長老の話

「うどんのコシと言うけれど…あれは固いだけだ！」

とある長老殿が言った

「最近のうどんは、パン用のうどん粉を入れてるから、ああなるのじゃ。」

「だまされてはいかん。うどんはやわらかいものなんじゃ。」

物事は言いようで

悪いものを良いと思わせたり

良いものを悪いと思わせたりして

ぼーっとしていると思わぬ方向に向かうことがある

そして

情報が多すぎるとわけがわからなくなる

静かにじっくり自分の頭で考え答えを出したい



「夕食はカレーにする？うどんにする？」と妻が尋ねた

静かにじっくりと考え

「カレー。」と答えると

にやりと笑いながら「やっぱりね。」と台所にむかった

私は子どもの時からカレーが好きなのである

「カレーのどこが好きなの？」

う～む

「それでは、あなたは納豆のどこが好きなの？」と聞き返してみた

妻は納豆が好きなのである

「かおり。特に秋の納豆は最高♡」

秋の納豆が最高であるとは知らなかった

私にとっても台所から流れてくるカレーの香りはウキウキするものだけれど

期間限定

この時がプレミアムと言う感覚はなかったなあ

冬の寒い時にフーフー言いながら食べるカレーも良し

また夏の暑い時に汗を拭き拭き食べるカレーも良し

そんなことを思いながら

そもそも好きな物に理由を尋ねる方が無粋ではあるまいか？

ドラマなどで

「仕事と私とどっちが大事なのよ！」というシーンがあるけれど

「納豆とカレーとどっちが好きなのよ！」と質問されてみたくなった



「俺は……どっちも好きだ。できればカレーに納豆をのせて食いたいぐらいだ。」

「あなたのその優柔不断なところが、いやなのよ！」


来週に続く


なんちゃって