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「マネー・ボール」

2006-03-09 06:19:51 | 読書日記(映画)
「マネー・ボール」マイケル・ルイス

かねてから気になっていたメジャー・リーグのアスレチックスの話。
大雑把には出塁率を重視した選手選択で、安く効率良くプレーオフ進出を果たしている……という。
野球掲示板(にちゃんねるだが)で、各種データをどう扱うかという趣旨のスレッドや、各球団の戦力を分析するスレッドなどで断片に触れていた。


出塁率だけではなく、データを強さに繋がるものと関連の薄いものにより分けて……突き詰めると野球は得点を多く挙げて、少なくしか与えないと勝てるゲーム。よって投手は奪三振、与四球、被本塁打を重視するが、守備力は影響軽微と軽視。打撃は出塁率と長打率をなにより重視し、盗塁やバント~アウトを増やす危険性の高い行為を排除する。

内容とすれば、そんなところだが、話は合理的な世界と不合理な世界との「階級闘争」に発展していく。不合理な世界に生きる人が大半で、そこから利益を得ている人間には(合理的に動かれる)ことは不都合なわけで……


子供のころ、大人の世界というものは、もっと理性的で合理的なものだと思っていた。大きくなるに従って、理不尽なものがいつまでもなくならず、戸惑い失望した。
今は自分も含めて不合理なものに囲まれているが……改めて考え直したい気分になる。

この本が、ビジネスなどさまざまな分野から引き合いに出されるようになったのも当然であろう。
当のメジャーの世界からは、まだ少数派の異端扱いのままのようだが…