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馬屋記ーヤギとクリの詩育日誌

つらなりのほつれfray of sequence(14)薄い皮

形象が揺れるほど、

想像は沈溺する。

波は前に進んでいるように見えても水はそこに留まっている。形象が揺れるほど、想像は沈溺する。素粒子の片想いも川底に沈んでいる。流した涙をグラスについで飲み干すという比喩のほうへ、進む時間だけが、ふわふわ波打つように上下している。ウシのこころは真っ暗だから外の世界がまるで見えていない。そら、靴が脱げた。そこまで、行けない。けど、春巻きの皮をうすく焼くのが得意だった叔母さんは思い出を発酵させた醤酢につけて笑いながらいただきんさいと教えてくれた。それから土壌を味わって、日常を成形するまで、じっと目を閉じているんだよ。富貴と長春。ヴェトナムの美味しいレストラン、たしかそんな名前だった。眠りを薄い皮でつつむ、竹の長椅子で、孤独をしっかり乾かして。


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