どんぐり森の陶芸家、ダテコ氏は窯を焚いていました。
夜になり森のむこうから犬の遠吠えが聞こえてきました。
パチパチと燃える火を見ているうち、ダテコ氏はウトウトと眠り始めました。
窯詰めや今までの疲れが出たのでしょう。
ダテコ氏は夢をみました。
夢の中に、カマ爺が出てきました。
カマ爺はピアノを弾き始めました。
するとピアノの音にあわせて、窯の炎が踊り始めたのです。
静かな音の時は、ゆっくりチョロチョロと。
激しい音の時は、強くぼーぼーと、炎が踊っています。
そして、ピアノが終わり窯の炎も鎮まりました。
するとカマ爺は今度は窯に水をかけはじめました。
ダテコ氏は夢の中で
「あぶない!窯に水をかけるとあぶない!」
と叫んでいました。
カマ爺はそんなこと全然聞こえない様子で、窯に水をかけ続けます。
突然、窯にひびが入り、中から見たこともない色をした素晴らしい壷が現れたのです。
カマ爺はニヤッと笑って、そのままどこかへ消えてしまいました。
「おじちゃん・・・おじちゃん・・」
ふと気づくと、土の子太郎がダテコ氏を起こしています。
「おじちゃん、窯の火が消えそうだよ。」
はっとわれに返ったダテコ氏が立ち上がると、
ロクロ之助が窯にまきを入れています。
「おおありがとう。危ないところだった。」
「それにしても、不思議な夢をみた。」
「どんな夢を見たの?」と土の子太郎。
「カマ爺が出てきて、窯に水をかけるんだよ。
カマ爺が夢にでると、良い事が起きると聞いたことがあるんだが・・・。」
「もうまきがなくなるでござる。」とロクロ之助。
「おおそれはまずい。手伝ってくれるかな?
まき小屋に行って、運んでこないと。」
まき小屋に行って見ると・・・
まきがない!
あんなにあったまきが、無くなっているのです。
どうしたんだろう?
小屋の前の道には、二本のタイヤのあとが・・・
さあ大変窯がきえちゃう!
土の子太郎と、ロクロ之助はタイヤのあとを追って走り出しました。
ダテコ氏は、家の壁をはがして窯にくべています。
つづく
夜になり森のむこうから犬の遠吠えが聞こえてきました。
パチパチと燃える火を見ているうち、ダテコ氏はウトウトと眠り始めました。
窯詰めや今までの疲れが出たのでしょう。
ダテコ氏は夢をみました。
夢の中に、カマ爺が出てきました。
カマ爺はピアノを弾き始めました。
するとピアノの音にあわせて、窯の炎が踊り始めたのです。
静かな音の時は、ゆっくりチョロチョロと。
激しい音の時は、強くぼーぼーと、炎が踊っています。
そして、ピアノが終わり窯の炎も鎮まりました。
するとカマ爺は今度は窯に水をかけはじめました。
ダテコ氏は夢の中で
「あぶない!窯に水をかけるとあぶない!」
と叫んでいました。
カマ爺はそんなこと全然聞こえない様子で、窯に水をかけ続けます。
突然、窯にひびが入り、中から見たこともない色をした素晴らしい壷が現れたのです。
カマ爺はニヤッと笑って、そのままどこかへ消えてしまいました。
「おじちゃん・・・おじちゃん・・」
ふと気づくと、土の子太郎がダテコ氏を起こしています。
「おじちゃん、窯の火が消えそうだよ。」
はっとわれに返ったダテコ氏が立ち上がると、
ロクロ之助が窯にまきを入れています。
「おおありがとう。危ないところだった。」
「それにしても、不思議な夢をみた。」
「どんな夢を見たの?」と土の子太郎。
「カマ爺が出てきて、窯に水をかけるんだよ。
カマ爺が夢にでると、良い事が起きると聞いたことがあるんだが・・・。」
「もうまきがなくなるでござる。」とロクロ之助。
「おおそれはまずい。手伝ってくれるかな?
まき小屋に行って、運んでこないと。」
まき小屋に行って見ると・・・
まきがない!
あんなにあったまきが、無くなっているのです。
どうしたんだろう?
小屋の前の道には、二本のタイヤのあとが・・・
さあ大変窯がきえちゃう!
土の子太郎と、ロクロ之助はタイヤのあとを追って走り出しました。
ダテコ氏は、家の壁をはがして窯にくべています。
つづく