ヒッチハイク

昔話

私がまだ益子に定住する前、各地の焼き物産地を回っていました。

そのときヒッチハイクは大変助けられ、また楽しい思い出です。

長崎から乗ったのは、葬儀屋さんの車。

霊柩車ではありません。あしからず。

この車で下関まで行きました。

たまたまとなりに停まった大型トラック。

アルミのでかいロールを積んでいました。

葬儀社の人が

「まってて・・・」

なにやら話していましたが、戻ってきて

「乗せてくれるそうだ。」

葬儀社の人にヒッチハイクの斡旋までしてもらうとは！

「あってはならぬ。なくてはならぬ。」

バスの後ろの広告に載ってた、葬儀社の宣伝。

私も大いに助けられました。

次に乗った大型トラック。

「本当は会社から知らない人は乗せるなと言われている。

何かあったとき困るからな。

でもまあいいか。」

葬儀社の紹介ならしょうがないかも・・・

運転手さんとすっかり仲良くなって、車中一泊。

大阪まで行きました。

飲み物や弁当まで出してもらって、本当にありがとうございました。

大阪のインター入り口付近でヒッチハイクしていると停まったのが・・・

黒塗りのベンツ！

ま・まさか！恐い人では？

おそるおそる近づいていくと・・・

「どうした？乗らんのか！」

「はい！おねがいします。」

ええい！ままよ。

白いシートカバーのかかった後ろの座席は

やっぱまずいだろうなあ。

助手席に乗り込む。

「どこまで行くんだ？」

乗っていたいような、いたくないような・・・

「名古屋までなんですが・・・」

「ちょうど良かった、社長を迎えに名古屋のゴルフ場までいくんだ。」

ホッ。良かった。

黒塗りのベンツは名神高速を快適に走りました。

いや～ベンツっていいですねえ。

名古屋からは、赤いミラージュ（昔あったんですよ。三菱の車）

乗ってみると、子供連れの30代の男性。

弘前までこの車を届けると言う。

弘前！

私の実家のちょっと先じゃないですか。

「大館までのっていくか？」

「う～ん。やっぱり益子にしておきます。」

益子に寄らせるのも悪いので、ちょうど良いところで降ろしてもらうことに。

次に乗った車。

なぜか下館行き。

予定とは違うが、このルートでも良いだろうとお願い。

下館から乗せてもらったセドリック。

結局益子のS氏の玄関先まで送ってもらったんです。

S氏の奥さん。

「ヒッチハイクで家の前までセドリックで乗り付けた人は始めて！」

と言われました。