林檎日記

日々の事、考えた事など
無責任に書いてます

『星宙の飛行士』油井亀美也

2020-07-03 22:02:00 | 
図書館のおススメ図書のコーナーにあったのを見つけてしまった。この間『宇宙から帰ってきた日本人』を読んだばかりだったので、つい借りてきてしまった。

借りてきてよかった。読んでよかった。

新しく知った事が2つある。
  1つは自衛隊の事。油井さんは、JAXAに入ったころ、「ロシアは敵だ。何を考えているか分からない」と思っていたんだそうだ。油井さんが個人的にそう思っていたのか、自衛隊でそう教えていたのかは分からないけど、少なくとも自衛隊でそう思うような教えかたをしているんじゃないかと思った。だから、「なんだ、自衛隊は!未だにこんな事を教えているのか!!」とプンプンしたわけです。JAXAに入って、ロシアの事を学んで、ロシア人と協働作業をするようになった油井さんは、その考えを改めてもいるし
『自衛隊時代はある程度の力を持っていないと平和の均衡を保てないと考えていました。〜中略〜
  ISSでは、各国がそれぞれのいいところを認め合います。〜中略〜意見が異なる場合は話し合いで解決します。ISSのような国際協力のあり方、仕事の仕方が世界中に広まって欲しいというのも私の願いであり、夢です。』
と、書いてもいる。ここ、みんなに読んで欲しいなぁ。たくさんの人に、読んで欲しいなぁ。
でも、あれです。自衛隊の悪い所ばかり書いてはいなかった(いや、そもそも油井さんは悪い所を書いたつもりではいないかもしれないけど)。防衛大学は、きちんと高度な教育を受けられるんだなーとか、自衛隊にもこんなステキな人たちがいるんだなーとか、そういうのも勉強になりました。

もう1つは、油井さんの寄り道かげんだ。
子供の頃から宇宙に憧れて、天文学者か宇宙飛行士を目指していた油井さんは、高3の受験時に、ご家庭の経済問題上、防衛大学に進まざるを得なくなる。宇宙に夢中になる前に『宇宙からの帰還』を読んだ私には、軍人から宇宙飛行士というのは当たり前の道筋に思ってたんだけど、当時(今も?)日本ではそうでは無かったようだ。油井さんにとって、防衛大学に入る事は、宇宙への夢を諦めざるを得ないということだったみたい。そいで、目標を失ってた油井さんに「今、やりたい事が見つからなくても、目の前のことを一生懸命やっていれば、道は広がって行く。選択肢が広がる」と言ってくれた先輩がいて、頑張れたんだそうだ。そして、そのとおりになったんだね。その後も、色々な回り道や挫折をして、その度に、周りの人から声をかけられて助けられて、宇宙飛行士まで繋がった、という物語。「目の前の事を一生懸命やれ」とは、よく聞くけれども、それを本当に実践して、本当に道が開けた人がいたとはね!!そして、周りの方の助言を素直に受け入れられる油井さんの性質もね。それで、こんなにも道が開けていく人がいるんだなぁ。本当に、こんな事があるんだなぁ。という実感。

知れて良かった。甥っ子たちが思春期に差し掛かった頃に読んで欲しい本だなぁ。





  
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