飯田近辺では、「氷が張り凍結した状態(場所)」で、全国的な傾向の意味とは少し違う点が興味深いところである。