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リサイクル幻想

2007-07-27 19:18:30 | 読書日記(映画)
bk1での注文が、この本のおかげで発送待機になったが、その価値あり


もう8年ほど前の発行だが現在も通じ、むしろ「予見」ともいえる内容
10刷を数えているのもうなづける


・リサイクルという美名の元に余計にエネルギーや資源を消費する愚
…最近のバイオエタノールを、燃料を消費して運ぼうとしていること、これは言及されている「距離のロス」に繋がる話だし、ワールドビジネスサテライトあたりで、ちょくちょく出てくるプラスチックなどを分解する新触媒開発! あたりのニュースの大部分にも当てはまる「矛盾」ではないか


・ダイオキシンに関する誤解
確かに小学校あたりの焼却設備なら、有害なガスの発生も高確率ながら、科学の目から見れば、高度な焼却炉までの否定は行き過ぎ
さらに
・プラスチックは石油の分子構成とほぼ変わらず、石油→火力発電より、石油→プラスチック→廃棄燃料として発電が効率的
・分別の労力に比する効果の低さ、また不確実性~加工品の構造的に分けきれない、あるいは万人に完璧な分別を求めるという二重の不可能性

という意見と合わせ
ゴミを分けずまとめて害物の出にくい形で焼却し、その火力はまた発電に生かし、
灰をまとめておくことで将来的な資源の枯渇に備えた「人工鉱山」とする、という構想には大いに頷かされる


前提に
・人間が利用できる全てのエネルギーは太陽エネルギーの変換系
(唯一原子力は例外だが、それを使う覚悟を説いている)
・人間は資源を効率的に使える形に(自然が)まとめてくれたものでないと、ほとんど使えない

というものもあり
これが各家庭から廃棄物を全て集めて、まとめて焼却→労少なくして、ミネラル資源を収集できる…という考えに繋がっているわけだ

これはまた、テレ東系で見た、廃棄パソコンや廃棄携帯は、レアメタル(高騰著しい)の宝の山…という言葉を思い起こさせた
廃棄パソコンの山は天然鉱山を凌ぐ割合でレアメタルを含有しており、商業的にも十分な価値がある…というもの
そう、ここのキーワードは「含有率」


かつての日本的な住居の復活で冷暖房の削減…あたりは半ば理想論として、小資源国としての自覚と、国の立地などの強みを生かした施策
大いなるパラダイムの変換を捉えた政策の変換に参考にしてほしい書であり、器の大きな政治家の出現を望みたいものだが…

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