虎(黄にゃんこ)と馬と猫

競馬とタイガースと時たまねこのお話

自衛隊の情報収集活動~各紙の報道

2007-06-09 02:13:32 | 政治経済
自衛隊の《情報収集活動》に関するニュース。
一連の報道を見ていると、(ちょっと逸脱しているけれど、まあ仕方がない部分もあるかも)という色付けになっているのではないだろうか?

しかし、報道の力感や色付け方を見ると…
・必ず枕詞には「イラク派遣に関する」をつけて対象範囲の限定
・消費税増税反対のデモ監視を明記しているのを見つけたのは日経のみ
・読売筆頭に「共産」を強調することによって読む人の先入観を誘導

こういう印象だ。
範囲を一般市民と比較的関係ないもので、一応、自衛隊の守備範囲に近い範囲「でしかない」できごとであり、「あの」共産党がわめいているんですよ、という先入観操作……すべては読む人の脳内の重要度を下げようという意図。

これを書くと一気にうさんくさくなりそうだが、「きっこの日記」にあったような「自民党以外の政党監視に略号」といった話は当然なし。

沖縄タイムスが最も詳しいように、地方新聞の方が当事者意識があって、中央の新聞より力が入っている。
そもそも毎日は記事がまともにあったのか?
きみたち、どこを見て記事書いてるの?

ちなみに、「調べない」「抗議しない」と言う時は、それ以上騒ぎ立てた方が(ヤバいものを発掘してしまう)ので、黙って自然鎮火を待とう…という安部ちゃん内閣の基本姿勢です。→文書の正当性を間接的に証明



自衛隊は国「民」を守らないし、政治は国民のことを考えないし、マスコミは国民に真実を語ろうとはしない

改めて空恐ろしい思いの強くなる、一連の報道姿勢である……
そして、国家戦略にとって情報の重要性は自明なことであるはずが、その能力の一部か大部分が内向きに使われ、さらに今回のことで必要な情報収集活動にも支障が出るとしたら? この国の先行きが本当に心配になる。



陸自、市民を監視・調査/全国289団体対象
沖縄タイムス
【東京】共産党の志位和夫委員長は六日、国会内で記者会見し、陸上自衛隊の情報保全隊が、自衛隊の活動に批判的な全国の市民団体や政党、労組、宗教団体、ジャーナリスト、個人(高校生含む)などの動向を調べた「内部文書」を入手したと発表した。調査リストにはイラク自衛隊派遣に関連して、二百八十九団体・個人が監視対象となっており、全国四十一都道府県に及ぶ。県内でイラク戦争に反対した市民団体ら十三団体のデモ集会やビラ配りなど十五件も含まれている。


陸自が市民団体監視、共産党が内部文書公表
日経
 機密情報の漏洩(ろうえい)防止を任務とする陸上自衛隊の情報保全隊が、イラク派遣に反対する市民団体や政党に関する広範な情報収集活動を行っていたことが6日、分かった。共産党が入手したという内部文書を志位和夫委員長が公表した。

(略)

 消費税増税反対や年金制度など自衛隊とは直接関係のない内容も盛り込まれている。メディア取材についても社名と取材者名を報告している。

東京新聞社説
 陸上自衛隊の情報保全隊が、イラクへの部隊派遣に反対する市民活動を監視していた。言論や思想信条の自由に対する圧力と受け取られても仕方ない。政治的中立の立場に徹すべきだ。~以下略(他記事でも枕の「イラク派遣うんぬん」は同様)

共産公表の陸自「内部文書」、調査せずと久間防衛相
読売の続報記事
 陸上自衛隊の情報保全隊が作成した「内部文書」だとして共産党が6日公表した資料について、久間防衛相は7日の参院外交防衛委員会で、「調べる必要はない。保存文書ではないから調べようがない」と述べ、自衛隊が作成した文書かどうかについて調査しない考えを示した。

 共産党が公表した文書は、同隊が2003~04年にかけて、イラク派遣に反対する市民運動やマスコミ動向などの情報を収集していたことを示す内容。
~以下略


朝日の続報記事
 イラクへの自衛隊派遣に反対する市民活動や報道機関の取材に対し、陸上自衛隊の情報保全隊が広範囲に情報収集・分析をしていた問題で、~以下略

陸自の国民監視「内部文書」県内はリストに2件掲載
信濃毎日新聞

自民党の自民党による自民党のための自衛隊
きっこのぶろぐ6/9

情報保全隊wiki